中国で“科学リテラシー世界会議”が開催——SFが果たす重要な役割とは

via: WCSL 2018, All rights reserved by China Association for Science and Technology

北京で“科学リテラシー世界会議”が開催

中国と国連のトップからも祝電

2018年9月17日から19日にかけて、中国・北京にて科学リテラシー世界会議 (World Conference on Science Literacy)が開催された。設立から60年の歴史を持つ中国科学技術協会 (China Association for Science and Technology)が主催したカンファレンスで、テーマは「シェアされた、より良い未来の為の科学リテラシー」。開会式では、習近平国家主席からの手紙が読み上げられた他、国連事務総長のアントニオ・グテーレスから祝電も届いたという。公式サイトによると、1,500人以上の科学者が参加。国際色豊かなゲストが登壇し、科学技術とリテラシー、そして未来について考える貴重な場となったようだ。

日本からは藤井太洋が参加

日本からは、日本SF作家クラブ前会長 (9月22日より林譲治が新会長に就任) の藤井太洋が参加。本人がツイッターで現地の状況をレポートしてくれているが、日本からの登壇者は自身を含めて二人のみだったということだ。一方で、ヒューゴー賞受賞者のリュウ・ジキンやロバート・J・ソウヤーなど、SF界からも豪華な面々がこのカンファレンスに参加したことが窺える。

中国が力を入れる科学と文学

香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙も、今回のカンファレンスを取り上げ、SFが果たす役割について触れている。中国では、昨年から小学校の必修科目として“科学”の授業を取り入れ、大学入試試験に情報技術 (IT) とコーディングを試験導入するなど、科学教育に力を入れている。同紙によると、アジア人で初めてヒューゴー賞長編小説部門を受賞したリュウ・ジキンは、SFが人々にもたらす想像力は、中国の科学技術の発展に寄与できると考えている。その一方で、「教育と、科学に対するリテラシーなくしては、文学がイノベーションに影響を与えることはできない」という一文を付け加えることも忘れていない。

中国のSF雑誌「科幻世界」誌の概算によると、中国国内のSFファン人口は少なくとも8,000万人とされている。今回のカンファレンスにSF界からのゲストが数多く招かれたことは、中国という国が、科学技術と共にSFを大切にしていることの証左でもある。SFと現実が交差する時代、科学と文学の双方を大切にする姿勢に、日本は追随することができるだろうか。

Source
WCSL 2018 / 藤井 太洋, Taiyo Fujii Twitter

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