短編集?オリジナル長編?『ロボコップ』?
短編作品のコンセプトアートを公開
『第9地区』(2009)、『エリジウム』(2013)などのSF作品で知られるニール・ブロムカンプ監督の動きが慌ただしくなっている。自身が設立したオーツ・スタジオ (Oats Studios) は、前作「God: City」の動画を投稿した9月21日以来、約2ヶ月ぶりにTwitterを更新。オーツ・スタジオが発売している短編集の第二弾の作品案として、ミリタリーものとファンタジーものを掛け合わせたコンセプトアートを公開した。
Oats Volume 2. Possible idea: Fantasy and the industrial military complex – art by @Dougblot pic.twitter.com/Q52ugGLx0K
— Oats Studios (@oatsstudios) 2018年11月28日
「Rakka」か、「Firebase」か…
これに続き、オーツ・スタジオは2017年に発表した短編作品、「Rakka」と「Firebase」について、Twitter上でアンケートを実施。「Rakka」は「エイリアン」シリーズへの出演で知られるシガニー・ウィーバーが主演を務めたエイリアン映画。「Firebase」はベトナム戦争にSFの要素を取り入れた作品で、両作品ともに「エイリアン」シリーズの影響を受けている。
Twitterでのアンケートでは、オーツ・スタジオは以下のように、ファンに意見をもとめた。
Which?
— Oats Studios (@oatsstudios) 2018年11月28日
「どっち?」……なんともシンプルなアンケートである。オーツがこのようなアンケートをとるのは、これが初めてではない。2018年1月には、ニール・ブロムカンプ監督自らがTwitterのアンケートで「単体作品(長編)と新作の短編映像、どっちのクラウドファンディングを実施すべき?」と問いかけ、「Firebase」の長編映画化へ向けたクラウドファンディングが実施されている。この時は目標額 (1億ドル=約113億円) を達成できず、この直後にブロムカンプ監督が『ロボコップ』最新作の『RoboCop Returns (原題)』を指揮することが発表された為、オーツ・ブランドの長編映画第一弾の話は白紙になったかに思われていた。
ファンによる投票結果は…
今回のアンケートに対し、ファンの回答は、48%が「Firebase」、52%が「Rakka」を支持するという結果に。オーツ・スタジオは「Rakkaの勝ち」とツイートしたが、ファンからは「どちらかを選ぶことはできない!」というコメントも多数寄せられている。
『ロボコップ』続編にも新情報
新たな短編集に人気短編の長編映画化、それに『ロボコップ』最新作……ニール・ブロムカンプ監督のプロジェクトが続々と動き出している。ブロムカンプ監督は、『ロボコップ』最新作の『RoboCop Returns』で、『ロボコップ』(1987)、『ロボコップ2』(1990)で主演を務めたピーター・ウェラーの再登板を希望していたが、先日、当のウェラーが出演しないことを決めたとの報道がなされた。何といってもウェラーはすでに71歳。カムバック断念は無理のない話だ。
作品の優先順位は?
配役は白紙に戻ったが、裏を返せば、『RoboCop Returns』のプロジェクトも着実に動いていると言える。
そんな中、ニール・ブロムカンプ監督はTwitterで話しかけてきたファンに、以下のように話している。
My @oatsstudios priority would be more Rakka and Firebase followed by Volume 2 of fresh stuff https://t.co/9ry86QTSHT
— Neill Blomkamp (@NeillBlomkamp) 2018年11月28日
僕のオーツ・スタジオが優先するのは、「Rakka」と「Firebase」で、そのあとに新作のVol.2だよ
by ニール・ブロムカンプ
ここでは”オーツ・スタジオの中では”という留保付きだが、やはり「Rakka」と「Firebase」に対する思い入れは強いようだ。ブロムカンプ監督はこれまでにも、『第9地区』や『チャッピー』(2015)など、自身の短編作品を土台にして長編ヒット作を生み出してきたのだ。
最も早くファンの手に届くのは、短編集第二弾か、オーツ初の長編作品か、それとも『ロボコップ』最新作か。多忙な中でも製作意欲を絶やさないニール・ブロムカンプ監督の最新作を、楽しみに待とう。