『ザ・ボーイズ』シーズン3はどうなる?
Amazonプライムビデオにおける人気ナンバーワン コンテンツといえばドラマ『ザ・ボーイズ』だ。ガース・エニスとダリック・ロバートソンの原作コミックをドラマ化した同作は、待望のシーズン2の配信を終え、ファンの間では既にシーズン3への期待が高まっている。
『ザ・ボーイズ』シーズン3の脚本は製作中で、2021年1月からの撮影を目指しているという。今回は、ショーランナーのエリック・クリプキの発言や、シーズン2終了時点の設定から、シーズン3の内容をシーズン2最終話までのネタバレありで考察していく。
以下の内容は、ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン2 最終話までの内容に関するネタバレを含みます。
『ザ・ボーイズ』シーズン3は政治に焦点?
シーズン2最終話「分かっていること」における最大のどんでん返しは、市民派の若手政治家と思われていたヴィクトリア・ニューマン議員が頭を破裂させる超能力の持ち主で、ヴォート社の利益のために動いていたということだ。政治家が黒幕というあり得そうな展開であるはずなのだが、多くの視聴者がニューマン議員の人柄に騙されてしまった。エリック・クリプキがシーズン2配信前に「あなたが好きな人で、権威にとらわれない人物だと思っていても、より深く知っていくとより暗い側面が見えてくるんです」と語っていた通りの展開である。
ニューマン議員は原作コミックでは男性議員だが、ドラマ版では物語の中心的な役割を担う女性議員に。ドラマ版へのニューマン議員の登場について、エリック・クリプキはアフターショー『プライム・リワインド: インサイド・ザ・ボーイズ』で「政治はこの作品の重要な要素ですから、その世界に入っていくためには政治家 (のキャラクター) が必要でした」と語っている。
シーズン1では国防長官がドッペルゲンガーに騙される立場で登場し、シーズン2では非常事態宣言を発令しようとしている大統領の存在に触れられたが、政治家が中心的な役割を果たしたとは言いにくい。登場人物たちは資本主義と大企業、レイシズムにSNS (大衆) といった敵と対峙してきたが、シーズン3ではついに“政治”との戦いを見ることができそうだ。
原作コミックに近づいた設定
もう一つ、『ザ・ボーイズ』シーズン3に向けて注目したい点がある。それは、シーズン3開始前の時点で、ドラマ版の設定が原作コミックの設定に近づいてきているという点だ。
シーズン2の最後、元CIA長官のグレイス・マロリーは、ブッチャーにCIAが新設した対能力者監視チームへの参加を要請する。原作コミックでは、ザ・ボーイズは政府からスーパーヒーローの調査を依頼される設定となっており、ブッチャーがこのオファーを受ければ、国家の依頼でヒーローに挑むという設定が引き継がれることになる。ドラマ版ではこれまで自警団 (私刑集団?) として暗躍していたが、シーズン3ではCIAの指揮下で活動することになるのだろうか。
そして、ベッカの死もまたコミックの初期設定と同じだ。コミック版ではベッカは出産時点で亡くなっており、シーズン1ラストにおける“ベッカが生きていた”という展開こそが、用意されていたどんでん返しの一つだった。シーズン1、シーズン2とベッカの存在は、ブッチャーのモチベーションとなってきたが、シーズン3ではブッチャーは何のために戦うのだろうか。
ドラマ『ザ・ボーイズ』はストームフロントやニューマン議員の性別も含め、原作コミックから数多くの改変を行ってきた。ところが、シーズン3製作を前にして、一部の設定は“振り出し”に戻りつつある。まだ原作コミックを読んだことがないという人は、原作コミックにおけるニューマン議員の役割も含めて、シーズン3の配信開始前に原作をチェックしておくべきだろう。
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ドラマ『ザ・ボーイズ』はシーズン1とシーズン2がAmazonプライムビデオで独占配信中。
バゴプラではシーズン2全話のネタバレ解説記事を配信中。