第56回ネビュラ賞発表! 長編部門はマーサ・ウェルズ「マーダーボット・ダイアリー」最新作、ゲーム部門は『Hades』 (受賞リスト掲載) | VG+ (バゴプラ)

第56回ネビュラ賞発表! 長編部門はマーサ・ウェルズ「マーダーボット・ダイアリー」最新作、ゲーム部門は『Hades』 (受賞リスト掲載)

SFWA

第56回ネビュラ賞受賞作発表

米時間の2021年6月5日(土)、SFWA (アメリカSFファンタジー作家協会) が第56回ネビュラ賞の受賞作品を発表した。ネビュラ賞はSFファンタジー関係者で構成されるSFWAの会員で選ぶSFファンタジーの最高賞の一つ。世界SF大会(ワールドコン)の参加者=SFファンタジーファンによって選ばれるヒューゴー賞と対になる賞である。

2020年に続き、今回も授賞式はオンラインで行われ、2018年に『宇宙【そら】へ』でネビュラ賞長編小説部門を受賞したSFWA会長のメアリ・ロビネット・コワルは冒頭の挨拶で、コロナ禍で作り出されたSFとファンタジーが人々の交流を生み出したことを強調した。

長編小説部門はマーサ・ウェルズ

第56回ネビュラ賞の長編小説部門を受賞したのはマーサ・ウェルズの『Network Effect』。同作は日本でも中原尚哉による翻訳で東京創元社から刊行された『マーダーボット・ダイアリー』のシリーズ最新作。マーサ・ウェルズは同じ「マーダーボット・ダイアリー」シリーズの「システムの危殆」(2017) でネビュラ賞中長編小説部門を受賞しており、今回が二度目のネビュラ賞受賞となる。長編小説部門では『The Death of the Necromancer』(1998) 以来となる二度目のノミネートだった。

2021年のヒューゴー賞では『Network Effect』が長編小説部門にノミネートされている他、シリーズ部門にも「マーダーボット・ダイアリー」がノミネートされている。日本でも中原尚哉訳の『マーダーボット・ダイアリー』が第七回日本翻訳大賞を受賞したばかり。ヒューゴー賞の結果にも注目が集まる。

中長編、中編、短編は…

中長編小説部門を受賞したのはP・ジェリ・クラークの「Ring Shout」。歴史学者のデクスター・ガブリエルとしての顔も持つP・ジェリ・クラークは、「The Secret Lives of the Nine Negro Teeth of George Washington」で第54回ネビュラ賞で短編小説部門を受賞しており、今回で二度目のネビュラ受賞となる。なお、「Ring Shout」はヒューゴー賞の中長編小説部門にもノミネートされている。

中編小説部門サラ・ピンスカーの「Two Truths and a Lie」が受賞。サラ・ピンスカーはネビュラ賞10度目のノミネートで三度目の受賞となる。中編小説部門の受賞は2016年発表の「Our Lady of the Open Road」に続き二度目。『A Song for a New Day』(2019) でネビュラ賞長編小説部門を受賞した昨年は、アメリカ黒人に対する警察の暴力に言及するスピーチを行った

なお、サラ・ピンスカーの翻訳は昨年ネビュラ賞長編小説部門を受賞した『A SONG FOR A NEW DAY』が村山美雪の翻訳で竹書房から2021年8月31日(火)に刊行される。発売を楽しみに待とう。

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短編小説部門ジョン・ウィズウェルの「Open House on Haunted Hill」が受賞。ジョン・ウィズウェルはライティングワークショップのバイアブル・パラダイス出身で、このワークショップはかつてN・L・ジェミシンがその才能を開花させた場所として知られる。10代からの付き合いである慢性的な病気の療養中に物語を書くようになったというジョン・ウィズウェルは、自らの障がいに触れながら感謝の言葉をツイートしている。

ゲーム部門に『Hades』

そして、小説部門と並ぶネビュラ賞のもう一つの部門であるゲームライティング部門に選ばれたのは、グレッグ・カサヴィンが脚本を手掛けたスーパージャイアント・ゲームの『Hades』。ギリシャ神話をモチーフにしたアクションゲームで、The Game Awards 2020でもゲーム・オブ・ザ・イヤーにノミネートされ、Steamでは98%という高評価を得ている。

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グレッグ・カサヴィンは受賞スピーチで名誉ある受賞に驚きを隠せない様子を見せていた。『Hades』は今年特設されたヒューゴー賞のゲーム部門にもノミネートされている。ゲーム史上初の“ダブルクラウン”もあり得る。なお、『Hades(ハデス)』の日本語版は、2021年6月24日(木)にNintendo Switchで発売される予定だ。

映像賞とヤングアダルト賞も発表

また、映像作品を対象にしたブラッドベリ賞には、Netflixドラマ『グッド・プレイス』(2016-2020) のシーズン4最終回「Whenever You’re Ready (邦題: いつでもどうぞ)」が選ばれた。ヤングアダルト作品に贈られるアンドレ・ノートン賞には、アーシュラ・ヴァーノン名義でネビュラ賞受賞経験もあるT. キングフィッシャーの『A Wizard’s Guide to Defensive Baking』が選ばれている。なお、T. キングフィッシャーの「Metal Like Blood in the Dark」は2021年のヒューゴー賞短編小説部門にノミネートされている。

各部門の受賞作品は以下の通り。

受賞作品一覧

長編小説部門

『Network Effect』 by マーサ・ウェルズ

中長編小説部門

「Ring Shout」 by P・ジェリ・クラーク

中編小説部門

「Two Truths and a Lie」 by サラ・ピンスカー

短編小説部門

「Open House on Haunted Hill」 by ジョン・ウィズウェル

ゲームライティング部門

『Hades』by グレッグ・カサヴィン (Supergiant)

ブラッドベリ賞 (映像作品)

『グッド・プレイス』「いつでもどうぞ」by マイケル・シュア

アンドレ・ノートン賞 (ヤングアダルト作品)

『A Wizard’s Guide to Defensive Baking』 by T. キングフィッシャー

 

第56回ネビュラ賞のノミネート作品はこちらから。

第55回ネビュラ賞の受賞作品はこちらの記事で。

2021年のヒューゴー賞ノミネート作品はこちらから。

VG+編集部

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