ネタバレ解説 MCUフェーズ5の時系列は?『キャプテン・アメリカ:BNW』『デアデビル:ボーン・アゲイン』の流れを考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説 MCUフェーズ5の時系列は?『キャプテン・アメリカ:BNW』『デアデビル:ボーン・アゲイン』の流れを考察

©️2025 Marvel

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』公開中

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が2025年2月14日(金) より公開されている。MCU映画としては第34弾にあたり、『デッドプール&ウルヴァリン』(2024) 以来となる新作だ。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』はドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) から繋がる新作で、2026年から公開を予定している「アベンジャーズ」の新作2作にも繋がる作品となっている。

5月2日(金) 公開の『サンダーボルツ*』はフェーズ5の映画としては最終作でもある。今回は、MCUにとっても重要な作品になる映画『キャプテン・アメリカ:BNW』と、3月5日(水) からの配信開始を控えているドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』、そしてこれまでのMCUフェーズ4とフェーズ5の作品についてネタバレありで時系列を整理していこう。

以下の内容は、『キャプテン・アメリカ:BNW』の結末および同作までのMCU作品のネタバレを含むのでご注意を。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』までのMCU作品の内容に関するネタバレを含みます。

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』時系列をネタバレ解説

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の時系列は?

MCUフェーズ5の映画作品は、量子世界が舞台になった『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023) から始まり、宇宙を舞台にした『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』『マーベルズ』(2023)、そして別ユニバースが舞台になった『デッドプール&ウルヴァリン』(2024) と、それほど時系列が重要にならない作品が続いていた。

一転して映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』では、ロスが新大統領に就任したり、『エターナルズ』(2022) で出現したティアマットがアダマンチウムの原産地になったり、ユニバースものらしく他作品と地続きの要素が数多く盛り込まれていた。

まず最初に、MCUのタイムラインにおける『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の時系列を確認しておこう。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の舞台は、2026年または2027年と考えられる。

ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) のクリエイターで、映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』でも共同脚本を手がけたマルコム・スペルマンは、本作の舞台をドラマから2年後と米In The Name Of Comicsで発言している。

ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は、サノスの指パッチンで消えていたサム・ウィルソンが現場復帰して半年後、2024年4月〜5月が舞台になっていた。その2年後ということは、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は2026年が舞台ということになる。

しかし、ロス大統領からサム・ウィルソンに送られたセレスティアル島国際サミットへの招待状には「April 16, 2027」と書かれている。つまり、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のメインの舞台はドラマの3年後にあたる2027年4月だということが分かる。

2027年4月は、これまでのMCU作品の時系列で最も未来にあたる(少なくとも明示されている範囲では)。これまで最も先の未来を舞台にした作品は2026年10-11月を舞台にした映画『マーベルズ』(2023) とドラマ『アガサ・オール・アロング』だった。『ブレイブ・ニュー・ワールド』の舞台となった2027年4月はどんな時期なのだろうか。

『キャプテン・アメリカ:BNW』までの出来事

ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』で2024年7月にサム・ウィルソンがキャプテン・アメリカになった後、サムは3年近くキャップとしての活動を続けていたと見られる。2024年には10月にティアマットがインド洋上に出現し、12月にはニューヨークでホークアイやスパイダーマンが戦闘を繰り広げた。

2025年3月にはロサンゼルスでシー・ハルクが出現し、5月にはマサチューセッツ州でワカンダ・タロカン・FBIが衝突、8月にはロサンゼルスにデアデビル出現、秋からはニュージャージーを中心にミズ・マーベルが活動を始めた。指パッチンを経て徐々にヒーロー達が各地で活動を始めているのだ。

2026年は映画『ソー:ラブ&サンダー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』『アントマン&ワスプ:クアントマニア』『ロキ』シーズン2の舞台だが、宇宙と量子世界とTVAが舞台になっているため、地球の出来事にはそれほど大きな関わりがない。後者2作については、征服者カーンが一旦退場してしまったので余計に他作品との繋がりが失われてしまった。

最も大きな出来事は、ドラマ『シークレット・インベージョン』(2023) で2026年11月にスクラル人による侵略計画が明らかになったことだ。当時の米国大統領リットソンは地球外で生まれた全ての種族を敵とみなす緊急法案を提出。演説でスクラル人に宣戦布告した。

大統領選の謎、答えは“消えた2年”?

一方で、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』本編の舞台が2027年だとすると、サディアス・ロスの大統領就任は『シークレット・インベージョン』と同じく2026年11月の出来事ということになる。

米国では大統領が辞任しても死去しても、継承順位の順に副大統領、下院議長、上院仮議長、国務長官が大統領に就任する。4年ごとに行われる大統領選のスケジュールが動かされることはなく、2024年11月の後は2028年11月に大統領選が行われるはずで、通常、2026年11月に大統領選は行われない。

サノスの指パッチンによるデシメーションやスクラル人による侵略計画が明らかになり、大統領選に関する憲法改正が行われたのだろうか。サノスの指パッチンは2018年4月のことで、現実世界ではドナルド・トランプ大統領の1期目にあたる。

トランプでなくても仮に当時の大統領が指パッチンで消えてしまった場合、2020年11月の大統領選まで2年を残して大統領の職を奪われることになる。5年後に戻ってきた大統領が“失われた2年間”の権利を主張し、世論的にもそれが受け入れられたとすれば……。MCUの世界で大統領選の時期に2年のズレが生じている理由にも説明がつけられるかもしれない。

ちなみに『シークレット・インベージョン』ではニック・フューリーがリットソン大統領を「一期で終わる大統領」と揶揄していた。少なくともリットソンが一期目であったことが分かるが、もしかするとリットソンは調整のタイミングで就任した2年限定の大統領で、フューリーはすぐに大統領が交代になることを踏まえてそう言っていたのかもしれない。

また、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の舞台が2027年だとすれば、『エターナルズ』で2024年10月にインド洋上にティアマットが出現してから2年半が経過したことになる。日本がアダマンチウムの精製に成功したとされているが、研究に取り組むには十分な時間があったと予想できる。

2025年3月を舞台にした『シー・ハルク:ザ・アトーニー』(2022) の第2話では、ウェブ記事の見出しに「なぜ洋上に巨人の像が現れたのか」という文字もあった。ティアマット出現から半年というタイミングでは未知の部分も多かったのだろう。

人口が復活し、アベンジャーズが姿を消してから4年。スクラル人による侵略にアダマンチウムをめぐる国際的な衝突が起き、大統領までハルク化するという混乱した世界で、キャプテン・アメリカはアベンジャーズ再建へ乗り出すのだ。

『デアデビル:ボーン・アゲイン』の時系列は?

『デアデビル』シーズン3の5年後?

次に2025年3月5日(水) より配信を開始するドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』の時系列を確認しておこう。『デアデビル:ボーン・アゲイン』は、Netflixで配信されたドラマ『デアデビル』(2015-2018) シーズン3の数年後が舞台になる。

Colliderによると、2024年12月に開催されたファン・エキスポ・サンフランシスコに登場したデアデビルことマット・マードック役のチャーリー・コックスが「すべてのキャラクター達があれから5年の人生を生きた」と語ったという。

『デアデビル』シーズン3の時系列は明確ではないが、指パッチン前の2017年を舞台にしていると見られる。ディズニープラスの時系列順の表では、『デアデビル』シーズン3は、2017年を舞台にした『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017) よりも後、2018年を舞台にした『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) よりも前に位置付けられているからだ。

『デアデビル:ボーン・アゲイン』がその5年後の物語だとすれば、まだ人口が復活していない2022年が舞台ということになる。仮に人口半減の5年を経て『デアデビル:ボーン・アゲイン』がスタートするとすれば、2023年が舞台になる。それでも、2024年のスパイダーマンの正体暴露やフラッグ・スマッシャーズの台頭、先述のシー・ハルクやミズ・マーベルといったストリートレベルのヒーローの出現よりも前の話だ。

舞台は2025年5月以降?

ただし、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021) でマット・マードックがピーター・パーカーを弁護したのは2024年7月、ドラマ『シー・ハルク』でデアデビルがロサンゼルスに出現したのは2025年8月の出来事。また、ドラマ『エコー』(2024) ではドラマ『ホークアイ』(2021) の5ヶ月後にあたる2025年5月にキングピンことウィルソン・フィスクがニューヨーク市長選への出馬を示唆している。

ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』の予告編ではウィルソン・フィスクは既にニューヨーク市長に就任したことが示唆されている。つまり、『ボーン・アゲイン』のメインストーリーは2025年5月以降である可能性が高い。

また、『エコー』では指パッチンで人口が半減した5年の間にキングピンの組織を監視するデアデビルの姿も描かれた。この時マットは新たなデアデビルのコスチュームを着ていたが、『シー・ハルク』では黄色を基調にした新たなコスチュームを手に入れた。『ボーン・アゲイン』では再び真紅のコスチュームを身に纏うマットに何があったのかも気になるところ。

キングピンことウィルソン・フィスクについては、『ホークアイ』『エコー』に続くMCU参戦になる。『ホークアイ』では指パッチンの後で権力が縮小したフィスクの姿が描かれた。『エコー』では娘のように育てたマヤ・ロペスを執拗に追ったが、最後には“ヒーリング”を受けて人間性が変化したことが示唆された。

これらの出来事を経て、ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』ではマット・マードックとウィルソン・フィスクの新たな物語が描かれるのだろう。歳を重ねた二人の新たな関係にも注目だ。

MCUフェーズ5の時系列をおさらい

最後にMCUフェーズ4からフェーズ5の出来事を時系列でおさらいしておこう。世間的に認知されているであろう事件のみになるが、以下のようにまとめられる。

2023年10月 マキシモフ事変(『ワンダヴィジョン』)
2024年4月  キャプテン・アメリカ/ジョン・ウォーカーが罷免(『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』)
2024年7月  スパイダーマンの正体暴露、ピーター・パーカーが殺人容疑で逮捕、スターク・インダストリーズに強制捜査(『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』)
2024年7月  フラッグ・スマッシャーズがGRC(世界再定住評議会)を襲撃、サム・ウィルソンがキャプテン・アメリカに就任(『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』)
2024年10月 ティアマットの一部が《出現》、アリシェムがロンドン上空に登場(『エターナルズ』)

2024年11月 メイ・パーカーの死がスパイダーマンと結び付けられる形で報じられる。スパイダーマンの戦闘により改装中の自由の女神から盾が落下、NY上空でマルチバースの扉が開きかける(『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』)
2024年11月 スカーレット・ウィッチによってワンダゴア山が崩落(『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』)
2024年12月 ニューヨークにローニン出現、ホークアイがスケートリンクでジャージ・マフィアと戦う(『ホークアイ』)
2025年3月  法廷でシー・ハルクvsタイタニア(『シー・ハルク:ザ・アトーニー』)
2025年4月  ロンドンの博物館にジャッカル出現(『ムーンナイト』)
2025年5月  マサチューセッツ州でリリ・ウィリアムズとシュリらがFBIを撃退、ワカンダとタロカンが和解(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)
2025年5月  カイロでアメミットが人々の魂を吸収して巨大化(『ムーンナイト』)
2025年5月  オクラホマ州でキングピンの一味がパウワウの祭りを襲撃未遂。マヤ・ロペスに“治療”を受けNY市長選への出馬を検討(『エコー』)

2025年8月  カリフォルニアにデアデビル出現、ガラの会場でシー・ハルク逮捕(『シー・ハルク:ザ・アトーニー』)
2025年9-10月 アベンジャーズ・コンを皮切りに各地でミズ・マーベル出現、クランデスティン逮捕&脱獄(『ミズ・マーベル』)
2025年11月 ケヴィン・ベーコン誘拐(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』)
2026年10月? ウエストビューでアガサ復活、霊体になりウィリアム・カプランと旅に出る(『アガサ・オール・アロング』)

2026年11月 各地でテロが起き、スクラル人のグラヴィクによる侵略計画が発覚。リットソン米大統領が地球人以外の種族を敵とみなす法案を提出し、スクラル人に宣戦布告。スーパースクラルとなったガイアをMI6が保護(『シークレット・インベージョン』)
2026年11月 衛星軌道上のS.A.B.E.R.基地が襲撃され、ニック・フューリーと大量のフラーケンが地球へ(『マーベルズ』)
2026年11月 サディアス・ロスが大統領選で勝利宣言(『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』)
2027年4月  メキシコでサムのキャプテン・アメリカがサーペントからアダマンチウム奪還。サディアス・ロス大統領がレッド・ハルクになり暴走。辞任後、アダマンチウム利用に関わる尾崎=ロス協定締結(『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』)

ちなみにMCUフェーズ5は2025年5月2日(金) 公開の映画『サンダーボルツ*』と6月24日米配信予定の『アイアンハート(原題)』で幕を閉じる。『サンダーボルツ*』は『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』よりも後の話になると見られる。

フェーズ5はどのように締め括られるのか、そして『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』から幕を開けるフェーズ6ではどんな物語が描かれるのか、引き続き注目しよう。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は劇場で公開中。ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』は2025年3月5日(水) よりディズニープラスで独占配信。

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』公式

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』オリジナルサウンドトラックは発売中。

Source
In The Name Of Comics / Collider

『マーベルズ』『ロキ』シーズン2までの時系列の解説はこちらから。

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』ラスト&ポストクレジットの解説&考察はこちらから。

今後のキャプテン・アメリカについてアンソニー・マッキーが語った内容はこちらの記事で。

今後の「アベンジャーズ」映画での展開についてアンソニー・マッキーが語った内容はこちらから。

ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』最終回のネタバレ解説はこちらから。

サムが登場した全作品のおさらいはこちらの記事で。

 

映画『デッドプール&ウルヴァリン』ラストのネタバレ解説&考察はこちらから。

映画『デッドプール&ウルヴァリン』の時系列解説はこちらの記事で。

映画『ザ・マーベルズ』ラストのネタバレ解説はこちらから。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』ラストのネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『シークレット・インベージョン』最終回のネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『エコー』最終回のネタバレ解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
お問い合わせ
¥3,300 (2025/04/22 02:26:05時点 Amazon調べ-詳細)
社会評論社
¥1,650 (2025/04/21 22:41:14時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事

  1. ネタバレ! アーニャはなぜ重要?『マダム・ウェブ』アラナとは誰か、背景にある移民事情とは 解説&考察

  2. 『モービウス』ジャレッド・レトの筋肉は本物だった 30キロ増量で共演者は「恐ろしくもあった」

  3. 『アバター3』は撮影完了、『アバター4』も既に着手とジェームズ・キャメロン監督

  4. ネタバレ解説&考察『シン・仮面ライダー』ラストの対決の意味とは? 本郷猛と緑川イチローの対比に見る庵野監督のテーマ