“特撮界のレジェンド”初の総監督作品『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』
『大怪獣バラン』(1958)のバランや『日本誕生』(1959)の八岐大蛇、『キングコング対ゴジラ』のキングコングとゴジラ、「大魔神」シリーズの大魔神、『仮面ライダー』(1971-1973)の仮面ライダーとサイクロン号、『ウルトラマンA』(1972-1973)のベロクロンにバキシムなど、“特撮界のレジェンド”と呼ばれる村瀬継蔵が手掛けた作品は枚挙にいとまがない。そのような“特撮界のレジェンド”である村瀬継蔵が総監督を務める『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』が2024年7月26日(金)にTOHOシネマズ日比谷ほかにて公開される。
2021年には「令和3年度文化庁映画賞」において映画功労部門賞、2024年には「第47回日本アカデミー賞」において協会特別賞を受賞した村瀬継蔵が原作と総監督を務める『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』は、出演者も特撮経験者が多い。『シン・ウルトラマン』(2022)で主演を務めた斎藤工に『ゴジラ×メカゴジラ』(2002)で主演を務めた釈由美子がキャスティングされている。他にも『シン・ウルトラマン』で監督を務めた樋口真嗣も出演するなど、脇を豪華な特撮関係者たちが固めている。
物語は造形作家の佐野史郎演じる時宮健三の死からはじまる。鈴木梨央演じる時宮健三と良い仲とは言えなかった孫娘の時宮朱莉は、時宮健三のお別れの会で斎藤工演じる穂積という男から筆を手渡される。穂積は「世界の破滅を防いでください」と告げ、朱莉は時宮健三がプロットのまま完成できなかった映画『神の筆』の世界に飛ばされるのだった。
映画『神の筆』の世界を巡りながら、映画『神の筆』に登場しないはずのヤマタノオロチに襲われるなど、朱莉は危機的な状況に置かれてしまう。いったい、映画『神の筆』の世界を破壊しようとするヤマタノオロチとは何者なのだろうか。朱莉は共に巻き込まれた卓也と共に映画『神の筆』の世界の真相に近づいていく。
主題歌にはDREAMS COME TRUEの「Kaiju」が起用されている。DREAMS COME TRUEのボーカルである吉田美和と村瀬継蔵総監督は同郷であり、ベーシストの中村正人は村瀬継蔵総監督が造形してきた怪獣の中でも思い入れのあるキングギドラのファンを公言している。そのような村瀬継蔵総監督と不思議な縁のあるDREAMS COME TRUEの夢のコラボレーションである「Kaiju」は、『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』の持つアナログ特撮などの魅力とマッチしている。
約半世紀前のプロットをもとに“特撮界のレジェンド”が総監督として世に送り出す『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』。観客たちも不思議なアナログ特撮の世界に引き込まれる『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』はCGIとは違う味を持った作品と言える。また、村瀬継蔵総監督は次回作にも意欲的なため、『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』の今後に期待していきたい。
『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』は2024年7月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて公開。
主題歌のDREAMS COME TRUE「Kaiju」は現在配信中。
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