Netflix実写ドラマ版『ONE PIECE』で描かれる強く自立した女性像!ネタバレ解説&考察 | VG+ (バゴプラ)

Netflix実写ドラマ版『ONE PIECE』で描かれる強く自立した女性像!ネタバレ解説&考察

(C) 尾田栄一郎/集英社

2023年8月31日Netflix独占配信開始

「いいものつくろう」というモットーを掲げ、長い月日をかけて原作者である尾田栄一郎監修のもと、南アフリカでの撮影ゴーイングメリー号や海上レストランのバラティエを実際に製作するなど細部までこだわり、2016年に着工してから7年をかけて制作された実写ドラマ版『ONE PIECE』。そのような制作陣の熱い想いの込められた実写ドラマ版『ONE PIECE』が2023年8月31日より、Netflixより独占配信が開始された。

実写ドラマ版『ONE PIECE』では原作版『ONE PIECE』(1997-)も連載開始から26年の月日が流れているため、内容面でも現代に合わせてブラッシュアップされている点も存在している。ハリウッド的なブラッシュアップと、原作者の尾田栄一郎のこだわりとのすり合わせのもと、『ONE PIECE』に新しい解釈が生まれているのが実写ドラマ版『ONE PIECE』の特徴だ。

本記事ではジェイコブ・ロメロ・ギブソン演じるウソップが麦わらの一味に加わるシロップ村のエピソードを中心に、実写ドラマ版『ONE PIECE』で新たな解釈のもとで描かれた女性の強さと自立について解説と考察をしていく。なお、本記事はNetflixで独占配信中の実写ドラマ版『ONE PIECE』のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、実写ドラマ版『ONE PIECE』の内容に関するネタバレを含みます。

原作と異なるシロップ村

原作版『ONE PIECE』では、シロップ村でウソップは年下の子供たちを引き連れ、ウソップ海賊団という海賊ごっこに興じていた。そして村のお金持ちの娘で病弱なカヤに嘘の冒険物語を話し、元気づけながら過ごしていた。しかし、執事のクラハドールが実はクロネコ海賊団の百計のクロであることを知り、何とかそれを村人やカヤに知らせようとするも童話の狼少年のように誰にも信じてもらえず、モンキー・D・ルフィらと共に立ち向かおうとするのが大まかなあらすじだ。

そして、麦わらの一味は百計のクロを倒した後、百計のクロによって重傷を負わされた執事のメリーさんから趣味でつくっていたゴーイングメリー号を譲り受け、ウソップはウソップ海賊団の解散を宣言。その後、麦わらの一味に加わり、その後のウソップの活躍をカヤはメリーさんとかつてのウソップ海賊団のメンバーから手配書を通して知り、それを応援していることが扉絵で描かれている。

しかし、実写ドラマ版『ONE PIECE』ではウソップ海賊団は登場せず、ウソップはシロップ村で1人きりだ。他にもシロップ村は東の海(イーストブルー)では造船で有名な村であり、セレスト・ルーツ演じるカヤはただのお金持ちではなく、造船所の跡取り娘という設定にも変更され、何故一人の執事が趣味で船をつくれたのか、そしてウソップがゴーイングメリー号に強い思い入れがあったのかが強調されている。

さらに原作版『ONE PIECE』では重傷を負ったブレット・ウィリアムズ演じる執事のメリーさんは重傷ではなく、アレクサンダー・マニアティス演じるクラハドールこと百計のクロによって殺害されている。それにより、ウソップが麦わらの一味に加わることでカヤは一人ぼっちになってしまうことが明言されている。そのため、ウソップはより一層麦わらの一味に参加することに悩んでいるように思える描写となっている。

ナミ、クイナ、カヤを通して描かれる強い女性像と自立した女性像

原作版『ONE PIECE』ではカヤはウソップが旅立った後も良くも悪くも元ウソップ海賊団のメンバーや執事のメリーさんに支えられている女性であった。だが、実写ドラマ版『ONE PIECE』では一人で造船所を受け継いでいく自立した女性として描かれている。それを象徴するのがエミリー・ラッド演じるナミとカヤの会話の中で、カヤが長く仕えてくれたからという理由で造船所の権利をクラハドールこと百計のクロに譲渡しようとしたことに対し、ナミが自分の人生を他人に預けてはいけないと進言する場面が挙げられる。

ここに重なるように描かれるのが、新田真剣佑演じるロロノア・ゾロの過去編でのオードリー・サイモン演じるクイナとのエピソードだ。クイナと言えばマクシミリアン・リー・ピアッツァ演じる幼少期のゾロからすれば超えるべきライバルであったが、クイナ自身は成長と二次性徴により生まれる筋肉量といった身体的な違いによって「自分はいずれ男性に勝てなくなる」と思い悩んでいたキャラクターだ。それを最後まで否定していたのはゾロ本人であり、ゾロはクイナが命を落とす最後までクイナを超えるべきライバルにして親友としてみていた。

さらにココヤシ村を守るために親を殺したアーロン一味に与してまで戦ったナミからの助言も重なる。ナミ、クイナの二人の言葉や過去が重なり、それが最後の場面でカヤが自ら造船所の運営をする自立した女性へと成長していく場面へと繋がるのが巧みな表現だ。

また、有名なシーンではこれまで助けを拒絶していたナミが、ルフィに助けを求め、ルフィが「当たり前だ!」と返すシーンもある。助けを求めるというと弱いような印象を受けるが、原作版『ONE PIECE』ではワノ国編で、それまで自己肯定感の低さを垣間見せていたサンジがニコ・ロビンに助けを求めるなど、自分の弱さをさらけ出すことを強さとして表現している。

ナミにおいても、友人をつくれば傷つけてしまうという理由で家族をも拒絶し、故郷のココヤシ村でも孤独となっていたナミが、イニャキ・ゴドイ演じるモンキー・D・ルフィを仲間であると受け入れ、そして弱さをさらけ出して助けを求めるという点がより強調されていたように見受けられた。ナミ、クイナ、カヤと全編を通して新しく自立した強い女性像を描いてみせた実写ドラマ版『ONE PIECE』。実写ドラマ版『ONE PIECE』最終話では海軍本部大佐の白猟のスモーカーを思わせるシルエットが登場したため、続編で海軍本部曹長で、ゾロの幼馴染のクイナにそっくりなたしぎが登場することにも期待したい。

Netflixシリーズ『ONE PIECE』はNetflixにて2023年8月31日(木)より独占配信。

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【ネタバレ注意!】ドラマ版第1話の解説・考察・感想はこちらから。

実写版キャストのまとめはこちらの記事で。

フォクシーやベラミーの姿もあった公式予告はこちらから。

実写バギーやシャンクスらが初登場したティーザー映像はこちらの記事で。

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映画『ONE PIECE FILM RED』のネタバレ解説はこちらから。

映画『ONE PIECE FILM RED』の音楽紹介はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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