『イカゲーム』シーズン3配信開始
Netflixを代表するドラマ番組の一つ、『イカゲーム』(2021-) のシーズン3が2025年6月27日
(金) より配信を開始した。イ・ジョンジェが主演を務める本作では、“イカゲーム”と呼ばれる456億ウォンをかけたデスゲームと、そこで戦う主人公ソン・ギフンの物語が描かれる。
約4年を経て3シーズンが配信された今、視聴者が気になるのはシーズン4があるのかということ、そしてシーズン3のその後の物語についてだ。今回は、シリーズの監督・脚本・原案を担当したファン・ドンヒョク監督が海外メディアで語った内容をチェックしていこう。
なお、以下の内容は『イカゲーム』シーズン3の結末に関する重大なネタバレを含むため、必ず本編をNetflixで視聴してから読んでいただきたい。
以下の内容は、ドラマ『イカゲーム』シーズン3の結末に関する重大なネタバレを含みます。
Contents
『イカゲーム』はシーズン3で終わり？ シーズン4はある？
シーズン3の終わり方
『イカゲーム』シーズン3の最終回では、シリーズを牽引してきた主人公のソン・ギフンが自ら死を選ぶことで222番ジュニの娘を守り、ゲームは終了した。イカゲームが開催されていた島はフロントマンことファン・イノの弟であるファン・ジュノに発見され、海洋警察が駆けつけようとする中、フロントマンが自爆装置を起動し破壊された。
「主人公の死」という形でフィナーレを迎えた『イカゲーム』シーズン3。元々シーズン2が配信され、シーズン3の配信が発表された時点で、シーズン3がシリーズのフィナーレとなることが明かされていた。ところが、『イカゲーム』シーズン3にはゲームの後もエピローグが残されていた。
ジュニの娘を助けて島を脱出したフロントマンは、その半年後に赤ん坊と優勝賞金を弟・ジュノのアパートに置いて立ち去る。更に、ロサンゼルスへと飛ぶと、シーズン1の冒頭で登場していたギフンの娘ガヨンに会いに行き、ギフンが残していた前回の優勝賞金をガヨンに渡したのだった。
さらにロサンゼルスの街中では、かつてのコン・ユが演じたスカウトマンのようにメンコで勝負を挑むスーツの人物の姿が。オスカー俳優ケイト・ブランシェットが演じたこの人物がフロントマンと目を合わせると、フロントマンは思わせぶりな表情を見せて車を走らせた。
明らかにイカゲームが終わっていないことを示唆するこのエンディング、本当にシーズン4はないのだろうか？
シーズン4はある？
ファン・ドンヒョク監督は、米The Hollywood Reporterのインタビューでシーズン3のその後を描くシーズン4の可能性について聞かれ、「物語はこれ以上語る必要のない形で終わったと思っています。ですから、あの結末から続く物語を語ることにはあまり興味がありません」と回答。ドンヒョク監督が「続き」を書くことはなさそうだ。
一方で、ドンヒョク監督は『イカゲーム』のスピンオフの可能性について触れている。
いつか私がスピンオフをやるとしたら、（シーズン1とシーズン2の）間で何が起きたかを振り返る方を選ぶと思います。でも、これは私たちが話し合っているだけで、いつどうやってスピンオフができるかということは、まだ分かりません。
シーズン1とシーズン2の間を描く？
実は、ドンヒョク監督は2025年1月にもThe Hollywood Reporterにスピンオフの可能性について語っている。この時は、「もし私が別のキャラクターやストーリーを思いつくことができたら、カムバックもあるかもしれません。しかし、その時はスピンオフという線で考えています」と話している。そして、この時もシーズン1とシーズン2の間の3年間を舞台にすることを提案している。
シーズン1とシーズン2の間に何があったかというのが、今考えているアイデアの一つです。3年の空白がありますからね。ですから、例えばフロントマンはその3年間の間に何をしていたのか？ リクルーター（スカウトマン）は何をしていたのか？ 時間があるときに色んなアイデアを出して、想像を膨らませるのが好きなんです。ですから、何であれ受け入れることができると思います。
確かに『イカゲーム』シーズン2とシーズン3はシーズン1の3年後が舞台で、その間、主人公のソン・ギフンは賞金を元手にゲームを主催するフロントマンを追っていたというが、その詳細はまだ描かれていない。ギフンはモーテルを買い取って“会社”を作っており、かつての借金取りを調査のために雇っていたが、その間もゲームは行われているのだ。
『イカゲーム』スピンオフとシーズン4はどうなる？
スピンオフはアノ人たちを描く？
『イカゲーム』のシーズン1でギフンが優勝したのは2020年の第33回大会で、シーズン2でギフンが舞い戻ったのは2024年の第37回大会だ。ドンヒョク監督が言うように、その間、新たにゲームの支配人となったフロントマンはどのようにゲームを運営していたのか、3年もの間ギフンが発見できなかったスカウトマンはどこにいたのかなど、スピンオフで空白の3年を舞台に掘り下げる要素はたくさんありそうだ。
フロントマンは支配人としては新人だった3年間の運営をうまくやれていたのか、ゲームの中でギフンのような存在を見つけることはできたのか……。シーズン3ではパク船長とスカウントマンが一緒に釣りに出かける関係であったことが明かされたが、コン・ユ演じるスカウトマンの釣り日誌も観てみたい……。
加えて、ドンヒョク監督はこの時、「もし『イカゲーム』の世界に戻るとしたら、別のキャラクターで別のストーリーを書くことになるでしょう」と、ギフンの物語にはシーズン3で終止符を打つことを宣言している。一方で前述のシーズン3公開後のインタビューでも、「シーズン1とシーズン2の間で何が起きたかを振り返る」という構想を手放していないことが明らかになっており、今後のスピンオフ展開に期待がかかる。
『イカゲーム』シーズン4はアメリカ版？
一方、ファン・ドンヒョク監督は「その後」を描くシーズン4は自身で作らないとしているが、『イカゲーム』の続編については情報が出ている。2024年10月に米Deadlineがデヴィッド・フィンチャーが手がける英語版『イカゲーム』が2025年に撮影を開始すると報じているのだ。
英語版『イカゲーム』は韓国の本家『イカゲーム』とユニバースを共有するものになるとされており、シーズン3のラストの舞台がロサンゼルスであったことも偶然ではないだろう。また、ラストでアメリカ版メンコの人物を演じていたのケイト・ブランシェットは、デヴィッド・フィンチャー監督の映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008) にメインロールで出演していたという繋がりもある。
父ギフンが遺した賞金と共に、イカゲームが開催されていた証拠であり、父の死の理由に繋がるジャージを渡されたガヨン、ケイト・ブランシェット演じるアメリカのリクルーター、それを目撃したフロントマンと、キーになる人物はロサンゼルスに揃っている。ドンヒョク監督によるスピンオフ企画と共に、アメリカ版『イカゲーム』でシーズン3の“その後”が描かれることにも期待したい。
ドラマ『イカゲーム』はシーズン3までNetflixで独占配信中。
Source
The Hollywood Reporter 1, 2 / Deadline
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