筋金入りのファンに向けたサプライズ
「ゴジラ」シリーズ70周年となる2024年に公開される『ゴジラxコング:新たな帝国』。以前よりアダム・ウィンガード監督が「もうこのゴジラとコングを切り離して考えることはできない」と語るなど、ゴジラとコングのエキサイティングなタッグバトルが描かれると語られてきた。アダム・ウィンガード監督は米Total Filmのインタビューで『ゴジラxコング:新たな帝国』には「昭和ゴジラ」シリーズのイースター・エッグが満載だと語った。
アダム・ウィンガード監督はこれまでの「ゴジラ」シリーズの素晴らしい点について聞かれた際、「ゴジラ」というキャラクターに対する多様な解釈が存在している点を挙げた。
ゴジラのすごいところは、東宝映画において、そのキャラクターが実にさまざまなトーンや解釈で存在してきたことです。
『ゴジラ』(1954)では水爆など核の恐怖、『シン・ゴジラ』(2016)では東日本大震災、『ゴジラ-1.0』(2023)では第二次世界大戦など、ゴジラはその時代の恐怖という世相を反映させてきた。そして恐怖の象徴である映画もあれば、正義の怪獣として登場する映画やコメディな怪獣として登場する映画もあるなど、その映画のトーンも多種多様だ。
アダム・ウィンガード監督は昭和後期の「ゴジラ」シリーズの多種多様な展開が好みであるとも続けて語った。そして、昭和後期の展開を今回の『ゴジラxコング:新たな帝国』の中にも落とし込んだとも語った。
私は全シリーズの大ファンで、昭和後期をいつもとても楽しんでいます。大きなアイデアがたくさんあり、大物キャラクターを使った壮大な楽しみがあります。『ゴジラxコング:新たな帝国』では、その壮大な伝統に敬意を表し、筋金入りのファンのためにイースター・エッグをいくつか用意しました。
昭和後期の「ゴジラ」シリーズに登場したキャラクターを活かしたサプライズやイースター・エッグとなれば、『ゴジラxコング:新たな帝国』で登場することが発表されたモンスター・ヴァースオリジナル怪獣のスカーキング以外に、東宝怪獣の登場が期待できる。
東宝怪獣の登場か?
東宝怪獣で昭和後期に登場したゴジラの有名な敵怪獣で、なおかつ「ゴジラ」シリーズのファンにとってサプライズとなるか、イースター・エッグとなる怪獣と言われるとその種類は絞られてくる。『ゴジラxコング:新たな帝国』は古代から続く人類と怪獣のつながりを描くため、古代文明と関わりのある怪獣が登場する可能性が高いと考察できる。
例えば『ゴジラ対メガロ』(1973)で登場したシートピア海底王国の守護神メガロの可能性もあり得る。予告映像で登場したカイリー・ホットル演じるジア以外滅んだはずの髑髏島の先住民イーウィス族だが、ジアの周りを先住民らしき人々が取り囲み、ジアが結晶の階段を上る場面が予告編に登場している。もしかすれば、これはシートピア海底王国の場面だと考察できる。
モンスター・ヴァースでは地球空洞説を採用しており、地底が怪獣の起源だとしている。更に『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)では海底に沈んだゴジラと交流を持っていた文明の都市が登場している。そのため、海底にも文明が存在し、そこから怪獣が登場する可能性も低くはない。また、『ゴジラxコング:新たな帝国』予告編では甲殻らしき爪が地面に刺さる場面もあるので、あの爪がメガロのドリル状の爪の可能性も考察できる。
また、もう一つ可能性があるとすれば昭和後期に初登場し、複数の作品に登場するなど人気を博した宇宙怪獣ガイガンだ。ガイガンはM宇宙ハンター星雲人が宇宙恐竜を改造した怪獣だ。両手の鎌が特徴的で、それが『ゴジラxコング:新たな帝国』の予告編で地面に刺さっていた爪の可能性も考察できる。
ガイガンはM宇宙ハンター星雲人が生み出した未来怪獣だが、『ゴジラ FINAL WARS』(2004)では1万2千年前、X星人が地球へ侵攻した時に先兵として送り込まれ、当時のモスラを倒し、古代文明を滅ぼした後にガイガンはミイラ化していた。そのため、古代文明と関わりのある怪獣であり、全シリーズが好きだと語るアダム・ウィンガード監督が登場させてもおかしくはないと考察できる。モンスター・ヴァースではギドラという宇宙怪獣の前例もある。
そのほかにもエビラ、クモンガ、カマキラスといった怪獣の可能性もある。これらの怪獣はモンスター・ヴァースの髑髏島で既に類似した怪獣が登場しており、満を持しての本人登場という可能性も0ではないと考察できる。どちらにしても、スカーキング以外の敵怪獣として東宝怪獣の登場に期待できるということだ。今後の『ゴジラxコング:新たなる帝国』の情報解禁に期待していきたい。
『ゴジラxコング:新たなる帝国』は2024年4月26日より全国劇場公開。
Source
Total Film
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