N・K・ジェミシン『第五の季節』が6月発売
2016年、2017年、そして2018年と、SF最高賞ヒューゴー賞の長編小説部門で史上初の三連覇を達成した「The Broken Earth」トリロジー。三部作で三年連続の同賞受賞という前代未聞、前人未到の偉業を成し遂げた。筆者のN・K・ジェミシンについては、以下の記事に詳しい。
その「The Broken Earth」トリロジーの第一弾として知られているのが、2020年6月12日(金)に東京創元社から日本語訳が発売される『第五の季節』だ。
“第五の季節”とは、数百年おきに訪れる“天変地異の季節”のことで、文明を破壊するほどの災禍が到来する。“ロガ”と呼ばれる能力者たちはこの天変地異を抑える能力を持っているが、その力ゆえに人々から恐れられ、虐げられている。小説『第五の季節』では、こうした背景のもと、新たな“第五の季節”の到来が描かれる。
N・K・ジェミシンが語る
“破滅SF”と銘打たれる『第五の季節』だが、作者のN・K・ジェミシンは、米PBSのインタビューでその内容について以下のように語っている。
人々は突然、食料が育たない場所で生き延びることを学ぶ必要に迫られます。何週間も何ヶ月も太陽を見ることはないのです。ですから、これは環境的な災禍と構造的な災禍を生き延びようとする人々の物語です。
また、『第五の季節』では“サバイバルのメカニズム”、災禍を理解し、生き延びるためのガイドとなるあるアイテムが重要な役割を果たすという。
『第五の季節』の英語版が出版されたのは2015年で、N・K・ジェミシンが上記のインタビューに答えたのは2019年9月のこと。奇しくも世界がコロナ禍に陥る中で同作の日本語版が発売されることになった。このタイミングで初めて『第五の季節』に触れられる日本語読者は、ある意味では幸運なのかもしれない。
N・K・ジェミシンの小説『第五の季節』の日本語版は東京創元社より2020年6月12日(金)に発売される。
『第五の季節』のあらすじは以下の記事から。
Source
PBS