SF作家ケン・リュウが仮想通貨イベントに登場
ビットコイン開発者と対談
『もののあはれ』(2017)、『生まれ変わり』(2019) などで知られるSF作家のケン・リュウが、世界最大規模の仮想通貨イベント、“コンセンサス2019 (Consensus 2019)” に登場することがわかった。ケン・リュウは、ビットコイン (BTC) の開発者であるジミー・ソンと対談する予定で、テーマは「科学とフィクション (Science and Fiction)」となっている。この対談はイベントの「基調対談」に位置付けられており、仮想通貨とブロックチェーンの未来を示してくれる対談となりそうだ。
CONSTRUCT KEYNOTE ANNOUNCEMENT: Science and Fiction
Bitcoin core developer @jimmysong will join a conversation with novelist @kyliu99 on science-fiction, cryptocurrencies, and ways to think about the future.Register for #Consensus2019: https://t.co/KOCXkBYFKb pic.twitter.com/IFo5VEWneh
— CoinDesk (@coindesk) 2019年3月29日
テクノロジーとSF
SF作家とブロックチェーン開発者という組み合わせの対談だが、ケン・リュウ自身もかつてはプログラマーで、マイクロソフトに勤めていたこともある。2018年9月に中国で開催された“科学リテラシー世界会議”では、日本から参加した藤井太洋を含め、多くのSF作家が招かれた。テクノロジーとSFは切っても切れない縁で繋がれているのだ。
SFとブロックチェーン
ケン・リュウは、2018年12月に、ブロックチェーンをテーマにした短編小説『ザ・トラストレス』を米WIREDで公開している。今回の“コンセンサス2019”への参加も、ブロックチェーン技術に対する彼の意識の現れだと考えていいだろう。
SFとブロックチェーンという文脈では、藤井太洋が『アンダーグラウンド・マーケット』(2015) で、『ハロー・ワールド』(2018) で仮想通貨を扱っている。『ハロー・ワールド』は、第40回吉川英治文学新人賞を受賞している。
5年目を迎える“コンセンサス”
仮想通貨イベントの“コンセンサス”は、仮想通貨メディアのコインデスクが2015年から毎年開催している大型仮想通貨イベント。“コンセンサス2018”では、ラッパーのスヌープ・ドッグが登場し大きな話題となった。また、同年にはブロックチェーンスタートアップのCivicが、ブロックチェーンを利用した年齢確認機能を搭載したビールの自販機を展示、2019年3月に実際に試験運用を開始している。“コンセンサス2019”の入場料は通常チケットで$1,600 (約17万6,000円) と高額だが、学生や技術者、スタートアップには割引料金が適応される。2018年には、同イベントに8,500名以上が参加した。
話題に事欠かないケン・リュウ
ケン・リュウは、Netflixオリジナルの短編アニメアンソロジー『ラブ、デス&ロボット』にて、星雲賞を受賞した短編小説「良い狩りを」がアニメ化されたばかり。北米ではケン・リュウ編訳の中国SFアンソロジー『Broken Stars』が2019年2月に発売され、日本でも同月、早川書房から最新短編集の『生まれ変わり』が発売されている。
話題に事欠かないケン・リュウだが、ビットコイン開発者とどのような議論を交わすのか、今から楽しみだ。