映画『ジョーカー』トーマス・ウェインは“トランプ過ぎて”俳優交代——「バットマンの父」を演じた歴代俳優は…?

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新たな「バットマンの父」誕生

トーマス・ウェイン役にブレット・カレン

「バットマン」シリーズの悪役・ジョーカーを主役に据えた映画『ジョーカー』が日米で同時公開された。1981年のゴッサムシティを舞台に、ジョーカーの誕生秘話が描かれる。『ジョーカー』は独立した映画作品ではあるが、「バットマン」シリーズのエッセンスを巧みに取り入れた作品でもある。同シリーズおなじみのキャラクターも複数登場する中、『ジョーカー』の公開時点で63歳の俳優 ブレット・カレンがバットマンことブルース・ウェインの父であるトーマス・ウェインを演じた。

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俳優の交代劇の意外な理由

ドラマ『TRUE DETECTIVE』(2014-)の撮影中にトッド・フィリップス監督から連絡を受けたというブレット・カレン。The Hollywood Reporterのインタビューでは、次の日にはミーティングも済ませたが、後に俳優でコメディアンでもあるアレック・ボールドウィンが『ジョーカー』でトーマス・ウェインを演じることが発表されたと語っている。

アレック・ボールドウィンといえば、『ミッション: インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)と『ミッション: インポッシブル/フォールアウト』(2018)でアラン・ハンリー長官役でおなじみ。米国ではショー番組の司会者としても人気が高く、ドナルド・トランプのモノマネが話題になったこともある。

 

だが、このアレック・ボールドウィンが『ジョーカー』への出演をキャンセル。ブレット・カレンによると、トーマス・ウェインがドナルド・トランプのようなキャラクターだと知ったボールドウィンが、出演を見合わせたのだとか。そこでトッド・フィリップス監督は「そもそも彼に演じてもらいたかった」とブレット・カレンのオファーを出すよう製作陣に依頼し、ブレット・カレンがトーマス・ウェインを演じることに決まったのだ。

トーマス・ウェインといえば、ゴッサム一の大富豪にして、街一番の実力者。ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』(2014-)では、トーマス・ウェインの死によって街全体のパワーバランスが崩れ、混沌に陥っていくゴッサムシティの様子が描かれた。ブレット・カレンも映画『ジョーカー』で堂々の演技を見せている。

歴代のトーマス・ウェインを振り返る

では、トーマス・ウェインというキャラクターは、これまでにどのような俳優達によって演じられてきたのだろうか。歴代実写化作品を振り返ってみよう。

“最初”のトーマス・ウェイン

実は、1966年から1968年にかけて放送されたドラマ版の『怪鳥人間バットマン』には、トーマス・ウェインは登場していない。トーマス・ウェインが実写化されたのは、ティム・バートン版『バットマン』(1989) が初めて。この時は、俳優のデイビット・バックストが演じているのだが、なんと彼はこの10年前に、『スーパーマン』(1978) にも出演している。それも、ビルをよじ登る泥棒の役だ。10年後には同じDC映画で大富豪、それも高潔なバットマンの父親役を演じることになろうとは、夢にも思わなかっただろう。

“真面目”なトーマス・ウェインたち

『バットマン・フォーエヴァー』(1995) では、テレビドラマ『新スター・トレック』(1987-1994)でロミュラン人の守衛役、映画『ジャッジメント・ナイト』(1993)で警察役を演じてきたマイケル・スクラントンがトーマス・ウェインを演じた。守衛、警察から、バットマンの父へ——よほど真面目な人柄だったのだろう。

クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」トリロジーでは、イギリス人俳優のライナス・ローチがトーマス・ウェインを演じた。ライナス・ローチは、『司祭』(1994)で主役のグレッグ神父役を務めた他、ドラマ『LAW & ORDER』(2008-2010)では、検事役を務めている。その他にも、飛行機の機長や大統領補佐官など、やはり真面目な役をこなしている。なお、ライナス・ローチがトーマス・ウェインを演じたのは40代前半の頃である。

近年のトーマス・ウェイン

ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』でトーマス・ウェインを演じたのは、1968年生まれの俳優グレーソン・マカッチ。マカッチは、『アルマゲドン』(1998) にも出演した二枚目俳優として知られているが、40代半ばでトーマス・ウェインというダンディな役柄を演じることになった。『GOTHAM/ゴッサム』ではトーマス・ウェインの死の真相を巡る物語が展開される為、重要な役どころとなっている。

トーマス・ウェインは、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016) にも登場。クレジットなしのカメオ出演という扱いではあるが、『スーパーナチュラル』(2005-)、『ウォーキング・デッド』(2016-)で知られるジェフリー・ディーン・モーガンが演じた。モーガンは、『ウォッチメン』(2009)でコメディアンことエドガー・ブレイクを演じており、DC映画への参加は二度目となった。

ブレット・カレンは二度目のバットマン作品

こうして歴代のトーマス・ウェインを振り返ってみると、63歳で『ジョーカー』に出演したブレット・カレンは、歴代最高齢のトーマス・ウェインであることが分かる。実はブレット・カレンは『ダークナイト ライジング』(2012) にも出演している。この時は議員の役を演じているが、『ジョーカー』のトーマス・ウェインも市議員という設定だ。これまで高潔さや秩序の象徴として描かれてきたトーマス・ウェインだが、ブレット・カレンは『ジョーカー』で全く新しいトーマス・ウェイン像を見せてくれている。

映画『ジョーカー』では、主役のジョーカー役をホアキン・フェニックスが演じる他、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、マーク・マロンらが出演している。
豪華キャストが “狂気の始まり”を描き出す映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)より、全国で公開。

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