『MEG ザ・モンスター』のキャストと声優は?
2018年に公開され、サメ映画としてはスティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』(1975)を超えて興行収入歴代1位に躍り出た映画『MEG ザ・モンスター』。スティーヴ・アルトンのSF小説『メグ』(1997)を実写化した作品で、『ナショナル・トレジャー』(2004)のジョン・タートルトーブ監督が指揮をとった。
『MEG ザ・モンスター』の製作は米中合作で行われた為、中国も舞台となっている。ジェイソン・ステイサム、リー・ビンビンをはじめ、米中の豪華俳優が共演しており、中国でも大ヒットを記録した。今回は、世界で大ヒットを記録した『MEG ザ・モンスター』の出演俳優と、日本語版で吹き替えを担当した声優を紹介しよう。
『MEG ザ・モンスター』に出演したキャスト/声優まとめ
ジョナス・テイラー役 ジェイソン・ステイサム / 山路和弘
主人公のジョナスを演じたのは、人気俳優のジェイソン・ステイサム。元は水泳飛び込みのイギリス代表選手で、その後、ファッションモデルから映画俳優に転身した。「ワイルド・スピード」シリーズではデッカード・ショウ役、「エクスペンダブルズ」シリーズではリー・クリスマス役など、数多くのアクション映画に出演していることで知られる。
『MEG ザ・モンスター』では、リー・ビンビンと共演を果たしたが、キャリア初期には『ザ・ワン』(2001)で中国生まれのジェット・リー (現在はシンガポール国籍) と共演し、アクション俳優としての認知度を高めている。
日本語版の吹き替えを担当したのは、ジェイソン・ステイサムのデビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)をはじめ、ほとんどの作品で吹き替えを担当している山路和弘。ウィレム・デフォーやアルパチーノら大物俳優の声を長年担当し、「龍が如く」シリーズの伊達真役、『DEATH STRANDING』(2019)のクリフ役など、ゲーム作品でも活躍している。
『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(2019)、『麒麟がくる』(2020)と2年連続大河ドラマに出演するなど、俳優としても活躍している。
スーイン・ジャン役 リー・ビンビン / 魏涼子
スーイン役を演じたのは、ハリウッドでも活躍する中国の人気俳優リー・ビンビン。『ドラゴン・キングダム』(2008)でハリウッドデビューを果たし、『バイオハザードV リトリビューション』(2012)、『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014)といった大作SF映画にも出演。2018年に『MEG ザ・モンスター』で準主役級のキャラクターでジェイソン・ステイサムと共演し、着実にハリウッドのキャリアを積み重ねている。
なお、原作小説の『メグ』では、リー・ビンビンが演じたスーインにあたる人物は、日本人のキャラクターとなっている。
『X-MEN: フューチャー&パスト』(2014)でブリンク役を演じたファン・ビンビンと共に、中国を代表する俳優として「Wビンビン」と呼ばれている。混同されやすいが、2018年に巨額脱税疑惑とその後の消息不明騒動で話題になったのはファン・ビンビンの方である。
日本語吹き替えを担当したのは魏涼子。北京語も話せるバイリンガルの声優で、チャン・ツィイーやヴィッキー・チャオ、ジン・ティエンらの声もあてている。『トランスフォーマー/ロストエイジ』でもリー・ビンビン演じるスー・ユエミンの日本語吹き替えを担当した。
メイイン・ジャン役 ソフィア・ツァイ / 佐藤美由希
メイイン役を演じたのはソフィア・ツァイ。中国人の母とイギリス人の母を持つ上海生まれの俳優だ。『MEG ザ・モンスター』公開時点で10歳。シュー・ジンレイ監督作品の中国映画『あの場所で君を待ってる』(2015)への出演で知られる。
吹き替えを担当したのは佐藤美由希。アニメ『君と僕。』(2011-2012)で佐藤茉咲の声を、ゲーム『ライフ イズ ストレンジ2』(2020)ではクリストファー・エリクセンの声を、ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』(2014-2019)ではキャムレン・ビコンドヴァ演じるセリーナ・カイルの声を担当するなど、幅広いメディアで活躍している。
ジャック・モリス役 レイン・ウィルソン / 伊藤健太郎
ジャック・モリスを演じたのはレイン・ウィルソン。「スタートレック」シリーズではハリー・マッド役を演じている。SFドラマアンソロジー『スタートレック: ショートトレック』(2018-)では「華麗なる脱出」で各話監督を務めている。
日本語吹き替えを担当したのは伊藤健太郎。『小さな巨人 ミクロマン』(1999)のアーサーや『NARUTO -ナルト-』(2002-2007)の秋道チョウジなどの声で知られている。吹き替えではドミニク・クーパーやラッパーの50セントらの声を担当している。
ジャックス・ハード役 ルビー・ローズ / 清水はる香
ジャックス役を演じたのは、オーストラリア出身のルビー・ローズ。『バイオハザード: ザ・ファイナル』(2016)への出演や、ドラマ『バットウーマン』(2019-)シーズン1での主演で知られる。ルビー・ローズはレズビアンで、『バットウーマン』ではスーパーヒーロードラマ史上初となるセクシャルマイノリティの主人公を演じて話題になった。
日本語吹き替えを担当したのは2010年代から活躍している声優の清水はる香。吹き替えでは、Netflixドラマ『ロシアン・ドール』で主人公ナディアを演じたナターシャ・リオンの声を担当することが多い。
トシ役 マシ・オカ / 白石兼斗
日本人キャラクターのトシ役を演じたのは、幼い頃にアメリカに渡り、俳優として成功を収めたマシ・オカ。『HEROES/ヒーローズ』(2006-2010)でヒロ・ナカムラ役、『HAWAII FIVE-0』(2010-2017)でマックス・バーグマン役を演じたことで知られる。SF好きとしても知られ、数々のSF作品のプロデュースを手がけている。
吹き替えを担当したのは白石兼斗。Netflixドラマ『オルタード・カーボン』では、ウィル・ユン・リー演じるオリジナルのタケシ・コヴァッチの声をあてている。Netflixアニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』(2020)や『日本沈没2020』(2020)にも声の出演を果たしている。2010年代中盤から活躍を見せている声優の一人。
ミンウェイ・ジャン役 ウィンストン・チャオ / 加藤亮夫
ミンウェイ・ジャン博士を演じたのは台湾の俳優であるウィンストン・チャオ。台米合作の『ウェディング・バンケット』(1993)では、ゲイであることを両親に隠しながらアメリカで暮らす主人公を演じ、複雑な心情を表現して見せた。俳優としてデビューする前は航空会社でCAとして働いていた経歴を持つ。
声を担当したのは加藤亮夫。マーク・ストロングやマックス・マーティーニの担当声優として知られる。アニメ『キングダム』(2012-)では騰の声を演じている。
ジェームズ・“マック”・マックライズ役 クリフ・カーティス / 川島得愛
ジェームズ・“マック”・マックライズを演じたのは、ニュージーランドの俳優クリフ・カーティス。ニュージーランドの先住民族であるマオリの俳優だ。2019年に公開された『ドクター・スリープ』では、主人公ダニーの友人になるビリー・フリーマンを演じた。ニュージーランドからハリウッドへ活躍の場を広げた俳優の一人である。
吹き替えを担当したのは川島得愛。アニメ『モンキーターン』(2004)の主人公・波多野憲二や「ロックマンエグゼ」シリーズの光祐一朗の声優として知られる。吹き替えではジェームズ・ヴァン・ダー・ビークや、南アフリカの俳優シャールト・コプリーの声を担当している。『MEG ザ・モンスター』でトシ役を演じた白石兼斗と同じ81プロデュースに所属している。
DJ役 ペイジ・ケネディ / あべそういち
DJ役を演じたのは、デトロイト生まれの俳優ペイジ・ケネディ。映画デビュー作は2003年公開の『S.W.A.T.』で、悪役のトラヴィスを演じている。Netflixドラマ『Unsolved: 未解決ファイルを開いて』(2018)など、ドラマへの出演を中心に活躍している。その傍らで、トリック・トリックをはじめとするデトロイト出身のラッパーが集結したアルバム『Torn Pages』(2017)を発表するなど、ラッパーとしても活動している。
吹き替えを担当したのは、あべそういち。映画『42 ~世界を変えた男~』(2013)ではルーカス・ブラック演じるピー・ウィー・リース、ドラマ『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』(2012-2019)では、ジョン・マイケル・ヒル演じるマーカス・ベルの声を担当している。
ローリー役 ジェシカ・マクナミー / 吉田麻実
ローリーを演じたのは、オーストラリアの俳優ジェシカ・マクナミー。『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017)でオーストラリアの伝説のテニスプレイヤー、マーガレット・コートを演じた。コメディドラマ『Sirens』(2014-2015)では主演を務めている。また、オーストラリアのドラマ『Packed to the Rafters』(2008-2013)で演じたサミー・ラフター役では多くのアワードを受賞し、高い評価を得ている。
吹き替えを担当したのは吉田麻実。ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』(2013-2019)では、ダニエル・ブルックス演じるテイスティの声をあてている。
以上が、映画『MEG ザ・モンスター』に出演した主な俳優と、その日本語吹き替えキャストの面々だ。中米合作と銘打たれているが、ニュージーランドにオーストラリア、台湾など、多様な国からキャストが集まっていたことが分かる。『MEG ザ・モンスター』は、1997年発売の原作小説からより多様にグレードアップして製作された作品だったのだ。
なお、原作小説と映画版の違いについては、こちらの記事に詳しい。
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