アベンジャーズは「全員失業」MCUフェーズ4の裏側をケヴィン・ファイギとアンソニー・マッキーが語る | VG+ (バゴプラ)

アベンジャーズは「全員失業」MCUフェーズ4の裏側をケヴィン・ファイギとアンソニー・マッキーが語る

© 2022 Marvel

フェーズ4のアベンジャーズはどうなった?

米時間2022年9月9日から9月11日まで開催されているディズニーのファンイベントD23 Expoで、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)関連の様々な発表が行われた。11月11日(金) にはフェーズ4最後の映画作品になる『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の公開を控える中、アベンジャーズの現状についてある事実が明かされた。

まず、D23 Expoの舞台でアベンジャーズの現在について触れたのは、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギ。MCUのヴィランチームによる映画『サンダーボルツ(原題:Thunderbolts)』のメンバーお披露目の際に、ケヴィン・ファイギは「アベンジャーズのような組織はもうありませんが、私たちにはサンダーボルツがいます」と発言した。

フェーズ4のアベンジャーズについて、更に具体的に語ったのはサム・ウィルソン/キャプテン・アメリカ役のアンソニー・マッキー。新たなキャプテン・アメリカとして主演を務める映画『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー(原題:Captain America: New World Order)』の全米公開を2024年5月3日に控える中、D23 Expoでの米Varietyによるインタビューで、「現在、アベンジャーズのトップは誰ですか?」と聞かれ、こう語った。

アベンジャーズは全員失業しました。私たちには新しくて、より改善されたグループがあります。彼女ら彼らはメタムシル(サプリ)を飲んでそこら辺をうろついてます。

そのグループとは、おそらくこの取材の場にメンバーが居合わせたサンダーボルツのことだと思われる。レポーターは「現在のアベンジャーズのトップは?」という質問への答えとして「キャプテン・アメリカになったサム」を期待したのだろうが、アンソニー・マッキーはあえて明言を避けている。

この後、「サムはキャプテン・アメリカになったのか」という確認の問いにも「2024年にならないと分からないですね」と回答。同年公開予定の映画『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』で明かされることを示唆している。

アベンジャーズ不在のフェーズ4

ケヴィン・ファイギとアンソニー・マッキーの発言に共通しているのは、フェーズ4においてはアベンジャーズは存在していないということである。『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』はフェーズ5作品となるため、そこでアベンジャーズが結成されたとしても、2021年のドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) から始まったフェーズ4はフェーズ1以来となるアベンジャーズ不在の時期になる。

また、かつてアベンジャーズと共に戦ったウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズは、映画『サンダーボルツ』でサンダーボルツ入りすることが発表されたばかり。ケヴィン・ファイギの「アベンジャーズのような組織はもうありませんが、私たちにはサンダーボルツがいます」という発言通り、サンダーボルツがスーパーパワーを持った人々の受け皿になっているようにも見える。

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』では、元アベンジャーズのサム・ウィルソンですら融資を断られる場面が描かれた。ワンダの暴走やスパイダーマンの正体暴露にあたっては、S.W.O.R.D.やダメージコントロール局が“制圧”を試みても、アベンジャーズのように匿ってくれるような組織はフェーズ4には存在しなかった。

ヒーロー活動は慈善活動

アンソニー・マッキーの「全員失業 (unemployed) した」という発言も重要なポイントだ。ホークアイことクリント・バートンはミズーリ州の家で隠居していたし、サムは空軍に戻った。アベンジャーズ/S.H.I.E.L.D.という超人に雇用をもたらす組織はなくなり、ヒーローはダメージコントロール局の追跡に怯えながら無償で慈善活動に取り組むしかなくなった。シャン・チーは今でもホテルの駐車係として働いているだろう。

そんな時代に、エージェントとして仕事を持ってくるヴァルことヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌが登場したことの意義は大きい。サンダーボルツはあくまでヴィランのチームだし、映画『ブラック・ウィドウ』(2021) ではエレーナ・ベロワが取り分について意見する場面も見られたが、少なくとも雇用の受け皿にはなっている。アベンジャーズがあれば加入していたが、アベンジャーズがないからサンダーボルツ入りすることになったキャラクターもいるかもしれない。

となれば、『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』では、サム・ウィルソンが新たなキャプテン・アメリカとしてアベンジャーズを復活させ、スーパーヒーローに雇用を取り戻す展開に期待したい。2025年には『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ(原題)』『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』の公開が控えていることから、アベンジャーズの再結成は既定路線だ。

サムのアベンジャーズとバッキーのサンダーボルツ

なお、アンソニー・マッキーは先ほどのVarietyのインタビューで、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』でタッグを組んだセバスチャン・スタンのサンダーボルツ合流についても言及している。初代キャプテン・アメリカのスティーブ・ロジャースを演じたクリス・エヴァンスとの再共演に期待しつつ、セバスチャン・スタンには2代目キャプテン・アメリカのジョン・ウォーカーを演じるワイアット・ラッセルがいるから、自分にはクリス・エヴァンスを、とコメントした。

同時に、改めてセバスチャン・スタンが優れた俳優であるとして上で、親友の一人として「これほど嬉しいことはない」と『サンダーボルツ』出演を喜んでいる。アンソニー・マッキーが主演を務める『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』は2024年5月3日全米公開を予定している。そのわずか二ヶ月後の2024年7月26日に『サンダーボルツ』が全米公開される予定だ。サムのアベンジャーズとバッキーのサンダーボルツ、どちらがスーパーパワーを持つ人々の受け皿になるのか、今後の展開からも目が離せない。

映画『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー(原題:Captain America: New World Order)』は2024年5月3日全米公開。

Source
Variety Twitter

D23 Expoで発表された7人のサンダーボルツメンバーの紹介はこちらから。

同時に公開された『シークレット・インベージョン』の予告解説&考察はこちらの記事で。

MCUドラマ『ワーウルフ・バイ・ナイト』の予告編はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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