【ネタバレ 考察】『アンダン〜時を超える者〜』シーズン2はある? エンディングを解説 | VG+ (バゴプラ)

【ネタバレ 考察】『アンダン〜時を超える者〜』シーズン2はある? エンディングを解説

Amazon Studios

『アンダン〜時を超える者〜』シーズン2は?

Amazonスタジオ初のロトスコープアニメーションを採用したアニメーションドラマ『アンダン〜時を超える者〜』。タイムスリップをテーマにした未知の映像表現と、現代的で等身大の主人公像で話題を呼んだ。各話20分強で全8話ということもあり、一気に完走してしまったという人も多いだろう。今回は『アンダン〜時を超える者〜』シーズン1のエンディングと、気になるシーズン2の製作について考察してみよう。

ネタバレ注意
以下の内容は、『アンダン〜時を超える者〜』の内容に関するネタバレを含みます。

エンディングを解説

『アンダン〜時を超える者〜』シーズン1のエンディングは、意外なものだった。父・ジェイコブの死の真相に迫ったアルマは、父の死因が殺人ではなく自殺だったことを知る。ジェイコブは、研究のための援助を失い、妻からはもう家には戻らないよう求められ、助手のファルナズにも、先住民の遺物を盗み出したことや子どもを実験に利用しようとしていることを学部長に報告すると告げられる。全てを失ったジェイコブは、ファルナズを道連れに無理心中を選んだのだった。

真実を知ったジェイコブは、自分は救うに値しないと結論づける。これによりジェイコブが起こしたアルマの交通事故と、それによって得られた時空を操る能力はなかった事になる。だが、アルマはジェイコブ自身にこの過去を変えるよう説得する。ジェイコブが自身の弱さに打ち克ち、研究最優先の人生を変えることができれば、その死もなかった事になり、現代に彼が現れるはず……。一方で現代に戻ったアルマは、母やボーイフレンドからも統合失調症になったと思われ、完全に味方を失っていた。だが、父の“復活”が実現すれば、周囲の人々も自分の主張を信じるはず。そう信じ、イメージの中で復活する父を“見た”約束の遺跡でジェイコブの登場を待つ。

妹も見守る中、メキシコの遺跡で夜明けを迎えるが、ジェイコブは現れなかった。妹は「別の可能性もある」と統合失調症の薬を差し出す。アルマと同じ能力を持ちながら現実世界に戻れなくなった祖母もまた、晩年は統合失調症だと診断され、周囲の人々からは「おかしくなった」と揶揄されていた。アルマも同じ道を辿るのか……そう思った時、太陽が昇り、アルマの瞳には何かが映り込む。目を凝らしていたアルマが目を見開いていくところで、『アンダン〜時を超える者〜』のシーズン1は幕を閉じる。

果たして、父・ジェイコブは戻ってきたのか。だが、このシーンでは妹は既に車に戻っており、ジェイコブが現れたとしても“証人”となる人間はいない。ジェイコブは過去を変えることができたのか、そもそもアルマが見てきた世界は現実だったのか、様々な疑問を残したまま、『アンダン』は物語を閉じてしまうのだ。

シーズン2はある?

海外ではSNSを中心に『アンダン〜時を超える者〜』のシーズン2製作を求める声があがっている。だがそれは、「ストーリーの続きを」という声ではなく、どちらかと言うと、『アンダン』という作品の持つ独特の世界観やキャラクターに魅了された人々の声が多い。ファンは、世間に対して擦れていて、思ったことをなんでも言ってしまうアルマを主人公にした作品が観たいのだ。

シーズン2は不要?

裏を返せば『アンダン〜時を超える者〜』のストーリー上は、続編は不要だとも言える。クリフハンガー (エンディングを次回作につなげる手法) が多用される昨今、結末を視聴者の想像力に委ねるという物語の閉じ方は、『アンダン』らしいものでもある。無理にシーズン2を作る姿勢は、現実社会に対して懐疑的でひねくれた目を向ける『アンダン』の作品性にはそぐわないだろう。

商業上の事情も?

同じAmazonオリジナル作品で異例の大ヒットを記録したドラマ『ザ・ボーイズ』は、シーズン1配信前からシーズン2の製作が決定していた。『アンダン〜時を超える者〜』はシーズン2についてのアナウンスはなく、このまま1シーズンのみの公開となる可能性もある。同作は非常に手間とコストのかかる作業を経て製作されているため、かなりのヒットを記録しなければロトスコープ制作での継続は難しいかもしれない。そうした商業上の事情も考慮する必要があるだろう。

一新して再出発?

一方で、ストーリーは全て一新し、主人公も変更、同じコンセプトのまま、ロトスコープアニメーションで、『アンダン〜時を超える者〜』のシーズン2を製作するという道も考えられる。シーズン1では、冷笑的で聴覚障がいを持つメキシコ系アメリカ人の若い女性という属性の主人公が中心に据えられたが、様々な属性の主人公が同じ体験をしていく中で、共通のメッセージを発していくこともできるだろう。
だが、アルマを演じたローサ・サラザールの演技力には特別なものがある。彼女以上の力を持つキャストを据えられるかどうかも、シーズン2製作のポイントとなりそうだ。

様々な考察と期待が寄せられている『アンダン〜時を超える者〜』シーズン1は、Amazonプライムビデオで配信中。シーズン2製作に関する今後の動向にも注目しよう。

追記:2019年11月、『アンダン』シーズン2の製作が決定した。

VG+編集部

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