ドラマ『THE LAST OF US』第3話より本編の“イチゴ”シーンが公開 「愛がもたらす美しさ」描く | VG+ (バゴプラ)

ドラマ『THE LAST OF US』第3話より本編の“イチゴ”シーンが公開 「愛がもたらす美しさ」描く

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ドラマ『THE LAST OF US』あのシーンが公開

「ラスアス」の愛称で親しまれる人気ゲーム『The Last of Us』(2013) をHBOが実写化するドラマ『THE LAST OF US』(2023-) の第3話より、本編映像の一部が公開された。実写ドラマ版『ラスアス』第3話は、日本では2023年1月30日(月) にU-NEXTで配信され、国内外で大きな話題を呼んでいる。

「過去10年で最高」「歴代ベストエピソード」という声も上がる第3話は、ゲーム原作のビルのストーリーラインを拡張した物語で、ゲームでは描かれなかったビルとフランクの16年間の生活が描かれた。大きな反響を受け、『THE LAST OF US』公式Twitterも続々と撮影の裏側を映した動画や場面写真を公開。2月2日(木)には、「大切なひととき」というメッセージと共に劇中に登場するイチゴの画像を投稿している。

そして翌3日には、フランクが育てたイチゴをビルに見せる第3話の象徴的なシーンを公開した。

ビルの銃と交換でジョエルとテスからイチゴの種をもらったと話すフランクに、ビルは「どの銃?」と不安げなリアクションを見せる。母の死後、ビルは社会から孤立し、大量の銃を保管して自衛する人生を送ってきたのだ。「小さいやつだよ」というフランクの答えに安心したビルは、フランクに促されてイチゴを口にする。

この時点で、ドラマ『ラスアス』冒頭で起きるパンデミックから10年が経過しており、ビルがイチゴを口にしたのは、おそらく10年ぶりということになる。同時に、フランクはイチゴの種を手に入れてから実るまで1年間、ビルに内緒でイチゴの世話をし続けていたのだ。

大事にしている銃を手放して大切な人と一緒にイチゴを食べるという、自分一人では味わうことができなかった幸せを噛み締めるビル。久しぶりに食べたイチゴの味に、思わず笑ってしまうビル役のニック・オファーマンとフランク役のマレー・バトレットの演技が素晴らしい。

キャストが語るビルとフランク

2月2日に公開されたキャストとプロデューサーが『ラスアス』第3話について語る動画も興味深い。

フランク役のマレー・バトレットは「このエピソードに対する私の最初のリアクションは、“驚き”でした。荒涼とした世界における、予想外の、美しいラブストーリーだったからです」と語っている。更に、ビルとフランクの二人についてはこう話している。

ビルとフランクは、この世界における行動原理が真逆なんです。ビルは超がつくほど実践的で、感情的ではありません。フランクはその逆です。

確かにイチゴのシーンを例にしても、フランクは終末世界においては実用的だと思われるビルの銃と引き換えに、育てるのに一年を要するイチゴの種を手に入れた。それによって二人で分かち合える喜びや幸せを優先したのだ。

原作ゲームも手がけ、実写ドラマ版の第2話では自ら監督を務めたニール・ドラックマンは、ドラマ『ラスアス』では各エピソードに“愛が導いてくれる場所”の描写が含まれている説明する。第3話では「ピュアで純真なバージョンのそれ」「愛がもたらしてくれる美しさ」が描かれたといい、この説明の背景ではビルとフランクがイチゴを食べるシーンが映し出されている。

また、『ラスアス』第3話における原作の改編についてはこう説明している。

この番組における私の哲学は、『いつ脱線して、いつ戻ってくるか』というものです。もし(アイデアが)ゲームと同じくらいかそれ以下ならば、ゲームと同じ内容にするべきです。もし(ゲームより)優れているなら、脱線します。

ドラマ『ラスアス』第3話は、75分のほとんどが原作にない物語になっていた。ニール・ドラックマンの哲学に照らし合わせると、ビルとフランクの物語は脱線するに足りる優れた物語だったということである。

まだまだ第3話の余韻に浸っていたいが、2月6日(月)には第4話の配信が始まる。全9話で構成されるドラマ『ラスアス』。次はどんな愛の物語が描かれるのか、“脱線”にも期待しよう。

ドラマ『THE LAST OF US』はU-NEXTで独占配信中。

原作のゲーム『The Last of Us』はPS5リメイク版が発売中。

『The Last of Us』と続編『The Last of Us II』はPS4でも発売中。

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ドラマ『THE LAST OF US』第3話のネタバレ解説はこちらから。

第3話について監督が語った政策の裏側はこちらの記事で。

シーズン2決定の情報はこちらから。

シーズン2について製作陣が語った内容はこちらの記事で。

ジョエル役のペドロ・パスカルが主演を務める『マンダロリアン』はシーズン3が3月1日(水)より配信開始。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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