製作陣がシーズン4を語る
米時間の2019年11月10日(日)、ロサンゼルスで開催されたVulture Festival LAに、Amazonオリジナルドラマ『高い城の男』(2015-) の出演者と製作陣が登場した。米DEADLINEなどが伝えている。『高い城の男』のファイナルシーズンとなるシーズン4の配信開始を11月15日(金)に控え、各々がシーズン4の見どころを語っている。この中で、プロデューサーのイサ・ディック・ハケットは、物語の鍵になるのは女性キャラクター達だと発言している。
「各女性キャラクターが力を持つ」
イサ・ディック・ハケットは、『高い城の男』シーズン4で描かれる女性キャラクターについて、以下のように発言している。
各女性キャラクターが一定の力を持ち、変革に一定の影響を及ぼします。
2015年にシーズン1の配信を開始した『高い城の男』は、主人公ジュリアナ・クレインや、ナチス親衛隊大将ジョン・スミスの妻であるヘレン・スミスなど、女性の登場人物が重要な役割を果たしてきた。ヘレン・スミスが『高い城の男』で担った役割は、以下の記事を参照していただきたい。
新キャラクターにも注目
シーズン4ではフランシス・ターナー演じるベル・マロリーという新たな女性キャラクターも登場し、世界の“変革”に身を投じる。シーズン4から登場人物に加わるベル・マロリーは、“黒人共産反乱軍 (black communist rebellion)”のメンバーという設定。アメリカ共産党およびブラックパンサー党のメンバーでもあったアンジェラ・デイヴィスをモデルにしたキャラクターだ。イサ・ディック・ハケットは、「彼女らから目を離さないでください」と聴衆に呼びかけた。
「あなたはどの歴史に属する?」
また、イサ・ディック・ハケットは、『高い城の男』シーズン4は、右派ポピュリズムが台頭する現実の世界に語りかけるものになるとも話している。
シーズン4における中心的な問いかけは「あなたはどの歴史に属したいか」ということです。現実の世界に生きる皆さん自身が自問するべきことです。
プロデューサーのイサ・ディック・ハケットは、『高い城の男』の原作者であるフィリップ・K・ディックの娘としても知られる。1962年に原作小説が発売されてから57年が経過した今、イサ・ディック・ハケットは『高い城の男』を現代の物語へと生まれ変わらせようとしているのだ。
現実が追いついた作品
『高い城の男』では、第二次世界大戦で大日本帝国とナチスドイツが勝利し、この二国がアメリカを分割統治している世界が描かれる。オバマ政権下で製作が始まった作品だが、シーズンを経るごとに、作中では現実世界とリンクする描写が見られるようになってきた。イサ・ディック・ハケットは、「現実が『高い城の男』に追いついてきた」とアメリカの右傾化を危惧している。詳細は以下の記事からご確認いただきたい。
『高い城の男』シーズン4の本予告は以下のリンク先でご覧いただける。
ドラマ『高い城の男』は、シーズン1からシーズン4までAmazonプライムビデオで配信中。
Source
DEADLINE