『君たちはどう生きるか』海外の評価は?
スタジオジブリの、そして宮﨑駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』が日本で2023年7月14日より公開され、米国でも12月8日から公開される。9月8日(金)〜9月17日(日)開催のトロント国際映画祭では、『君たちはどう生きるか』が上映され、米映画レビューサイトのRotten Tomatoesには批評家によるレビューが登場。驚きの結果を叩き出している。
Rptten Tomatoesでは28名の批評家がレビューを投稿。なんとその全員が100%の高評価レビューを投稿する結果となった。日本では事前の情報がほとんどない状態で公開され、観客からは賛否両論の評価が出た『君たちはどう生きるか』。海外の批評家からは高い評価を受けているようだ。
レビューを投稿したSiddhant Adlakhaは、「『君たちはどう生きるか』では、「何を」だけでなく「なぜ」を読み解く必要がある」とした上で、「本作は死を静かに受容することと実存的な不安による混沌を、真っすぐ理解しようとすることを拒むおとぎ話に落とし込んでいるが、キャリアの晩年にある巨匠ならではの優しい心、ソウル、そして明晰なビジョンによって駆動させている」と称賛している。
Reuben Baron は、「すべての宮﨑映画がここに」と題したレビューを投稿。「年老いた人は次の世代に何を求めるのが正しいのかという問いかけをテーマにしていると見ることもできる」とした。その上で、「本作はスタジオジブリの創造性を讃えるものでありながら、その全てがすぐに失われてしまうかもしれないということに恐れを抱いていない」と、創作に対する姿勢を評価している。
Brian Tallerico は本作で宮﨑駿が「若い頃にインスパイアされたもの(自伝的な詳細)と、この40年にわたって人々をどのようにインスパイアしたかったかとの間に明確な線引きを行なっている」とした上で、「『君たちはどう生きるか』にはナラティブ的にも解き明かすべきことはたくさんあるが、最後に触れておきたいのはシンプルにゴージャスだということだ。映画の中盤で世界を横断する時、それは宮崎の最も印象的なビジョンの一つになる。まるで偉大なクリエイターの一人の夢が現実になったかのようだ」と絶賛している。
英語圏ではトロント国際映画祭に先駆けて予告編が公開されていたり、すでに日本での評価が出ていたりなど、日本の観客とは違う形で『君たちはどう生きるか』に触れていることは事実だ。それを鑑みても、Rotten Tomatoesで100%デビューというのは見事な数字である。
もちろん、批評家と観客の評価に差が出るのはよくあること。英語圏の批評家には高い評価を受けている『君たちはどう生きるか』。英語圏のオーディエンスにはどのように受け止められるのか、その点も注目していこう。
映画『君たちはどう生きるか』は全国の劇場で公開中。
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