『デッドプール&ウルヴァリン』大ヒット上映中
2024年7月から公開されている映画『デッドプール&ウルヴァリン』は、MCU映画の第34弾。「デッドプール」シリーズとしては第3作目に当たり、デッドプール役のライアン・レイノルズとウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンがMCUに合流する記念すべき作品だ。
『デッドプール&ウルヴァリン』は公開から3週間足らずで全世界興収が10億ドル(約1,470億円)を突破。R指定の映画としては『ジョーカー』(2019) が持つ10億7,425万ドルという歴代最高記録に目前まで迫っている。
『デッドプール&ウルヴァリン』の人気を牽引している要素の一つは、まさかのキャラクター達が集結したサプライズカメオの数々だろう。劇場公開から3週間が経過するタイミングで、俳優陣も次々と口を開いており、中でも話題を呼んだあの人が今後の単独映画制作について触れている。
なお、以下の内容は、映画『デッドプール&ウルヴァリン』の重大なネタバレを含むので、必ず本編を劇場で鑑賞してから呼んでいただきたい。
以下の内容は、映画『デッドプール&ウルヴァリン』の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
チャニング・テイタムが演じたガンビット
実現した幻のキャラクター
そのキャラクターとは、デッドプール&ウルヴァリンが訪れた虚無で出会ったガンビットである。紫のコスチュームを身にまとい、カードとステッキで戦うガンビットは、米南部ニューオーリンズ特有のケイジャン訛りで話す印象的なキャラクターだった。
演じたチャニング・テイタムは長年にわたりガンビットの単独映画の実現に向けて動いており、旧20世紀FOXもその計画を動かしていた。しかし、2019年にディズニーが20世紀FOXを買収すると、他の多くのプロジェクトと共に事業仕分けの対象となり、チャニング・テイタム主演のガンビット単独映画の計画は中止になってしまった。
ブレイドら、虚無に登場した他のヒーロー達はすでにスクリーンに登場したキャラクター達だったが、チャニング・テイタム版ガンビットはいわば幻のキャラクター。それでも入念な役作りでパーフェクトにガンビットを演じたチャニング・テイタムには賞賛が寄せられていた。
米時間の2024年8月12日(月)、チャニング・テイタムがジミー・ファロンが司会を務める米国の人気トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』(1954-) に出演。『デッドプール&ウルヴァリン』への出演の経緯と舞台裏について熱く語った。
チャニング・テイタムのガンビット愛
『デッドプール&ウルヴァリン』の劇中のガンビットの写真を見せられただけで「泣きそう」と感極まった様子を見せるチャニング・テイタム。ガンビットへの思い入れをこう語っている。
本当に感情的になっちゃう。この業界で20年やってきて、ずっとこのキャラクターを演じようと努力してきました。小学3年生の時に友達の家のリビングでカードを使って遊んでいて……。私の父はニューオーリンズの(郊外の)メテリー出身で、私はミシシッピ州のパスカグーラで育ちました。バイユー*はあちこちにありましたよ。
*バイユー:ルイジアナ州とミシシッピ州の川や湖につながっている湿地帯のようになっている入江や小川のこと。ケイジャン文化と密接な関係を持っている。
チャニング・テイタムは、幼い頃にいつも『ケイジャン・ナイト・ビフォア・クリスマス』という本を読んでいたことも明かしている。ガンビットは、ニューオーリンズのフランス人の子孫であるケイジャンのキャラクターで、ケイジャン訛りの英語を話す。幼い頃からその文化に慣れ親しんで育ってきたチャニング・テイタムは、長年ガンビットを演じることに憧れてきたのだ。ちなみにチャニング・テイタムはアイルランド系とドイツ系、そしてフランス系の子孫である。
チャニング・テイタムが明かした経緯、そして単独映画
ケヴィン・ファイギは前向きだった
そして、ジミー・ファロンからはガンビットについて核心を突く質問がなされる。「そして、あなたは『ガンビット』の映画を作ろうと努力して、マーベルは『やるやる、やるよ、なんとかね』という感じだったのですか?」と聞かれ、チャニング・テイタムはこう答えている。
最初(の話し相手)はFOXでした。6年間この単独作を実現しようと取り組んできました。あと一歩というところまで進んでいて、映画を作ろうとしていたところでFOXがディズニーに買収されたんです。
マーベルのケヴィン・ファイギは——私は彼のことが大好きなんですが——「いいかい、私はガンビットが大好きだ。ただ、今どうすればいいか分からない。今私たちがやっていること(MCU)に、彼(ガンビット)がどうやればフィットするかが分からないんだ。だから、何とかするために少し時間が必要だ」と言っていました。そして今回、少し暗号が解けたんです。できることなら……(会場から歓声)
マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギも、チャニング・テイタム版ガンビットの起用には前向きだったようだ。しかし、ディズニーが20世紀FOXを買収した2019年は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でインフィニティ・サーガが終焉を迎えるタイミングだ。そこから始まるマルチバース展開やデッドプールら20世紀FOXキャラクターのMCU合流はまだ先の話であり、故にケヴィン・ファイギは「時間が必要」と話したのだろう。マーベル・スタジオは、『デッドプール&ウルヴァリン』でその約束を果たしたのである。
単独映画、「実現するなら何でもやる」
次に、ジミー・ファロンから「(ガンビットの)単独映画をやりたいですか?」と聞かれたチャニング・テイタムは、こう答えている。
単独映画を作るためならなんでもやりますよ。実現するためならあらゆる酷いことをやってみせます(笑)
ガンビット役で『デッドプール&ウルヴァリン』に出演した後も、チャニング・テイタムは単独作の制作に意欲を持っているようだ。『デッドプール&ウルヴァリン』で話題を呼んだ今、ガンビット単独映画の実現は、現実味のない話でもないだろう。
ライアン・レイノルズへの感謝
最後に、チャニング・テイタムは『デッドプール&ウルヴァリン』の主演でプロデューサーとしても本作に多大な貢献をしたライアン・レイノルズについて、「彼がガンビットを墓の中から連れ出してくれた」として、こう話している。
何もないところから、「ダメだよ、君のためにこれをやるんだ。この映画にはガンビットが必要で、私がそれを見たいんだから」と言って、実現させたんです。彼には永遠に感謝します。
チャニング・テイタムの情熱、ケヴィン・ファイギの義理堅さ、そしてライアン・レイノルズの実行力によって実現した『デッドプール&ウルヴァリン』へのガンビットの登場。次は、主役として再びその姿が見られる日が来ることを願おう。
『デッドプール&ウルヴァリン』は全国の劇場で公開中。
原作コミックでデッドプールが歩んできた道をまとめて紹介! デッドプール30周年の歴史を振り返るムック本『デッドプール 30th Anniversary Book』は発売中。
『デッドプール&ウルヴァリン』のオリジナル・サウンドトラックは発売中。
『デッドプール』『デッドプール2』は2枚組のBlu-rayコレクションが発売中。
ダニエル・ウェイ&スティーブ・ディロンによるコミック『デッドプール VS. ウルヴァリン』は、吉川悠による邦訳版が発売中。
Source
The Tonight Show
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