万国博覧会-”人類の進歩と調和”に至るまで-」開催中
1970年に日本で初めて開催された国際博覧会となった日本万国博覧会、通称・大阪万博。SF作家の小松左京が重要な役割を果たしたことは、広く知られている。小松左京は、梅棹忠夫、加藤秀俊らと共に自主的に「万国博を考える会」を結成し、基本理念の草案を作成。この草案をもとに「人類の進歩と調和」が大阪万博のテーマとして掲げられた。
大阪の吹田市立博物館では、秋の特別展 「万国博覧会-“人類の進歩と調和”に至るまで」が開催されている。「万国博を考える会」から生まれた「人類の進歩と調和」というテーマは、「不調和を伴う進歩」ではなく「調和的進歩」への転換を示していた。一方で、それまでの万博では、1958年のブリュッセル万博でベルギー領コンゴの人々を見世物的に「展示」したことで批判を浴びるなど、万博でテーマが重視されるようになるには一定の経緯が存在していた。
吹田市立博物館の企画展 「万国博覧会-“人類の進歩と調和”に至るまで」では、大阪万博の「人類の進歩と調和」に至るまで、万博においてテーマがどのように扱われてきたのかを紹介している。更にこの企画展では、小松左京の遺品から発見された「万国博を考える会」の資料も展示。また、ウェブ上でも資料の画像が閲覧できる「バーチャル展示室」が公開されている。バーチャル展示室では、オンライン講演会や講座、シンポジウムの様子も動画で公開されているので、こちらも要チェックだ。
「万国博覧会-“人類の進歩と調和”に至るまで」バーチャル展示
展示の目玉でもある「万国博を考える会」の資料では、会合の議事録やテーマ展示の基本設計などが展示されており、非公式のブレインだった「万博博を考える会」が、どれだけ大阪万博に真剣に向き合い、重要な役割を担っていたのかが分かる貴重な資料となっている。なお、これらの資料を提供した小松左京ライブラリのウェブサイトでは、展示資料の詳細解説を読むことができる。
「万国博覧会-“人類の進歩と調和”に至るまで-」
会 期:2020年10月3日(土)〜11月29日(日)
時 間:午前10時〜午後5時
※感染により重症化しやすい方々の入館時間を分けています。
観覧料:一般200円、高・大学生100円、小・中学生50円
場 所:吹田市立博物館3階特別展示室 アクセスバーチャル特別展示室