ネタバレ音楽解説『ONE PIECE FILM RED』で流れた曲は? ウタ/Adoが歌う7曲収録のアルバム&サントラ発売 MVもチェック | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ音楽解説『ONE PIECE FILM RED』で流れた曲は? ウタ/Adoが歌う7曲収録のアルバム&サントラ発売 MVもチェック

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『ONE PIECE FILM RED』の音楽をチェック

映画『ONE PIECE FILM RED』が2022年8月6日(土)から日本全国の劇場で公開。「ONE PIECE FILM」シリーズとして『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)以来の新作となり、シャンクスの娘として登場するウタを中心に据えた物語が展開される。

『ONE PIECE FILM RED』最大の特徴は、劇中で流れる音楽だ。主要キャラになるウタの名前通り、“歌”は本作最大のテーマ。「歌声、赤髪。」というキャッチコピーのもと、ウタの歌う曲を「うっせぇわ」(2021)で知られるアーティストのAdoが担当する。

今回は、映画『ONE PIECE FILM RED』で流れた各曲に注目しよう。ウタが歌う曲はどんな場面でどんな歌が流れていたのだろうか。なお、以下の内容は作中の重大なネタバレを含むので、必ず本編を観てから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ONE PIECE FILM RED』の内容に関するネタバレを含みます。

『ONE PIECE FILM RED』で流れる7曲

「新時代」

『ONE PIECE FILM RED』のテーマで曲であり、冒頭のシーンでウタが大勢のファンの前で歌う「新時代」。「新時代はこの未来だ」から始まり、「新時代だ」で終わる歌詞には、新時代の幕開けを宣言しながらも、「夢の中に居させて」と劇中で語られるウタの心情も歌われている。また、「夢を見せるよ」とも歌われている。これは、ウタがファンやルフィ達をウタウタの実の力で夢の世界に閉じ込めていることを示しており、物語のヒントにもなっている。

「新時代」の作詞作曲を手掛けたのは中田ヤスタカ。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅといったグループをプロデュースし、世界的ヒットに導いたことで知られる。映画『ONE PIECE FLIM Z』(2012)でもオープニングテーマを手掛けており、『ONE PIECE』原作者の尾田栄一郎とはプライベートでも親交があるという。

 

「私は最強」

冒頭のライブで、ウタウタの実の力で海賊達を捉えたウタが歌うのは「私は最強」。タイトルの通り「私は最強」と宣言する前向きで力強い曲でありながら、「怖くはない?」「不安はない?」と聞いている者にも語りかける。「私の思いは皆んなには重い?」と、のちにファン達に拒絶されるウタの不安も織り込まれている。最後には歌詞は「私は最強」から「アナタと最強」に変わり、最後まで誰かのために行動しようとしたウタの姿勢も示されている。

YouTubeで配信されている「ウタ日記」では、第2回の「私は最強 語っちゃうよー!」で、「私は最強」が生まれた背景として、落ち込んでいた時期にファンからの応援によって自分のことを好きになれたというエピソードを語っている。ウタは、「ちょっと元気が欲しい時とか、背中を押して欲しい時なんかに聞いてくれたら嬉しい」と話している。

 

「私は最強」の作詞作曲を手掛けたのはMrs. GREEN APPLEのボーカル/ギター大森元貴。Mrs. GREEN APPLEと、その共同制作者でもある伊藤賢が編曲を手掛けている。Mrs. GREEN APPLEは楽曲のストリーミング総再生数が20億回を超える人気グループだ。

「風のゆくえ」

ルフィとウタの幼い頃を描く回想シーンで、ウタが赤髪海賊団とルフィのために歌う「風のゆくえ」は、『ONE PIECE FILM RED』のエンディングテーマ曲。回想シーンでのウタは「風のゆくえ」のサビに入る時に眠ってしまい、一同が見ていた夢の世界が強制終了される様子が描かれ、ウタウタの実の能力の仕組みが示唆されている。

「風のゆくえ」は、風がどこから来たのかは分からないが、「あなた」に届くように歌う、という歌詞が歌われている。まだ見ぬ世界の人々と繋がることができたウタと、シャンクスの姿を追うウタの心情が同時に表現されているようである。

「風のゆくえ」の作詞作曲を手掛けたのは秦基博。映画『STAND BY ME ドラえもん』(2014) の主題歌「ひまわりの約束」を歌ったことで知られる。2022年8月17日(水)にはニューシングル「サイダー」が発売される。

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「逆光」

ウタが初めて麦わら海賊団に牙を剥く時に歌う「逆光」は、「悪党ぶっ飛ばして」と好戦的な歌詞が歌われる。後で気づいても入れてあげない、抜けさせない、と強迫的な内容の歌詞も歌われている一方で、前の二曲から一転し、歌詞では「ひとりぼっちには飽き飽き」「繋がっていたい」と、冒頭からウタの弱い面が吐き出される。

また、「『赤』に彩られていた」と過去形でシャンクスの存在を思わせる歌詞が入ると、直後に「『赤』に気を取られている」と、今でもシャンクスのことを思っているウタの心情が示唆されている。入場者特典の『四十億巻』には、尾田栄一郎直筆のメモで「逆光」について「本心では歌えない歌」と書かれている。

「逆光」の作詞作曲を手掛けたのはVaundy。2002年生まれのAdoと2歳違いの22歳で現役大学生。2019年6月に楽曲「pain」を投稿して以降、驚異のスピードで人気を集め、YouTubeチャンネルは『ONE PIECE FILM RED』公開時点で100万人超の登録者数を誇る。

「世界のつづき」

ウタを育てたゴードンが、幼い頃のウタの様子を説明するシーンで「仲間たちとの思い出の歌」と紹介される曲は「世界のつづき」。どうしてあの日の海の匂いは消えてしまうの、と過去の楽しい思い出を歌う内容になっている。また、歌詞の「信じられる?」という言葉は「信じられる」という確信に変わっていく。ウタはやはりシャンクスと赤髪海賊団がいつか迎えに来ると信じていたようだ。

「世界のつづき」の作詞作曲はシンガーソングライターの折坂悠太が手がける。編曲を担当したのは、HYやCHEMISTRYらの編曲を手掛けてきた川口大輔

「ウタカタララバイ」

現実世界で黄猿・藤虎ら海軍が現れた時、ファンの人々を操るウタが歌う曲は「ウタカタララバイ」。ラップも入るこの曲では、「つながっていたい」「この時代は〜救いを求めていた」と、ウタの計画にフォーカスした歌詞が歌われる。この曲について、尾田栄一郎は四十億巻で「おかしくなっていくウタ」というメモを残している。なお、「ウタカタ」には「唄方(歌い手)」と「泡沫(はかないもの)」という二つの漢字を当てることができる。

「ウタカタララバイ」 の作曲を手掛けたのはFAKE TYPE.。作詞をMCのTOPHAMHAT-KYOが、編曲をトラックメイカーのDYES IWASAKIが担当している。FAKE TYPE.は『ONE PIECE FILM RED』公開前日の2022年8月5日にメジャー第2弾シングル「真FAKE STYLE」をリリースしている。

 

「Tot Musica」

ウタが魔王トットムジカを復活させる時に歌う曲は「Tot Musica」。「謳え 破滅の譜を」と歌われており、ウタは、人々を幸せにするはずの音楽を破壊のために使うようになってしまっている。なお、四十億巻に掲載されている歌詞には一部ルーン文字も並んでいる。ルーン文字は呪術や魔術にも用いられる。ウタが歌う「Tot Musica」は映像電伝虫で世界に配信され、現実とウタワールドを繋ぐトットムジカの力によって音を切っても世界に流れ続けた。

ラストで流れた曲は?

そして、ウタはシャンクスから渡された薬を飲むのを拒否して、「世界のつづき」を歌う。これによりウタワールドに閉じ込められた人々は解放される。四十億巻では尾田栄一郎が「みんなの暴走を止める天使の歌」とメモしている。

その後、ウタはシャンクスの「新時代は目の前だ」という言葉の後にアカペラで「風のゆくえ」を歌う。「風のゆくえ」の歌が途中で終わり、ルフィが目覚める流れは映画前半のフーシャ村での回想シーンと同じ展開。今回は、おそらくウタは力尽きたのだろう。続けてエンドロールで「風のゆくえ」が流れるが、同時に世界中の人がウタのアルバムを手にして、曲を聴いている姿が映し出される。「あなたに届くように歌う」という歌詞の通り、ウタの音楽が世界に届けられたことが示されている。

以上が『ONE PIECE FILM RED』で流れる楽曲だ。タイプの違う7曲をすべてAdoが見事に歌いあげている。この全7曲に加えてAdoが歌う「ビンクスの酒」が収録されるアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』は、ユニバーサル・ミュージックから2022年8月10日(水)に発売されている。

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中田ヤスタカが手掛けたオリジナルサウンドトラック(サントラ)は2022年10月28日(金)発売。現在予約を受け付けている。

江坂純が手掛けた『ONE PIECE FILM RED』のノベライズ版は発売中。

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映画『ONE PIECE FILM RED』は2022年8月6日(土)より全国の劇場で公開中。

『ONE PIECE FILM RED』公式サイト

『ONE PIECE FILM RED』ラストのネタバレ解説はこちらの記事で。

『ONE PIECE FILM RED』に登場したキャラと登場しなかったキャラについての考察はこちらから。

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