【ネタバレ解説】『ザ・ボーイズ』シーズン2エピソード5「行動の時」【あらすじ・ゲスト出演者・音楽】 | VG+ (バゴプラ)

【ネタバレ解説】『ザ・ボーイズ』シーズン2エピソード5「行動の時」【あらすじ・ゲスト出演者・音楽】

©️Amazon Studios

相変わらずヤバい『ザ・ボーイズ』シーズン2

度肝を抜かれるストーリーが毎週更新される『ザ・ボーイズ』シーズン2。全8話で配信される予定のシーズン2は、いよいよ後半戦に突入する。ここまでエピソード4までのネタバレ解説をご紹介してきたが、今回はエピソード5「行動の時」のネタバレ解説をあらすじと共にご紹介していく。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン2エピソード5「行動の時」までの内容に関するネタバレを含みます。

『ザ・ボーイズ』シーズン2エピソード5 ネタバレ解説&あらすじ

それぞれの失敗

シーズン2エピソード4「この世に類を見ないもの」で、自身がレズビアンであることをホームランダーから世間に公開されたクイーンメイヴ。ホームランダーはセクシャルマイノリティの“カミングアウト”をショービジネスにして、自ら撮影の指揮をとっていた。相変わらず“女性活躍”もビジネスにしている。

一方で、ホームランダーは外国の村で犠牲者を出した動画が出回り炎上、支持率が9.5%も低下し、わななく。相当支持率を気にしているようだ。抗議活動が繰り広げられるが、プライドの高いホームランダーは謝罪をすることも、ストームフロントの助けを借りることも拒否する。

ベッカから別れを告げられたブッチャーは、やけくそになってクラブで乱闘騒ぎを起こしていた。ドラッグストアに行っても、商品のパッケージも看板もセブンのメンバーが印刷されている。

ヒューイはリバティの正体がストームフロントである可能性をブッチャーに報告。だが、ブッチャーは引退してアルゼンチンに行くとヒューイに告げる。「俺のカナリアだった。ありがとう」と優しい言葉をかけるブッチャーの異変を、ヒューイとMMが察知しないはずはなかった。

ブッチャーは叔母のジュディの元を訪ね、愛犬のテラーと散歩に出る。テラーは原作でもお馴染みのキャラクターで、公式Twitterでも「誰が帰ってくるのかな?」と登場を歓迎していた。

アフターショー『Prime Rewind:「ザ・ボーイズ」の裏側』では、Aトレイン役のジェシー・T・アッシャーが、ファンから「いつテラーが登場するのか」と尋ねられ続けていたことを明らかにしている。

なお、「テラー = Terror」という名前には、「恐怖、手に負えない」といった意味がある。ベッカがブッチャーを選ばなかったことをテラーに語りかけ、生きる意味を失った様子を見せている。

ディープは、前回お見合いしたシュワルツとの結婚を発表し、共にインタビューに出演する。シュワルツは「人は成長する」と罪を犯したディープの過去を庇う。ディープは共同教会の広告塔になり、CMで共同教会の指導者アラステア・アダナと握手を交わす。“罪を犯して更生した人枠”というわけだ。

なお、アラステア・アダナを演じているのはゴラン・ヴィシュニック。この後登場するビクトリア・ニューマン議員役のクローディア・ドゥーミットと同じく、SFドラマ『タイムレス』(2016-2018) に出演していた俳優だ。

ブッチャーとの再会

テラーと共に叔母の家に戻ったブッチャーは、MMとヒューイの姿を目にする。ブッチャーを心配した二人が訪ねてきていたのだ。ブッチャーは立ち去ろうとするが、屋根の上にブラック・ノワールの姿を発見する。ブッチャーはベッカの家から追跡されていたのだ。

前回MM&ヒューイと旅に出たスターライトことアニーは、ストームフロントと談笑する母ドナの姿を見つける。スーパーヒーローたちが幼児期にコンパウンドVを投与されて生まれた存在であること、その実験に協力した親は多額の報酬を受け取っていたことが知れた今、アニーとドナの関係は気まずい。ストームフロントが仲介し、ドナは自己満足のために利用したことを認め、許しを乞うがアニーは受け入れられない。

一方のセブンは、ついにクイーンメイヴの元恋人であるレイナがマーケティングのために引きずり出されていた。「イメージの刷新」を目指してクィアを売り物にしようとするストーリーと演出が組み立てられていく。レイナは、メイヴはバイセクシャルだと主張するが、「レズビアンの方が分かりやすい」と相手にされない。

当事者そっちのけで“分かりやすさ”が優先される強引なビジネス、そしてこの状況に対して声を上げないメイヴの態度に、レイナは怒りをあらわにする。しかし、メイヴは、ホームランダーからレイナを守るための行動だと告白しつつ、ホームランダーを倒すことをレイナに約束する。

ヒューイはブラック・ノワールを仕留めるための「ホーム・アローン」作戦を展開していた。一方でブッチャーはブラック・ノワールから狙われているのは自分だと、自分が犠牲になってブラック・ノワールを引き付けようとする。「俺は疲れた」とはブッチャーの本音だろう。

だが、ロビンの死に直面した時にヒューイに世界の真実を告げ、立ち向かうことを教えたのはブッチャーだ。ヒューイは「すべてを失ったもの同士」と語りかけ、MMもまた、ブッチャーを行かせまいと立ちはだかるのだった。

その頃、シーズン2エピソード5のハイライトの一つでもあるマフィアのアジト襲撃、顔面剥ぎ取りを披露したキミコは、シェリーと共に教会にいた。キミコはシェリーから殺し屋としての仕事を受け、報酬を得ていたのだ。フレンチーは「これは解決策じゃない」と説得するが、キミコにとっては弟のケンジの死はとてつもなく大きな事件だった。キミコはフレンチーを「手助けはいらない」と突き放し、フレンチーも「怪物として生きろ」と返し、二人は喧嘩別れしてしまう。

ザ・ボーイズとセブンとは離れたところで展開される二人の物語も、出口の見えないまま進んでいく……。

ストームフロントが見せたレイシズム

セブンを追われることになったAトレインは、“卒業シーン”の撮影を始めるが往生際が悪い。ストームフロントはAトレインに教会が「手当たり次第に勧誘を始めた」という話をしているが、このシーンはレイシストとしてのストームフロントの姿が描かれているシーンだ。

直接差別的な言葉を発してはいないが、「昔は純粋 (pure) だったけど」という言葉は「純血」を示唆している。「手当たり次第に勧誘を始めた」という字幕になっている台詞は「they started let in all kind of people」であり、「あらゆる人 (種) を入れ始めた」と捉えることもできる。「上質な人間もいれば、ゴミもいる」とは、人種を揶揄しての言葉だ。この微妙なニュアンスを用いた差別に、Aトレインは「何か問題が?」としか言い返すことができない。

このシーンについて、『Prime Rewind:「ザ・ボーイズ」の裏側』では、Aトレイン役のジェシー・T・アッシャーは、アヤ・キャッシュはこの演技をする際に「心苦しい」と謝っていたと述べている。

Aトレインは、コンパウンドVを使っていたことをバラすとアシュリーに脅されて、最終的には『セブンの夜明け』で引退の台詞を喋る。ストームフロントも、Aトレインにクビを言い渡したファティも、説得したアシュリーも、台詞を書いた監督も、Aトレインを追い込んだのは、皆白人だ。Aトレインはここからどのような道を歩むのだろうか。

SNSに弱いホームランダー

一方、ヴォート本社の前では、ホームランダーへの抗議集会が開かれ、ニューマン議員によるホームランダーの“戦争犯罪”への糾弾が行われている。そこに現れたのはホームランダーだ。ヴォートの方針を無視してライブ中継のカメラの前で話し始める。

ここでホームランダーがニューマン議員について「彼女が“エジプシャン・ダンス”を踊る動画は好き?」と聴衆に語りかけている。これは現実のアメリカで史上最年少で女性下院議員となったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスが、保守派から大学時代のダンスを踊っている動画を「はしたない」と批判されたことを意識しての台詞だ (意味不明な批判だったため「女性議員は踊ってはいけないのか」との反論が起きたことは言うまでもない)。『ザ・ボーイズ』のニューマン議員が、オカシオ=コルテス議員を意識したキャラクターだということが分かる。

演説を始めるホームランダーだったが、「時々こういうことが起きてしまう」に対して聴衆からは「以前にもあった?」、「この国を守る」に対しては「この国の人々だけ?」、米兵を使おうとすれば「代弁するな」と、聴衆から次々とツッコミが入ってしまう。「You don’t speak for us (代弁するな)」のコールが響き渡る中、ホームランダーは“目からビーム”で大衆を焼き切る妄想をするが、大衆は止められない。ホームランダーは飛び去るしかなかった。ホームランダーが敗北した瞬間だ。

動画を見直して落ち込むホームランダーだが、流石のホームランダーにも炎上は止められす、遂にストームフロントの手を借りることに。ストームフロントはSNS担当者の力を借りてネットミームを量産。炎上動画がフェイクだと訴える一枚絵などを駆使してネット世論を操作する。

ブラック・ノワールの襲撃

ヒューイたちはブラック・ノワールの襲撃に備えていた。ブッチャーの叔母のジュディは、ブッチャーの弟で既に亡くなったレニーのことをヒューイに話す。ヒューイはレニーによく似ているらしい。ブッチャーが小学4年生の時、ブッチャーはレニーをいじめた相手を殺しかけたが、レニーがそれを止めたのだという。ブッチャーは自らの凶暴さを封印する人、つまりブレーキになってくれるカナリアを必要としていたのだ。

ブラック・ノワールは、罠をもろともせず、ブッチャーの前に姿を現す。ブッチャーは一人でブラック・ノワールに対峙しようとするが、MMもヒューイも愛犬テラーもそれを許さない。と、ここでブッチャーは、ブラック・ノワールが彼らに手を出せば、ホームランダーの息子の存在と性暴力の事実を世間に公開すると脅しをかける。

その様子をカメラ越しに見ていたヴォート社長のスタン・エドガーは「証拠の存在を確認したい」とブッチャーと交渉しようとするが、ブッチャーは「メーガンとヘンリーのガキより有名になる」と英国王室を揶揄する。エドガーはブラック・ノワールに撤退の指示を出し、ザ・ボーイズは防衛に成功する。

なお、エピソード5で遂にザ・ボーイズと対峙したブラック・ノワールについて、同役を演じたネイサン・ミッチェルは、『ザ・ボーイズの裏側』で、「彼がヴォートに尽くすのは他のヒーローたちのように社会になじめないから」とその忠誠心の源を明らかにしている。

大きく動く勢力図

一方でディープは、クイーン・メイヴの訪問を受ける。メイヴは、ディープにセブンに戻るための手助けをオファーする代わりに、メイヴへの協力を求める。本気でホームランダーを潰すつもりのようだ。

スターライトの方はというと、ストームフロントがリバティであるという事実を探ろうとしていた。ストームフロントのパソコンから「セージ・グローブ」との連絡履歴を見つけ出す。このエピソードでは、ストームフロントはセージ・グローブ・センターで働く人物に電話をかけていた。セージ・グローブとは一体誰のことなのだろうか。

部屋に忍び込んだスターライトと遭遇したストームフロントは、その演技を見破り、コンパウンドVの流出事件について、全てを知っていたことを告げる。スターライトはストームフロントがリバティを名乗っていた過去を突きつける。ブッチャーからヴォートへの脅しも合わせて、秘密の突きつけあいになっている。

そしてそこに現れたのはホームランダー。ストームフロントはすっかりホームランダーを味方につけていた。ストームフロントのおかげで支持率が5ポイント上昇したと喜ぶホームランダー。クイーンメイヴはディープを味方につけたが、セブン内の勢力図が大きく変わろうとしていた。

そしてラストシーンは、エアロスミスの「ドリーム・オン」(1973)が流れる中、ブッチャーはテラーにベッカを連れ戻すことを誓い、ホームランダーはストームフロントと奇妙な形で交じり合う。ホームランダーはようやく理想の相手を見つけ、ストームフロントはホームランダーを手中に納めたのだった。

『ザ・ボーイズ』シーズン2エピソード5「行動の時」のゲスト出演者

ケイティ・クーリック

エピソード5「行動の時」には二人のゲスト出演者が登場している。一人目は、ディープがインタビューを受けていた番組「ケイティ・クーリック ライブ」のMCを務めていたケイティ・クーリックだ。シーズン2エピソード1でもジャーナリストのクリン・ハンセンが本人役で出演していた。

ケイティ・クーリックはアメリカの超有名キャスターであり、ABC、CNN、NBCなどでキャスターを務めた。約20年前に夫を大腸癌で失った際には、番組で結腸検査を受け、全米の視聴者が検査を受けるという社会現象 (通称“クーリック現象”) を生み出した。

ショーン・アシュモア

セージ・グローブ・センターでストームフロントからの電話を受けていた人物は、映画「X-MEN」シリーズでアイスマンことボビー・ドレイクを演じていたショーン・アシュモア。クレジットは「手術着の男」となっているが、『ザ・ボーイズ』シーズン2公開前から、ショーン・アシュモアはある重要な役柄で出演することが報道されていた。果たして再登場はあるのだろうか。

シーズン2エピソード5「行動の時」で流れた音楽

Dead Tired「Punks at the Gym」

シーズン2エピソード5「行動の時」の冒頭、ブッチャーがクラブで酒を飲む場面でバンドが演奏していたのは、Dead Tiredの「Punks at the Gym」(2015)。ハードコアパンクバンド、Dead Tiredの本人たちが出演して演奏を披露している。

Ashot Philipp & Galina N. Ajvazjan「Show Star」

キミコがマフィアを襲撃した際に流れ始める曲は、Ashot Philipp & Galina N. Ajvazjanの「Show Star」(1999)。オムニバスアルバム『Russia Today』(2004)に収録されている楽曲だ。

エアロスミス「ドリーム・オン」

ビリー・ジョエルが多用されてきた『ザ・ボーイズ』シーズン2だが、今回のエンディングはエアロスミスの「ドリーム・オン」

タイトル通り「夢を見続けろ」と歌われるこの曲は、全てを失い、生きることを諦めかけたブッチャーが再び前を向くエピソード5を象徴する内容である。「勝ち方を知るためには負けなきゃいけない」——敗北を経て、ザ・ボーイズの逆襲が始まる。

シーズン2エピソード6のネタバレ解説は以下のリンク先から。

『ザ・ボーイズ』シーズン2は、Amazonプライムビデオで10月9日まで毎週金曜日に更新。

各話の裏側が語られるアフターショー『Prime Rewind:「ザ・ボーイズ」の裏側』も同時公開中。

原作コミックの日本語版はG-NOVELSより発売中。

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齋藤 隼飛

1991年生まれ。
社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。
編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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