『三体』のリュウ・ジキン/劉慈欣、ブランダイス大学卒業式で表彰「世界中の読者を鼓舞」

via: Brandeis University

米大学がリュウ・ジキンに賛辞

日本でも“卒業式”が話題に

米時間の2019年5月19日(日)、全米各地で大学の卒業式が開催された。ジョージア州アトランタのモアハウスカレッジでは、実業家のロバート・スミスが卒業生全員の学生ローンを肩代わりすることを発表し話題を呼んでいる。モアハウス・カレッジは全米で有数の黒人大学で、ロバート・スミスは同大学から名誉博士号を受けるために登壇していた。

リュウ・ジキンに名誉博士号

同じ頃、全米で有数のユダヤ系大学であるブランダイス大学から名誉博士号を授与されたのは、中国のSF作家リュウ・ジキン (劉慈欣) だ。長編小説『三体』でアジア初のSF最高賞・ヒューゴー賞を受賞した人物であり、中国史上第2位の興行収入を記録し、Netflixで全世界配信された映画『流転の地球』の原作者でもある。

リュウ・ジキンに贈られた祝辞全文

学問の世界は、SF作家の働きをどう評価したのだろうか。マサチューセッツ州のブランダイス大学で開催された卒業式に招かれたリュウ・ジキンは、表彰に際して、ロナルド・リーボウィッツ学長から以下のように祝辞を伝えられた。

あなたの作品は、一つの惑星に止まらず、何光年にも渡り、太陽系を超えて、そして私たちの知見をも超える“想像力”を証明しました。
それは、解決できないことを解決し、不可能なことを可能にするクリエイティブさを祝福するものです。

あなたは、『流転の地球』で「地球は生き延びるために太陽を捨てなければいけない」と書くことで、また、『三体』において人類が必ず解決しなければならない問題を描くことで、“明日” 現実になるかもしれない状況について、“今日” 想いを馳せるよう、読者たちを駆り立てました。
思い込みが誤りであると分かり、新たな事実が突如として明らかになった時に、一体何が起こるのか——思考を巡らせるよう世界中の読者を鼓舞したのです。

人類が自分たちで地球を引っ張って動かすことなど、想像もできませんでした。更なる目覚めの時が訪れれば、あなたの驚異のサイエンス・フィクションが人々を満たすことになるでしょう。

あなたにこのブランデン大学最高の栄誉を贈ることで、その壮大な想像力と、あなたが創り上げた世界、そしてこの地球上のコミュニティへの貢献に、敬意を表します。

おめでとうございます。

ロナルド・リーボウィッツ学長

人々の想像力を喚起

以上のように、SF作品を通じて世界中の人々の想像力を喚起したことが評価されている。リュウ・ジキンは、2018年にもアーサー・C・クラーク賞の“イマジネーション・アワード”を受賞。この授賞式においては「集団的な想像力を発展に導いている」と評されていた。

卒業生の学生ローンを肩代わりすると発表し、若者が現実に抱える問題に取り組んだ実業家のロバート・スミスも立派だ。一方でリュウ・ジキンは、人々が想像だにしなかった物語を描き出すことで、人々の想像力を育み、その内面を磨き続けている。

リュウ・ジキン (劉慈欣) の代表作にして中国SFの最高傑作『三体』の日本語訳は、早川書房より2019年7月4日 (木) 発売予定。

Source
Brandeis University

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