第40回日本SF大賞発表!
第40回日本SF大賞が発表され、大賞に酉島伝法の『宿借りの星』(東京創元社)および小川一水の《天冥の標》全10巻 (早川書房)が選ばれた。大森望・日下三蔵編の《年刊日本SF傑作選》全12巻 (東京創元社)には特別賞が贈られている。
最終候補は空前の激戦
第40回日本SF大賞の最終候補作には、2019年2月に完結編のPART3が発売され全10巻が完結した小川一水の《天冥の標》全10巻 (早川書房)、『皆勤の徒』で第34回日本SF大賞を受賞した酉島伝法による長編デビュー作『宿借りの星』 (東京創元社)、8月に発売され一週間で5刷という異例のヒットを記録した伴名練の『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)、2008年以降毎年多くの優れた国内SF中短編作品を紹介し、2019年8月に最終巻が発売された大森望・日下三蔵編の《年刊日本SF傑作選》全12巻 (東京創元社)、第50回星雲賞日本長編部門を受賞した飛浩隆『零號琴』(早川書房)の5作が選ばれていた。
酉島伝法は『皆勤の徒』に続き、二作連続での日本SF大賞受賞となった。
吾妻ひでお、眉村卓、小川隆、星敬に各賞
また、漫画家の吾妻ひでお と作家の眉村卓に功績賞が贈られ、「長年にわたるSF界への貢献を称え、クラブより哀悼の意を捧げ記念する」として、翻訳家の小川隆と評論家・編集者の星敬に会長賞が贈られた。
2019年10月に逝去した漫画家の吾妻ひでおは、『不条理日記』などの作品で知られる。2019年11月に逝去した作家の眉村卓は、ドラマ化、映画化、そしてアニメ化もされた『ねらわれた学園』などの作品で知られる。
2019年6月に逝去した翻訳家の小川隆は、山岸真との共編で出版された『80年代SF傑作選 上・下』などで、数多くのアメリカSFを日本に紹介してきた。2019年12月に逝去した星敬は、『日本SF短篇50(全5巻)』の編者の一人でもあり、長年にわたって日本のSF研究に取り組んできた。
第40回日本SF大賞受賞作および受賞者は以下の通り。
大賞
『宿借りの星』 酉島伝法 (東京創元社)
『天冥の標』全10巻 小川一水 (早川書房)
特別賞
『年刊日本SF傑作選』全12巻 大森望・日下三蔵編 (東京創元社)
功績賞
吾妻ひでお (漫画家)
眉村卓 (作家)
会長賞
小川隆 (翻訳家)
星 敬 (評論家・編集者)
贈賞式は2020年4月17日(金)に開催される。