『高い城の男』シーズン4の配信が開始
AmazonプライムビデオのオリジナルSFドラマ『高い城の男』(2015-) のファイナルシーズンとなるシーズン4の配信が、2019年11月15日(金)より始まった。
2015年から配信を開始した『高い城の男』も遂にフィナーレを迎える。SF作家フィリップ・K・ディックが1962年に発表した同名小説とは異なるオリジナルの展開を見せていたドラマ版だが、いよいよそれぞれの登場人物の物語に終止符が打たれる。
製作がAmazonに感謝した理由
ショーランナーを務めるデヴィッド・スカルパは、シーズン4がドラマ『高い城の男』にとって最後のシーズンになることについて意外な反応を示している。それは、Amazonスタジオへの感謝だ。米DEADLINEが伝えたところによると、Vulture Festival LAで登壇したスカルパは以下のように話している。
私たちは素晴らしい機会に恵まれました。明確に進むべき終着点を設定することができたんです。それぞれの登場人物が到達する運命をね。
『高い城の男』がシーズン4で終了となることが発表されたのは、撮影中の2019年2月のこと。だが、製作陣には事前にシーズン4がファイナルシーズンとなることが伝えられており、クリエイティブチームが相応しい形で物語を結べるよう配慮がなされていたというのだ。
「完璧な結末」
近年、動画配信プラットフォームの台頭によって、製作されるSFドラマの数は年々増え続けている。中には次のシーズンへの展開を期待させるクリフハンガーでシーズンを終えながらも、思ったような人気が出ず、突然打ち切りとなる作品も存在する。逆に人気が出たためにシーズンを更新し続けるドラマも多い。
だが、『高い城の男』はAmazonの人気シリーズであったにもかかわらず、適切なタイミングで物語を締めくくることを選んだ。同作のプロデューサーを務めるのは、原作小説を手がけたフィリップ・K・ディックの娘でもあるイサ・ディック・ハケット。彼女は『高い城の男』の終了が発表された際には、シーズン4の“終わり方”について「完璧な結末」であると言い切っている。その上で、父の作品に新たな命を吹き込んだAmazonへの感謝を表明しているのだ。
Amazonの戦略
クリエイティブな側面を尊重するAmazonの判断に、製作陣が感謝の意を示している。一方で、イサ・ディック・ハケットが運営し、フィリップ・K・ディック作品の管理と映像作品の製作を行うエレクトリック・シェパード・プロダクションズは、2019年1月にAmazonと優先交渉権契約 (ファーストルック契約) を結んでいる。
つまり、今後フィリップ・K・ディック作品はAmazonプライムビデオで優先的に製作・公開されることになる。Amazonスタジオとしても、フィリップ・K・ディック作品のクオリティを尊重し、新たな実写化作品を製作し続けていくことが得策なのだ。
#MeTooムーブメントにも関連するイサ・ディック・ハケットとAmazonスタジオの関係構築の経緯については、以下の記事に詳しい。
イサ・ディック・ハケットが「完璧な結末」と述べた『高い城の男』シーズン4は、Amazonプライムビデオで2019年11月15日(金)より配信開始。
『高い城の男』シーズン4のあらすじは以下のリンク先から。
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DEADLINE