『ブラックパンサー』続編以降も「ティ・チャラなしで進める」『ワカンダ・フォーエバー』プロデューサーが理由を語る | VG+ (バゴプラ)

『ブラックパンサー』続編以降も「ティ・チャラなしで進める」『ワカンダ・フォーエバー』プロデューサーが理由を語る

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『ブラックパンサー』続編にティ・チャラは登場しない

2018年に公開された映画『ブラックパンサー』の続編である『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー(原題)』には、前作の主人公ティ・チャラは登場しないようだ。2022年11月11日(金)の全米公開を予定している『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』のプロデューサーで、マーベル・スタジオのヴァイスプレジデントを務めるネイト・ムーアが、米Ringer-Verseのインタビューで明かした。

また、ティ・チャラは『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』に登場しないだけでなく、今後のMCUのメインバースである616ユニバースに登場することもないという。ネイト・ムーアはインタビューでその理由と挑戦について語っている。

チャドウィック・ボーズマン逝去後の第1作目

『ブラックパンサー』で主人公のティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンは、2020年8月28日に大腸癌で逝去した。43歳の若さだった。『ブラックパンサー』の撮影も癌との闘病の中で行われていたという。

2020年12月の時点で、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』でティ・チャラ役に代わりの俳優を当てることはしないと明言していた。また、2020年9月にも『ブラックパンサー』続編にティ・チャラが登場しないというリーク情報も流れている。

だが、ファンの間では、合成技術を駆使してチャドウィック・ボーズマン演じるティ・チャラを再登場させる可能性なども議論されていた。映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019) では、故キャリー・フィッシャーの未使用映像とCG合成を駆使してレイア・オーガナ将軍を登場させた例もある。

ティ・チャラのいない『ブラックパンサー』

しかし、今回は製作陣の一人であるプロデューサーのネイト・ムーアがはっきりと『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』にティ・チャラは登場しないことを認めた。ネイト・ムーアは以下のように語っている。

今後、ティ・チャラを私たちの……曖昧にしようとするつもりはないので、正直に話します。MCUの616ユニバースで、今後ティ・チャラを見ることはありません。

『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』だけでなく、今後のMCUのメインユニバースでティ・チャラが登場することはないと明言したのだ。

「616ユニバースで」と留保をつけているのは、2021年8月から配信された『ホワット・イフ…?』のような例があるからだろう。『ホワット・イフ…?』シーズン1では別バースのティ・チャラが登場し、大活躍を見せている。

だが、MCU本編にティ・チャラを復活させないというネイト・ムーアの意志は固いようだ。ムーアは以下のように続けている。

私たちにはそれが出来ませんでした。チャドが亡くなった時、(監督のライアン・)クーグラーと「どうしようか」という話をしました。会話はあっという間でした。すぐに「ティ・チャラなしでこのシリーズを前に進める方法を考えなければならない」ということになったんです。

なぜなら、MCUのスクリーンにおけるティ・チャラの大部分はチャドウィックの演技と結びついていると、私たちは感じているからです。それが彼がスクリーン上とスクリーンの外で、彼があの役にもたらしたものです。大変なことですが、大きな穴が生まれてしまった以上、どうするべきかを考えなければいけませんでした。別の俳優に演じてもらうことを考えたことは一度もありません。

チャドウィック・ボーズマンとMCUのティ・チャラというキャラクターは強く結びついており、「チャドウィック・ボーズマンは亡くなったが、ティ・チャラは存在し続ける」という形にはどうしても出来なかったということである。そもそも別の俳優に演じてもらうという選択肢はなかったことも明かしており、(回想シーンなどを除いて)今後のMCUでティ・チャラが登場することは本当にないようだ。

ネイト・ムーアは更に『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』における挑戦と、製作の状況についても明かしている。

『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』の困難だった点は、ティ・チャラなしで物語を語っていくことです。私たちにとっては挑戦であり、私たちはまだその真っ只中にいます。それを解明しようとしているところですが、これまでのところは素晴らしい出来です。

しかし、映画の挑戦というのは人々を楽しませることです。彼がいないこの世界に戻ってくることで、人々は高いレベルのカタルシスを得ることになります。彼とあの世界はもはや一体だからです。映画監督・語り手としては、人々が自分の映画をどう感じてくれるのか、そしてもう映画には登場しない彼について、その映画で何を伝えたいのかを考えなければなりません。

約1年後に全米公開を控える『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』の制作が順調に進んでいることを明かしている。また、「カタルシス」という言葉を使い、ティ・チャラなき『ブラックパンサー』の続編が“悲劇”として描かれることを示唆している。

チャドウィック・ボーズマンの逝去後から、『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』にティ・チャラを登場させる構想はなかったと話すネイト・ムーア。「ブラックパンサー」の名前を冠しながら、ティ・チャラがいないという続編をどのように仕上げるのか、完成を期待して待とう。

映画『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー(原題)』は、2022年11月11日(金)全米公開予定。

Source
Van Lathan Jr Twitter

マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』のドラフトについて「並外れた仕事をやってのけてくれた」と称賛している。詳しくはこちらの記事で。

アニメ『ホワット・イフ…?』では、チャドウィック・ボーズマンが亡くなる前に音声を収録した別ユニバースのティ・チャラが活躍を見せた。同作のブライアン・アンドリューズ監督は、生前のチャドウィック・ボーズマンが『ホワット・イフ…?』のアイデアを気に入っていたと話していた。詳しくはこちらの記事で。

『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』には、Disney+でドラマが配信される新ヒーローのアイアンハートが登場する予定。先日発表されたロゴとマーベルによる紹介はこちらの記事で。

マーベルはDisney+ Dayで数多くの発表を行った。情報はこちらにまとめている。

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