『SFG Vol.05』は宇宙特集!
若手の若手による若手のためのSF同人誌「SFG」の最新号『SFG Vol.05』が5月21日(日) 文学フリマ東京で頒布を開始する。
『SFG Vol.05』は、SFの王道「宇宙」特集! 宇宙SFで知られるSF作家の林譲治さんと春暮康一さんによる対談インタビューや、宇宙SF作品の紹介などが掲載されている。また、大森望さんの〈SFの流儀〉や『誰何Suika』を連載中の漫画家・つばなさんへのインタビューなど、特集以外のコンテンツも充実している。
SFの流儀は大森望さん。SF界で何十年にもわたって活動を続けてきた大森さんに、ご自身のSF観をお聞きしました
大森さんにとっての「SF」は何かという答えは、どんなSFファンも勇気をもらえることでしょう
こちらもVG+さん(.@vagopla)との共同企画!https://t.co/AaR7hQ2kgW#文学フリマ東京 pic.twitter.com/EidnxRa7PY— SFG@文フリ東京36 I-03,04 (@SFGeneration) May 17, 2023
文学フリマ東京は5月21日(日)12時から17時、東京流通センター 第一・第二展示場で開催。『SFG Vol.5』はSF文学振興会のブース【I-03,04】で頒布される。
オンラインSF誌Kaguya Planet × SFG
『SFG Vol.05』には、オンラインSF誌Kaguya PlanetとSFGによるコラボのコンテンツが三つ掲載される。一つは谷脇栗太さんともといもとさんによる、共通のお題をもとに執筆したSF短編小説。二つ目は大森望さんへのインタビュー。そして三つ目が林譲治さんと春暮康一さんによる対談インタビューだ。
共通のお題をもとにした小説
Kaguya PlanetとSFGで開催した小説のコラボ企画は、谷脇栗太さんともといもとさんによる「共通のお題で小説を書く」だ。「ヤギ・野営・落下するしましま」という三つのお題をもとに、二人がそれぞれSF短編小説を執筆。もといもと 「ギュゲスの翅」が『SFG vol.5』に、谷脇栗太「くちなし山の天狗様」がKaguya Planetに掲載されている。
もといもとさんはwebディレクター兼ボドゲクリエイター。「不確定要素」を追加しながら、箱の中の「ねこ」を観測しあう新感覚のカードバトル「シュレーディンガーのねこ」などを制作している。2021年、第二回かぐやSFコンテストで子供時代の思い出を描いた「黄金蝉の恐怖」が最終候補作品に選出され、その後、2021年にオンラインSF誌Kaguya Planetに「境界の街〜僕らの極秘計画〜」を寄稿。
2022年にはSF短編小説「静かな隣人」を井上彼方編『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』(Kaguya Books)に寄稿。どの作品も生物への愛に溢れており、「ギュゲスの翅」でもそれが遺憾なく発揮されている。
谷脇栗太さんは、大阪にあるリトルプレス/インディーズ出版物の販売所 兼 ギャラリー〈犬と街灯〉の店主。イラストレーター、デザイナー、作家として様々な創作活動を行なっており、短編集『ペテロと犬たち』を発行している。
店主が4年くらい書きためてきた短いお話から春夏秋冬それぞれ8篇、合計32篇を選んで本にしました。
ペテロと犬たち/谷脇栗太 https://t.co/BFWh9lsH0z— 犬と街灯 (@inutogaito) November 25, 2022
「SFの流儀」に大森望
これまでに柴田勝家、藤井太洋、小川一水、小川哲、宮内悠介が登場したSFGの名物企画「SFの流儀」には、書評家・SF翻訳家・SFアンソロジストの大森望さんが登場。これまで数多のSF小説を世に紹介し、翻訳を手掛け、アンソロジーを編み、SF界のスポークスパーソンとしての役割も果たしてきた大森さんがご自身のSF観を語っている。
大森さんへのインタビューはKaguya PlanetとSFGが共同で実施。Kaguya Planetのパートの聞き手は井上彼方さんで、現在無料で公開している。こちらでは、近年のSF短編小説の盛り上がりや今後の課題、SFアンソロジーを作る楽しさや苦労、そして大森望ゲンロンSF創作講座の強みや今後やりたい講座のことなど、大森さんとSF短編小説にまつわる様々なことを聞いている。
対談インタビュー 林譲治 × 春暮康一
林譲治さんは1999年に「SFマガジン」に掲載された短編小説「エウロパの龍」でデビュー。《星系出雲の兵站》全9巻で第41回日本SF大賞、第52回星雲賞日本長編部門を受賞した人気SF作家で、多くのミリタリー宇宙SFを執筆してきた。春暮康一さんは第7回ハヤカワSFコンテストで優秀賞を受賞した『オーラリメイカー』で2019年にデビュー。2022年に刊行された第二作目『法治の獣』には、地球外生命を描いた傑作中編SF小説「法治の獣」が収録されており「SFが読みたい!」の国内篇ベスト1位に選ばれた。
『SFG』とKaguya Planetでは共同で、二人の対談インタビューを実施。『SFG vol.5』に掲載しているパートでは、宇宙特集の一環として、林さんの宇宙での船団運営の考え方や、春暮さんの考える宇宙人の進化過程の話などをしている。Kaguya Planetのパートでは、作家として異なるキャリアを歩んできた二人に、デビューまでの道のりや、第二作目を出すまでの経緯等について聞いている。Kaguya Planetのパートは5月20日に会員向けに先行公開を開始する。
5月21日(日) の文学フリマ東京36以降には、BOOTHでの通販も予定されている。SFファンはもちろん、これからSF小説を読みたいけど何を読んでいいかわからない!というにもSF作品の入門書としておすすめの『SFG vol.5』、ぜひチェックされたい。