『ジャスティス・リーグ』自殺防止キャンペーンに多額の寄付集まる ファンがザック・スナイダー監督に「世界は一人じゃ救えない」【スナイダー・カット】 | VG+ (バゴプラ)

『ジャスティス・リーグ』自殺防止キャンペーンに多額の寄付集まる ファンがザック・スナイダー監督に「世界は一人じゃ救えない」【スナイダー・カット】

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『ジャスティス・リーグ』自殺防止キャンペーンに注目

映画『ウォッチメン』(2009)、『マン・オブ・スティール』(2013)などの監督として知られるザック・スナイダー監督。監督を務めていた『ジャスティス・リーグ』(2017)では、追加撮影中に娘の自殺を理由として、製作として携わっていた妻のデボラ・スナイダーと共に降板した。
そして公開から2年の時を経て、今、その『ジャスティス・リーグ』を中心とした自殺防止キャンペーンにファンから多額の寄付が集まっている。その額は15万ドル(1,650万円)以上。一体何が起きているのだろうか。

『ジャスティス・リーグ』に“スナイダー・カット”が存在

ザック・スナイダー監督の降板後、『ジャスティス・リーグ』はジョス・ウェドン監督が引き継いで完成させた。だが、ザック・スナイダー監督版の『ジャスティス・リーグ』は演出・脚本の内容が異なり、公開されたものよりも約1時間半長い3時間34分であることを監督本人が明かしている。インスタグラムなどで『ジャスティス・リーグ』の“スナイダー・カット”が存在することを認めていたのだ。

ファンは『ジャスティス・リーグ』のオリジナル版とも言えるスナイダー・カットを公開するよう求めている。だが、ワーナー・ブラザースが更なる製作費を投入してスナイダー・カットを完成させることのハードルは高い。
そこで立ち上がったのが #ReleaseTheSnyderCut キャンペーンだ。ファンが草の根でスナイダー・カットの公開を呼びかけ始めたのだ。 #ReleaseTheSnyderCut には、『アクアマン』(2018)で主演を務めたジェイソン・モモアも賛同人として名前を連ねている。

チャリティに多額の寄付

ザック・スナイダー監督の『ジャスティス・リーグ』降板の理由が娘の自殺だったという事情を踏まえ、#ReleaseTheSnyderCut は2019年1月からAFSP (全米自殺防止財団) への寄付キャンペーンを展開。中でも、ザック・スナイダー監督による『ジャスティス・リーグ』のオリジナルコンセプトを図にしたTシャツの販売によって、8万5,000ドルが集められた。最終的には #ReleaseTheSnyderCut によって15万6,613ドルがAFSPに収められたことが発表されている。

この結果を受け、ザック・スナイダー監督は驚きを伝えるツイートを投稿。

このような素晴らしい動機のもとに、ファンの皆さんが意識を持ち資金を捻出してくれたことは驚くべきことです。

このツイートに、ファンの一人は「You can’t save the world alone boss! (ボス、世界は一人じゃ救えません!」とコメント。スナイダー・カットが公開されなかったとしても、自殺防止への貢献と、単に欲しいものを要求するだけではないファンの思慮深い行動は記憶されるだろう。

スナイダー夫妻が娘の自殺によって『ジャスティス・リーグ』を離れざるを得なかったという悲劇、自殺防止に対する関心の高まり、スナイダー・カットが観たいというファン心理、それぞれが絡み合い、一つのうねりを生み出そうとしている。

ザック・スナイダー監督は、2020年6月に公開されるDCEU最新作『ワンダーウーマン 1984』に製作として携わっている。

また、ザック・スナイダー監督が『ジャスティス・リーグ』以来初めて指揮をとり、真田広之も出演するNetflixオリジナル映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』が2020年に公開される予定だ。

映画『ジャスティス・リーグ』はDVD&Blu-rayが発売中。

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VG+編集部

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