『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』公開中
2024年は全米俳優組合ストライキの影響もあり、MCUの作品は『デッドプール&ウルヴァリン』しか公開されなかった。年は変わって2025年。MCUは映画だけでも三作品の公開が決定している。最初に公開されたのは新たなるキャプテン・アメリカ/サム・ウィルソンの活躍を描いた『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』だ。
オルダス・ハクスリーのディストピア小説『すばらしい新世界(原題:Brave New World)』(1932)をサブタイトルにした『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』では、とある万能金属を奪い合い、暴走する世界を描いている。その万能金属こそ、アダマンチウムだ。
本記事では、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』で描かれていたアダマンチウムと、今後のMCUでアダマンチウムがどのように扱われるのかについて解説と考察をしていこう。なお、以下の内容は『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の重大なネタバレを含むため、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の内容に関するネタバレを含みます。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』アダマンチウム解説&考察
セレスティアルズ島で採掘される新元素
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』で物語の中心になるのが、宇宙規模の神セレスティアルズの一人、ティアマットの身体から採取されるアダマンチウムだ。レアメタルの一種であるアダマンチウムはMCUにおいて、ワカンダで採取されるヴィブラニウムよりも万能な資源とされている。
アダマンチウムはこれまで原作コミックにおいて、万能の金属とされたヴィブラニウムよりも強固であり、破壊不可能であるとされている。MCUでアダマンチウムが強固な金属であることはテロ組織サーペントとの戦いで示す計画があったようだ。
米Entertainment Weeklyによると初期案では、サーペントのメンバーがアダマンチウム製のナイフでヴィブラニウムが織り込まれたキャプテン・アメリカのスーツを傷付けることができた。サーペントのコッパーヘッドがナイフでサムのスーツを傷付けたシーンは、この案がベースにあったと思われる。今後、アダマンチウムがMCUでどのようにヴィブラニウムと比較されるかわからないが、初期案ではヴィブラニウムよりも強固な金属として描かれようとしていたことがわかる。
他にもアダマンチウムは医療分野などでも活用が期待されており、単純な強固な金属というよりも新しい元素として注目されている。ワカンダが開国して以降、MCUではブラックパンサーやアイアンマンのスーツ、新キャプテン・アメリカの翼など多くの装備にヴィブラニウムが使用されているが、今後はアダマンチウム製の装備が中心になってくるのかもしれない。
初登場は『デッドプール&ウルヴァリン』?
インド洋に浮かぶセレスティアルズ島で採掘されているアダマンチウムだが、MCUで言及されたのは『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』がはじめてではない。最初にアダマンチウムがMCUで言及されたのは『デッドプール&ウルヴァリン』だ。
デッドプールはTVAが用意した刀について、アダマンチウム製であると語っている。そして、ウルヴァリンの全身の骨格と爪を形成しているのもアダマンチウムなのだ。原作コミックではアダマンチウムと言えばウルヴァリンの爪と言っても過言ではないほど有名だ。破壊不可能なアダマンチウムはウルヴァリンの骨格を形成し、ヒーリングファクターの暴走による野獣化を防いでいるとも言われている。
原作コミックのアダマンチウムとの違い
原作コミックと『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の両作品で万能金属であるアダマンチウムだが、原作コミックのアダマンチウムとMCUのアダマンチウムには大きく異なる点がある。原作コミックのアダマンチウムは自然界には存在しない特殊合金であり、マイロン・マクレーン博士によって開発され、その製造方法は少数の人間しか知らないとされている。
原作コミックにおいて、アダマンチウムが人工的に作り出された特殊合金であることを示す象徴的な例がキャプテン・アメリカの盾だ。キャプテン・アメリカを象徴する盾はアダマンチウム研究の中で偶然開発され、再現することが不可能な特殊合金という設定だった。このことからも、アダマンチウムが自然界に存在しない設定だということがうかがえる。
また、マイロン・マクレーン博士が情熱を注いで開発していたアダマンチウムだが、原作コミックでは製造には莫大な費用がかかるという難点がある。MCUではセレスティアルズ島で多く採掘することが出来るが、原作コミックでは製造方法を知る人間が少なく、大量生産をするには莫大な費用がかかる特殊合金という違いが明確に存在している。
X-MENが登場か
ここでアダマンチウムの管理者として、とあるヒーローチームの登場が考えられる。それはアダマンチウムの扱いに長けたウルヴァリンやデッドプールが所属するミュータントのヒーローチームであるX-MENだ。現在、MCUでは『デッドプール&ウルヴァリン』や『ミズ・マーベル』(2022)など、ミュータントたちを参入させる計画が進んでいる。
アダマンチウムに似た鉱物であるヴィブラニウムは周囲の植物などにも影響を与え、ブラックパンサーやネイモア・サブマリナーなどの超人を生み出すハーブを生んでいた。もしかすると、アダマンチウムが豊富なセレスティアルズ島に生えるハーブなどにも超人を生む効能があるかもしれない。アダマンチウムそのものが医療目的で使用される中で超人を生むことも考察できる。
しかし、アダマンチウム由来でミュータントが生まれていた場合、戦時下でミュータントとして覚醒したX-MENを率いるプロフェッサーXや、ブラザーフッド・オブ・ミュータンツを率いるマグニートーの登場が難しくなることが考えられる。そこで重要になってくると考察できるのがマルチバースの存在だ。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のポストクレジットシーンでは、リーダーことサミュエル・スターンズがマルチバースについて言及している。もしかすると、ミュータントたちの文化が成熟した別の宇宙から来たプロフェッサーXやマグニートーが、まだ生まれたばかりのMCUのミュータントたちを導くのかもしれない。
現実世界のレアメタル
今後、MCUで起こる国家間の問題の中心になるだろうアダマンチウム。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』ではロス大統領は、内心ではアメリカ・ファーストを掲げつつも、アダマンチウムとセレスティアルズ島を世界各国と共同管理するために交渉を進めていた。
悲しいことに現実のアメリカ合衆国ではドナルド・トランプ大統領がウクライナに事実上のロシアへの降伏を促し、レアメタルを要求している。それ以外にもカナダやグリーンランドの土地を求め、自分を王と名乗るなど封建時代のリーダーのような行動が問題になっている。
ロス大統領は娘との関係修復を優先するあまり、日本の海上自衛隊がセレスティアルズ島に向かうときにアダマンチウムを独占する国があるとすれば、それはアメリカ合衆国でなかればならないといった自国第一主義的な発言をしている。それでもロス大統領は自国第一主義を少し誇張したキャラクターだったが、トランプ大統領はそれを優に超えてしまったのだ。
マーベルスタジオのクリエイターたちはアメリカの象徴であり、みんなの憧れの的であるキャプテン・アメリカと、新たな土地と資源であるセレスティアルズ島のアダマンチウムを通して、どのように世界を描くのだろうか。現実世界が混迷を極めている現在、ヒーローたちの持つメッセージ性にもアダマンチウムと同様に注目が集まる。
映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は2025年2月14日(金) より公開中。
Source
Entertainment Weekly
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