『君たちはどう生きるか』パンフレット発売
2023年7月14日(金)に劇場公開されたスタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』より、公開から約1ヶ月が経過した8月11日(金)に劇場パンフレットが発売された。『風立ちぬ』(2013)以来、宮﨑駿監督作品としては10年ぶりの新作となる本作は大きな注目を集め、公開前にほとんどの情報を公開しないという宣伝手法を取った結果、公開から4周目で興行収入50億円突破のヒットを記録している。
今回発売された『君たちはどう生きるか』の劇場パンフレットには、宮﨑駿監督による「長編企画覚書」を収録。『風立ちぬ』公開の3年後にあたる2016年7月1日に書かれた覚書には、3年の歳月をかけて2019年公開の長編映画制作を目指していたことが明かされている。『君たちはどう生きるか』は、実際にはコロナ禍を経て2023年7月に公開されることになり、7年の月日を要したことになる。
「長編企画覚書」の中でも注目は、宮﨑駿監督が1988年に公開された映画『となりのトトロ』の続編制作を視野に入れていたことだ。覚書には「『トトロⅡ』は可能か?」という記述があり、宮﨑駿監督が『となりのトトロ』を「平和な映画」と捉えていることも明かされている。
一方で、もう一つの構想は「戦時下を舞台にした映画」とされている。こちらのアイデアが『君たちはどう生きるのか』の土台になったのだろうか。『君たちはどう生きるか』は、戦時下の日本が舞台になっている。
映画『となりのトトロ』は、1988年に高畑勲監督の『火垂るの墓』と同時上映された作品。公開当初の興行成績こそ振るわなかったが、後に「金曜ロードショー」での放送で人気を集めると、ぬいぐるみを含むグッズは大ヒット。1990年代からは、トトロはスタジオジブリのシンボルマークになっている。
そもそもスタジオジブリは、長編映画の続編が作られないことで知られる。それが直接的な続編なのか、トトロの精神を引き継いだものなのかは不明だが、宮﨑駿監督の中で過去作をもう一度ようという考えがあったことは意外でもある。
一方で、2008年に放送されたNHK「プロフェッショナルの流儀」では、宮﨑駿は登場人物たちは自身の頭の中で歳を重ねていると話していた。また、長編ではないが、『となりのトトロ』の後日談的な作品として短編映画「めいとこねこバス」が三鷹の森ジブリ美術館で2002年より公開されている。こちらは宮﨑駿監督自身が手がけたもので、やはり『トトロ』の続編を作りたいという思いは同監督の中に残っているのかもしれない。
『AERA 2023年8月14-21日合併号』では、プロデューサーの鈴木敏夫は宮﨑駿監督の次回作について「ヒットしたら、あるんじゃないですか(笑)」と語っている。世界は「平和」からは程遠い状況になりつつあるが、宮﨑駿監督は『となりのトトロ』のような「平和な映画」を再び作ることになるのだろうか。今後の動向に注目しよう。
『君たちはどう生きるか』のパンフレットは発売中。
8月11日(金・祝)
各上映劇場 https://t.co/l8NYBOmZjb
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TOHO animation STORE https://t.co/XsGAevdFLM pic.twitter.com/L7CtY1RYbM— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) August 7, 2023
映画『君たちはどう生きるか』は全国の劇場で公開中。
久石譲が手がけた映画『君たちはどう生きるか』のサントラは発売中。
米津玄師の主題歌「地球儀」は160頁の写真集が付いた初回版が発売中。
吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』は岩波文庫から発売中。
吉野源三郎原作、羽賀翔一イラストの漫画『君たちはどう生きるか』はマガジンハウスから発売中。
【ネタバレ注意!】『君たちはどう生きるか』のネタバレ解説&感想はこちらの記事で。
『君たちはどう生きるか』のもう一つのメッセージについて論じたネタバレ感想はこちらの記事で。
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