『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 ネタバレ考察 歴代ウィリー・ウォンカはどんな人物? | VG+ (バゴプラ)

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 ネタバレ考察 歴代ウィリー・ウォンカはどんな人物?

©2023 WBEI

ひねくれ者のウィリー・ウォンカから純真無垢なウィリー・ウォンカまで

アカデミー賞視覚効果賞のノミネート候補にも選ばれるなど、『チョコレート工場の秘密』(1964)の原作者ポール・ダールがイメージする世界観を描き切った『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)。ティモシー・シャラメ演じる天才パティシエにして、チョコレートの魔術師ウィリー・ウォンカは夢を追う魅力的な人物だ。

しかし、原作である『チョコレート工場の秘密』のウィリー・ウォンカは天才だがひねくれ者という印象が強い。これまで『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を含めて3回、実写映画化されている『チョコレート工場の秘密』。その作品ごとにウィリー・ウォンカのキャラクター造形は変わっている。

演じる俳優ごとにキャラクター造形に違いが出て、異なる味わいが面白いウィリー・ウォンカ。本記事ではそのような3作品ごとのウィリー・ウォンカの、文字通りフレーバーの違いについて解説と考察をしていこう。なお、本記事は『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のネタバレを含むので本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の内容に関するネタバレを含みます。

 

歴代映画と歴代ウィリー・ウォンカ

『夢のチョコレート工場』のウィリー・ウォンカ 演:ジーン・ワイルダー

メル・スチュアート監督作『夢のチョコレート工場』(1971)に登場したウィリー・ウォンカ。この『夢のチョコレート工場』は脚本に原作者ポール・ダールが参加しており、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)の設定にも影響を与えている。しかし、後に設定が変更された点もあり、原作者としてのポール・ダールからの評価は厳しかった。

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メル・スチュアート監督の娘が『チョコレート工場の秘密』に惚れこみ、父親に強く勧めたのがきっかけで誕生した『夢のチョコレート工場』は興行収入的には決して成功とは言えなかった。しかし、再放送やビデオなどでじわじわと人気を集め、現在では様々なコンテンツに影響を与えるほどのカルト的人気作になっている。

『夢のチョコレート工場』のウィリー・ウォンカは陽気さを見せる反面、「エヴァーラスティング・ゴブストッパー」のレシピを産業スパイに売るかどうか道徳テストを行うなど他人を信用しきっていないひねくれ者の一面も持っている。この「エヴァーラスティング・ゴブストッパー」はお菓子を買えない貧乏な子供向けのお菓子で、何層にもなっており、食べてもなくならないハードキャンディである。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』はウンパルンパの容姿など、設定的に『夢のチョコレート工場』の姉妹作だとされている。道徳テストの産業スパイ役にチョコレート組合のリーダーの名前のアーサー・スラグワースと同名のスラグワースという偽名を用いさせるなど、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウィリー・ウォンカは人間不信になる前のジーン・ワイルダー演じるウィリー・ウォンカがイメージと考察できる。

『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカ 演:ジョニー・デップ

ティム・バートン監督作『チャーリーとチョコレート工場』(2005)に登場したウィリー・ウォンカ。陽気で不思議なトンネルへと歌で誘うジーン・ワイルダーの演じるウィリー・ウォンカと違い、時代遅れな言葉や口汚い言葉を連発する変わり者。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウィリー・ウォンカとは異なり、家族関係には深いトラウマを抱えている。

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ゴシックな世界観やダークな世界観を好むティム・バートン監督の作風もあってか、燃え盛る人形を見て子供っぽくはしゃいで見せ、自分のお菓子でトラブルに巻き込まれた子供たちに冷淡に接するなど、良くも悪くも子供っぽい性格の持ち主。純粋無垢な性格という点では『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウィリー・ウォンカと同じと考察できるが純粋故の危なっかしさを見せている。

歯科医の父親の虐待に近い教育により、家族関係にトラウマを抱えた『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカは、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウィリー・ウォンカから優しい料理人の母親を抜いた存在と考察できる。

また、チョコレートの魔術師とも呼ばれるウィリー・ウォンカの神秘性を保つために『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』などの作品では出自がぼやかされているが、『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカは明確に出自が描かれているため、これまで描かれてきたウィリー・ウォンカの中で一番人間味のあるウィリー・ウォンカと考察できる。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウィリー・ウォンカ 演:ティモシー・シャラメ

チョコレートの勉強にのみ打ち込んだ結果、字が読めなかったり、皮肉が理解できなかったりする天才パティシエ。相手の言葉の裏の意味を読めなかったりするなど、人生のすべてをチョコレートにつぎ込んできた人物として描かれているのが『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウィリー・ウォンカだ。

登場時に7年の間、船のコックとして働いていることが歌われているため、『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカのように人間関係をつくることを嫌う性格ではないと考察できる。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウィリー・ウォンカは最初の船のクルーや騙されて働かされた先で出会ったヌードルなど、人間関係の面ではある意味恵まれているとも考察できる。

あくまでも『夢のチョコレート工場』の姉妹作であるため、今後同じ道をたどるかどうか定かではないが、裏切られた経験がなく、他人の言葉も鵜呑みにしてしまう性格のため、『夢のチョコレート工場』で産業スパイによって傷ついて変わる前のウィリー・ウォンカとも考察できる。

続編はある? そこで描かれるウィリー・ウォンカは?

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』でウィリー・ウォンカは工場を最後に立ち上げたばかりであり、ウィリー・ウォンカの人生も始まったばかりである。『夢のチョコレート工場』の姉妹作である『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のウィリー・ウォンカは今後、『夢のチョコレート工場』で登場した看板商品のウォンカ・バーエヴァーラスティング・ゴブストッパー、フィジー・リフティング・ドリンクなど様々なお菓子を発明するのとも考察できる。

続編がつくられるとすれば、人間関係にひどくトラウマを抱えた奇才の『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカに転ぶのか、それともひねくれ者だが陽気な『夢のチョコレート工場』のウィリー・ウォンカのどちらに転ぶのかわからない。もしかしたら、新しいチョコレート工場長のウィリー・ウォンカ像が描かれるのかもしれない。今後の『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』に注目していきたい。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は2023年12月8日より全国劇場公開。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』公式サイト

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のメッセージの感想はこちらから。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のキャラクター&キャストはこちらから。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』に登場したチョコレートはこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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