『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』初ティーザー予告が公開
2019年に公開され、R指定作品としては史上初の世界興収10億ドルを突破した『ジョーカー』の続編、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が2024年10月に公開される。米国では10月4日(金)、日本では10月11日(金)に公開されることになっており、この秋最大の話題作として注目を集めている。
米ラスベガスで開催されているシネマコンに合わせ、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』のティーザー予告編が初公開された。ジョーカーことアーサー・フレックを再演するホアキン・フェニックスと、新たにハーレイ・クインことハーリーン・クインゼルを演じるレディ・ガガが、トッド・フィリップス監督の作り出した新しい世界観で躍動する姿を見せている。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の予告編の冒頭では、アーサーは前作『ジョーカー』のラストで逮捕された後の、投獄された状況に置かれているようだ。『ジョーカー』のラストは、アーサーが靴を血に濡らし、カウンセラーを殺害して逃亡したかのような演出で幕を閉じたが、あの映像自体がアーサーの妄想だったのだろうか。
また、アーサーが収容されている場所は「バットマン」シリーズに登場する精神病院のアーカム・アサイラムである可能性もある。予告編の後半には、「ホテル・アーカム」と書かれた看板も登場している。
予告編では、アーサーは演劇を観て、レディ・ガガ演じるハーレイ・クインと親睦を深めていっているようだ。一方で、前作では、親密になったかに思われたソフィーとの日々は全てアーサーの妄想だった。予告編で描かれている映像がどこまで事実なのかは判断に困るところだ。
また、アーサーが路上に出てジョーカーメイクをした人々から追いかけられる場面も見られる。アーサーが前作『ジョーカー』でテレビ放送中にとった凶行が、ゴッサムの人々に影響を与えることになったのだろう。このシーンが『ジョーカー』ラスト後の本当の出来事だとすれば、アーサーは続編で一度脱獄するか釈放されることになるようだ。
しかし、そのシーンを除けば、アーサーとハーレイが演劇を観ているシーンも含め、全てはアーカム・アサイラムで繰り広げられているストーリーだという可能性もある。アーカム・アサイラムは監獄ではなく巨大な精神病院であり、入院患者向けに様々な催し物があってもおかしくはない。
今作は『ジョーカー2』というタイトルではなく、「フォリ・ア・ドゥ」という副題が冠された。「フォリ・ア・ドゥ」はフランス語で同じ妄想が複数人に共有されることを意味する。このタイトルからして、ジョーカーとハーレイ・クインはそもそも出会ってすらいない……など様々な可能性が考えられる仕掛けになっている。
そして、以前から報じられていた通り、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の予告編では“音楽”の要素がフィーチャーされている。今回の予告編にはキャストが歌うシーンは含まれなかったが、レディ・ガガという“歌える”キャスティングはどう生かされるのだろうか。
また、レディ・ガガが演じるハーリーン・クインゼルは、これまでのシリーズのように精神科医のような出立ちではなく、アーサーと同じく患者のような姿をしている。ハーリーン・クインゼルもある程度、背景となるストーリーを経てこの場所にいるのだろうか。そうだとすればハーリーン・クインゼルのオリジンを描くスピンオフにも期待したいところだ。
2024年最注目作
前作『ジョーカー』は様々な議論を巻き起こし、日本でも興行収入50億円を突破する大ヒットを記録した。社会現象とも言える話題作となり、コミック原作の映画としては異例のアカデミー賞11部門ノミネート、2部門受賞の快挙を果たした。
トッド・フィリップ監督は『ジョーカー』に、社会における慈悲の欠落や経済格差というテーマを込めたと語っている。続編の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』では、ハーレイ・クインというもう一人の役者を迎え、どんなテーマが描かれることになるのだろうか。
そして、前作でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスと、『アリー/ スター誕生』(2018) でアカデミー賞主演女優賞ノミネート、歌曲賞を受賞したレディー・ガガが見せる化学反応にも注目しよう。
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は10月11日(金) 日本公開。
前作『ジョーカー』は4K ULTRA HD&ブルーレイセットが発売中。
ホアキン・フェニックスが語ったアーサーの幼少期についてはこちらから。
『ジョーカー』で流れた全曲の解説はこちらの記事で。