『デッドプール&ウルヴァリン』レディ・デッドプールとは誰だったのか
映画『デッドプール&ウルヴァリン』はMCU映画第36作目として公開されながらも、いかなる枠組みをも超えた驚きの内容と共に大ヒットを記録している。ライアン・レイノルズ演じるデッドプールとヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンがリードする本作は、まだまだ興行収入を伸ばしていく勢いだ。
『デッドプール&ウルヴァリン』の魅力の一つは、さまざまなキャラクターと俳優たちのカメオ出演だろう。中でも予告編で登場していたレディ・デッドプールは演じている俳優も含めて注目を集めていた。そして、公開初週末を終えた今、レディ・デッドプールを演じた俳優が同役を演じた経緯について明かしている。レディ・デッドプールというキャラクターの設定と共に見ていこう。
なお、以下の内容は映画『デッドプール&ウルヴァリン』の内容に関するネタバレを含むので、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『デッドプール&ウルヴァリン』の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
『デッドプール&ウルヴァリン』レディ・デッドプールは誰?
クライマックスで登場
映画『デッドプール&ウルヴァリン』では、予告映像の時点でレディ・デッドプールの登場が明かされており、その背後に控える様々な種類のデッドプールの登場も示唆されていた。様々なユニバースからやってきたデッドプール達は、原作コミックでは「デッドプール・コープス」と呼ばれており、原作の設定(後述)にならってレディ・デッドプールが率いる形で登場した。
『デッドプール&ウルヴァリン』のクライマックスで登場したレディ・デッドプールだが、その存在が示唆されたのは中盤でのこと。ドッグプールとマスクをしていないナイスプールが登場するシーンで、ナイスプールが「レディプールもいるよ。出産したばかりなのに体型が崩れてない」と話すのだ。
なぜレディ・デッドプールが虚無にいたのかは語られなかったが、レディ・デッドプールとデッドプール・コープスは後にカサンドラ・ノヴァがアース10005にやってきた後に登場。カサンドラがドクター・ストレンジのスリングリングで作ったポータルから登場すると、デッドプールと対峙している。デッドプール達とカサンドラの間で何らかの取引があることを示唆する展開だった。
レディ・デッドプールを演じたのは?
登場時間はわずかだったが存在感を示したレディ・プール。『デッドプール&ウルヴァリン』の映画公開まで演じる俳優は非公開だったが、エンドロールのクレジットではブレイク・ライヴリーが演じていたことが明らかになった。
ブレイク・ライヴリーはドラマ『ゴシップガール』(2007-2012) のセリーナ・ヴァンダーウッドセン役で知られる俳優だ。2011年に映画『グリーン・ランタン』でライアン・レイノルズと元恋人役で共演すると、2012年に結婚している。『デッドプール&ウルヴァリン』公開時点で36歳、二人の間には4人の子どもがいる。
4人目の子どもが生まれたのは2023年2月のことで、『デッドプール&ウルヴァリン』の撮影はブレイク・ライヴリーの出産直後に行われたと見られる。ナイスプールの「出産したばかりなのに体型が崩れてない」という発言は、現実の自分の妻であるブレイク・ライヴリーがレディ・プールを演じていることをメタ的に示唆していたのである。
また、『デッドプール&ウルヴァリン』の冒頭のシーンで、デッドプールが人体の骨の数について説明する時には、「『ゴシップガール』を観ると一本増えるけど」と下ネタを言っている。デッドプールを演じるライアン・レイノルズが自分の妻が出演していた作品を観ると興奮してしまうというネタなのだが、これもまた妻ブレイク・ライヴリー登場のヒントだったのだろう。
ちなみに元々『デッドプール&ウルヴァリン』にはレディ・デッドプール登場が噂されており、それを演じるのは歌手のテイラー・スウィフトが最有力とされていた。結果的にレディ・デッドプールを演じたのはブレイク・ライヴリーだったが、ブレイク・ライヴリーとライアン・レイノルズはテイラー・スウィフトとも交友があることで知られている。
『デッドプール&ウルヴァリン』出演の意外な背景
『デッドプール&ウルヴァリン』へのサプライズ出演を果たしたブレイク・ライヴリーは、米国での映画公開直後の2024年7月27日にInstagramを更新。『デッドプール&ウルヴァリン』出演の背景を綴っている。
投稿されたブレイク・ライヴリーのコメントによると、2010年に『グリーン・ランタン』でライアン・レイノルズと共演した時点で、ライアン・レイノルズはその後2016年に公開された映画『デッドプール』の構想を持っていたという。この時はタイカ・ワイティティの話の輪に入っており、「メタなヒーロー」をどのように観客に伝えられるかということをタイカ・ワイティティだけが理解していたとしている。
また、2枚目の投稿には、コミック版デッドプールの原作者であるロブ・ライフェルドの意外なエピソードが記載されている。ライフェルドは2010年に初めてレディ・デッドプールの素顔を描いたのだが、その際に『ゴシップガール』のブレイク・ライヴリーをモデルにしたと、2022年にライフェルド自身が明かしているのだ。
その文章の中には、「レディ・デッドプールが映画に登場するなら、ライヴリーさんにキャスティングについての発言権があることは確か」とも記されている。『デッドプール』の映画化を構想していた夫レイノルズとの出会いに、自分がモデルになったキャラクターの登場。運命のような展開に、ブレイク・ライヴリーは「宇宙は時々、魔法のようなユーモアセンスを見せる」と綴っている。
ちなみに『デッドプール&ウルヴァリン』のレディ・デッドプールの日本語吹き替えは朴璐美が担当している。朴璐美は『ゴシップガール』では、ジェシカ・ゾア演じるヴァネッサ・エイプラムズの吹き替えを担当した。
原作コミックのレディ・デッドプールは?
デッドプール・コープスのリーダー
原作コミックでのレディ・デッドプールの初登場は、2010年に発表された『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』の第7号。レディ・デッドプールがいるアース3010では、米国は独裁的なディストピアとなっており、デッドプールはこのユニバースでレディ・デッドプールと共に悪のキャプテン・アメリカであるジェネラル・アメリカを相手に戦った。
デッドプールはレディ・デッドプールに恋をするのだが、レディ・デッドプールはすでに反体制派のリーダーで元俳優のチャールズ・フェイという人物にゾッコンだった。レディ・デッドプールはチャールズ・フェイのボディガードを務めていたが、色々とあって様々なユニバースから集まったデッドプールで構成されるデッドプール・コープスのリーダーを務めることになる。
映画『デッドプール&ウルヴァリン』に登場したレディ・デッドプールはデッドプール・コープスを率いて現れたが、この展開は原作コミックを踏まえてのものだったのだ。コミックのレディ・デッドプールは、巨大なギャラクティプール(ギャラクタスのような見た目をしたデッドプール)と戦うデッドプール・コープスの中で、命を賭してギャラクティプールに戦いを挑む。
レディ・デッドプールの再登場はある?
もし、レディ・デッドプールのストーリーがMCUで深掘りされることになれば、ディストピアのアメリカで反体制組織の一員として戦うオリジンか、再びデッドプール・コープスを率いる作品になるだろう。『デッドプール&ウルヴァリン』のデッドプール・コープスはデッドプール相手に派遣されていたが、今度は映画『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップ(原題)』に登場するとされているギャラクタスのような、より大きな敵と戦うことになるかもしれない。
2027年5月公開を予定している「アベンジャーズ」シリーズの第6弾『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ(原題)』は、原作コミックにならってマルチバースからヒーローが集結すると見られている。そうなれば、『デッドプール&ウルヴァリン』で一応仲間になったデッドプールと共に、レディ・プールとデッドプール・コープスがMCUのメインユニバースであるアース616でアベンジャーズと戦う未来もあり得るだろう。
また、レディ・デッドプールとデッドプール・コープスがなぜ虚無に飛ばされたのかという経緯も気になるところだ。ドラマ『ロキ』(2021-) でも、様々なユニバースのロキが虚無に送られており、デッドプールとロキには共通するところもありそう。レディ・デッドプールがなぜカサンドラと協力関係にあったのかという点も気になる。今後のMCUでは、レディ・デッドプールをはじめとするデッドプール達の背景が深掘りされるのかどうかにも注目したい。
映画『デッドプール&ウルヴァリン』は全国の劇場で公開中。
原作コミックでデッドプールが歩んできた道をまとめて紹介! デッドプール30周年の歴史を振り返るムック本『デッドプール 30th Anniversary Book』は発売中。
『デッドプール&ウルヴァリン』のオリジナル・サウンドトラックは発売中。
『デッドプール』『デッドプール2』は2枚組のBlu-rayコレクションが発売中。
ダニエル・ウェイ&スティーブ・ディロンによるコミック『デッドプール VS. ウルヴァリン』は、吉川悠による邦訳版が発売中。
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