日本SF大賞 最終候補作が決定
日本SF作家クラブが主催する日本SF大賞の第40回最終候補作が発表された。2018年9月1日から2019年8月31日までに発表された作品が対象で、この一年間、世間を賑わせた国内SF作品が並んでいる。最終候補作に選ばれたのは、以下の5作品。
第40回日本SF大賞 最終候補作品 (作品名・五十音順)
《天冥の標》全10巻 小川一水 (早川書房)
『なめらかな世界と、その敵』 伴名練 (早川書房)
《年刊日本SF傑作選》全12巻 大森望・日下三蔵編 (東京創元社)
『宿借りの星』 酉島伝法 (東京創元社)
『零號琴』 飛浩隆 (早川書房)
2019年2月に完結編「X 青葉よ、豊かなれ」のPART3が発売され、全10巻が完結した小川一水の《天冥の標》シリーズが最終候補作に選出された。
また、2019年8月に発売されるや一週間で5刷となるなど大きな話題を呼んだ伴名練の『なめらかな世界と、その敵』も、日本SF大賞の最終候補作に。
2008年に第一弾が発売され、毎年数多くの優れた国内SF中短編作品を収録してきた大森望・日下三蔵編《年刊日本SF傑作選》は、2019年8月に発売された「おうむの夢と操り人形」で最終巻を迎えた。
『皆勤の徒』(2013) で第34回日本SF大賞を受賞した酉島伝法は、2019年3月に発売された『宿借りの星』で二作連続の日本SF大賞最終候補入り。
『象られた力』(2005) で第26回日本SF大賞、『自生の夢』(2018) で第38回日本SF大賞を受賞した飛浩隆は、2018年10月に発売された『零號琴』で最終候補に入った。なお、『零號琴』は第50回星雲賞日本長編部門を受賞している。
受賞作の発表は2020年2月
日本SF大賞は、日本を代表するSF作家の小松左京が中心となって設立されたSF賞である。日本SF作家クラブから選ばれた選考委員による討議で受賞作を決定する。第40回日本SF大賞の選考委員には、池澤春菜、白井弓子、高槻真樹、森岡浩之、三雲岳斗が選出されており、2020年2月下旬に受賞作品が発表される。なお、2019年2月に受賞作品が発表された第39回日本SF大賞には、山尾悠子『飛ぶ孔雀』、円城塔『文字渦』が選ばれている。