『X-MEN‘97』第6話 ネタバレ解説 ミュータント社会を襲う絶望と一筋の希望 感想&考察 | VG+ (バゴプラ)

『X-MEN‘97』第6話 ネタバレ解説 ミュータント社会を襲う絶望と一筋の希望 感想&考察

©2024 Marvel

ヒーローたちが復活する『X-MEN‘97』第6話

壮絶な結末で終わったアニメ『X-MEN‘97』第5話「覚えておけ」だったが、第6話「生死 第2部」ではX-MENの外からジェノーシャで起きた悲劇がどのように映ったのかが描かれることになる。また、第6話「生死 第2部」はヒーローたちの復活劇も描かれ希望と絶望が混ざり合ったものになっている。

本記事はアニメ『X-MEN‘97』第6話「生死 第2部」で描かれるヒーローたちの復活劇と、そこを襲う絶望について感想と考察、解説を述べていこう。なお、本記事はアニメ『X-MEN‘97』第6話「生死 第2部」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『X-MEN‘97』の内容に関するネタバレを含みます。

物語は新たな舞台へ

宇宙戦争勃発

マグニートーとガンビットがジェノーシャで壮絶な最期を遂げた頃、宇宙では鳥人であるシーアー帝国の大艦隊とクリー帝国の大艦隊がしのぎを削っていた。シーアー人はかつて多次元宇宙への旅を可能とするエムクラン・クリスタルを巡り、先の皇帝であるディケン・ネラマニと共に地球に来訪した種族だ。その中でもディケン・ネラマニの姉で野心家かつ、凶暴なデスバードがクリー帝国の軍艦に突撃する

デスバードと相対するのは、クリー人の告発者ロナンだ。彼は自慢のハンマーを掲げ、デスバードに対してクリー人を支配する人工知能スプリーム・インテリジェンスの意志を力強く訴える。そこにシーアー帝国皇帝に仕えるインペリアル・ガードが背後から奇襲をかけた。インペリアル・ガードはクリーの兵士を蹂躙し、デスバードはスプリーム・インテリジェンスの居場所を聞き出そうとする。告発者ロナンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のメインヴィランだ。

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そんなデスバードのもとに妹でシーアー帝国皇帝のリランドラ・ネラマニから連絡が入ってくる。それはシーアー帝国で最先端の治療を受け、その才覚で宇宙をダーク・フェニックスの危機から救った男と結婚するという報告だった。その男の名はチャールズ・エグゼビア教授。史上最強のテレパシーを誇り、X-MENを創設したプロフェッサーXその人だった。

完璧な教育者

プロフェッサーXは地球上では死んだことになっているが、シーアー帝国で最先端の治療を受けた結果、車椅子を使わずに移動できるほど回復していた。プロフェッサーXは故郷の地球に残してきたミュータントたちの安否を心配するが、リランドラ・ネラマニは地球に帰れば必ず騒動に巻き込まれてシーアー帝国に帰れなくなると語り、その代わりにX-MENを結婚式に招待するという提案をした。

リランドラ・ネラマニの目的はクリー帝国との戦争に勝利した後の同化政策であり、その調停者としてプロフェッサーXを必要としていた。彼が歩けるようになったのもすべてはパワードスーツのおかげであり、リランドラ・ネラマニは完璧な教育者を演じさせていたのだ。それを空虚なものだと考えるプロフェッサーX。マイノリティの指導者だったものとして、同化政策に加担するのはとてつもない苦悩だと考察できる。

アドバーサリーの恐怖

アメリカの荒野にたたずむ一軒家では、能力を失ったストームがフォージの看病をしていた。フォージがベトナム戦争で呼び出してしまった混沌の魔人で、ネイティブアメリカンのシャイアン族に昔から恐れられていた悪魔であるアドバーサリーの毒によってフォージの体は蝕まれていく。

ストームは懸命に看病を続けるが、アドバーサリーは囁く。ストームが能力を失い、数多くのミュータントが奴隷になった原因はフォージのミュータント能力無効化装置の発明であり、フォージは救う価値のない人間だと。ストームにアドバーサリーは自分の力を使えばミュータント能力を取り戻せると語る。

アドバーサリーはストームに最悪の真実を告げる。それはかつてジーン・グレイとの会話の中でミュータントではない自分を想像したことがあるという話をもとに、ストームはミュータント能力を失う前からミュータントというマイノリティであり続けることに疲れ果てていたということだった。

彼女にそれを認めさせようとするアドバーサリーをフォージの魔術が引きはがす。フォージの母が遺した魔術でアドバーサリーを封じたフォージだったが、アドバーサリーの毒で弱っていく。彼を救うため、ストームは彼を連れて魔力を秘めた真夜中のサボテンの汁を採取しに行くのだった。

エムダーシャの儀式

シーアー帝国ではリランドラ・ネラマニ皇帝とプロフェッサーXの結婚について議論が交わされていた。多くのシーアー人は地球を卑しい下等な星として考えており、地球出身者との結婚を良く思っていなかった。それどころか皇帝の姉にあたるデスバードはプロフェッサーXがシーアー帝国の帝都を地球に移すつもりではないかと考察し、疑っていた。

野心家で邪悪な側面を持つデスバードは、伴侶への忠誠心を試すエムダーシャの儀式をプロフェッサーXに行なうように最高評議会に進言する。その内容は地球との繋がりを断つために、地球での記憶をすべて消すというものだった。プロフェッサーXに匹敵するリランドラ・ネラマニがその役割を担うという残酷極まりない儀式にプロフェッサーXは戸惑う。

シーアー人の最高神シャーラとキスリの像を見て考えているプロフェッサーXのもとに、インペリアル・ガードのリーダーであるグラディエーターが訪れる。プロフェッサーXはシーアー人の「敵同士の結婚で平和と調停をもたらす」という考えには賛同しつつも、エムダーシャの儀式を含めた片方の文化を抹消する同化政策に疑念を持ち始めていた。

そして、親友であったマグニートーとの思い出や自分自身で未来を思考することを諦めたくないプロフェッサーXは、リランドラ・ネラマニとの婚約を諦めかける。リランドラ・ネラマニは人類に寛容さを求めた結果、プロフェッサーXは地球で死にかけたと語り、この婚約が無ければデスバードによって銀河に混乱がもたらされると続ける。彼女の涙ながらに語る姿を見て、プロフェッサーXはある決心を固める。

ヒーローたちの復活

スノースネーク・タワー

馬で真夜中のサボテンがあるとされるスノースネーク・タワーにストームとフォージは走る。そこは開拓者たちがつくった洞窟で、南北戦争時には北軍の拠点としても用いられた場所だった。2人はマイノリティをマジョリティが蹂躙した場所で、お互いのことを打ち明ける。

ストームは人類をいくら救おうとも、ミュータント憎悪は無くならず、その疲労からこのままで良いと考えていた。フォージは白人の最大の武器は罪のない嘘だと語るが、その最中、倒れてしまう。急いで真夜中のサボテンを取りに行こうとするストームだったが、真夜中のサボテンが生えているのは坑道の中であり、そこは幼少期に生き埋めにされた経験から閉所恐怖症のストームにとって最も険しい場所だった。

プロフェッサーXの授業

エムダーシャの儀式を受けるプロフェッサーXだったが、最高評議会にX-MENたち教え子のことも放棄するかと言われて躊躇ってしまう。それを良いことにデスバードは、プロフェッサーXが皇帝の伴侶として相応しくないと儀式の会場に乗り込んできた。その理由に地球人というだけではなく、ミュータントという理由まで付け足し、デスバードは純血が絶たれるとしてリランドラ・ネラマニの退位まで要求してきた。

デスバードを捕えろとグラディエーターに命令した途端、デスバードは実力行使に打って出る。しかし、そこにいるのは皇帝直属のインペリアル・ガードのグラディエーターだ。グラディエーターはデスバードを一蹴した後、彼女の部下たちも一息で一掃する。

グラディエーターがデスバードの兵士たちに気を取られた瞬間、デスバードはプロフェッサーXパワードスーツの脚を斬る。それによってプロフェッサーXは崩れ落ち、儀式の会場は大混乱に陥る。最高評議会は彼らを見捨てるように席を立つが、プロフェッサーXはその場にいたすべての人物をアストラル空間に引き込み、自分の得意分野である授業を始めるのだった。

ストームの復活

坑道を這っていたストームは、道中で懐中電灯を落してしまう。暗黒の中、アドバーサリーの姿を伴った閉所恐怖症と自己嫌悪にストームは襲われる。しかし、ストームはXキューショナーの武器の最大の効力は自己嫌悪を生み出したことだと語り、本当の自分と向き合うのだった。

その瞬間、稲妻が天を割き、巨大な台風を巻き起こしてストームの目が輝く。そこには怯えるオロロ・マンローの姿はなく、新しい黒い装束に身を包んだX-MENのストームの姿があった。内なる敵〈アドバーサリー〉を打ち倒すことに成功したストームだったが、そこに飛び込んできたのはジェノーシャで起きた悲劇のニュースだった。

授業の行方

プロフェッサーXは力というものについての授業を始める。シーアー帝国の力の根源は新興国への蹂躙によるものであり、彼らがシーアー帝国と肩を並べるのを恐れているというものだった。そして、もし新興国が成長を遂げたら同化政策を取り、その文化を消して力を維持し続けてきたのがシーアー帝国の実態だとプロフェッサーXは語る。

これは現実社会でも言えることだ。マジョリティはマイノリティが発展して発言力を持つことを恐れて攻撃する。侵略者は被侵略者の文化を乗っ取り、自分たちの文化を押し付けることで口を封じる。これはアメリカだけではなく、日本でも言えることだ。この侵略者というマジョリティの力の構図をプロフェッサーXは説いているのだと考察できる。

プロフェッサーXの講義はガンビットの死という形で終わりを告げる。アストラル空間を通して、プロフェッサーXは親友と教え子の死を知ったのだ。地球に戻ろうとするプロフェッサーXに対し、ここで地球に帰ればデスバードの思うつぼだとリランドラ・ネラマニは語る。それでもプロフェッサーXは食い下がらない。そして、「我がX-MENの元に戻る時が来た」と続けるのだった。

すべての黒幕

廃墟と化した街で逃げるセンチネルの開発者のボリバル・トラスクのもとに1人の男が現われる。ボリバル・トラスクは彼にDNAサンプルを渡したことでマスターモールドを動かしたと言う。ジェノーシャの惨劇の責任はすべて自分にあると嘆くボリバル・トラスクだったが、男は違う。

男はジェノーシャの惨劇はもう過去であり、巨大な計画の始まりに過ぎないと語った。そして自分を信じるかぎり、恐れることはないと告げた。その男の正体はジーン・グレイのクローンであるマデリン・プライヤーを生み出し、その息子のネイサン・サマーズを誘拐した史上最悪のミュータントであるミスター・シニスターであった。

第6話の感想と第7話で描かれるミスター・シニスターの陰謀

第5話「覚えておけ」で起きたジェノーシャの悲劇と、マグニートーとガンビットの死という悲劇から幕開けをしたアニメ『X-MEN‘97』第6話「生死 第2部」。プロフェッサーXとストームという偉大なヒーローたちが復活したものの、宇宙空間のシーアー帝国やアメリカの荒野にいる2人のもとにも仲間の死という悲劇が伝わってくる。

プロフェッサーXは地球への帰還を決め、しがらみに囚われることを知りながらX-MENに復帰する。ストームは内なる敵〈アドバーサリー〉を倒したものの、マスターモールドという外敵によって同胞を殺されたことを知ることになる。

そのすべての黒幕はミスター・シニスターだった。ジェノーシャのミュータント評議会によってX-MEN、ブラザーフッド・オブ・ミュータンツ、ヘルファイア・クラブ、モーロックス、ミュータント研究センターらミュータント組織が一致団結した矢先の悲劇だった。ミュータントたちを待ち受ける更なる悲劇とは何か。ミスター・シニスターの目的とは何か。今後のミスター・シニスターの動向に注目だ。

アニメ『X-MEN‘97』第6話「生死 第2部」は2024年4月17日(水)よりDisney+にて配信開始。

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『X-MEN’97』第1話「来たれ、我がX-MEN」のネタバレ感想と考察はこちらから。

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鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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