『シークレット・インベージョン』は二つの映画につながる 監督がエンディングのある条件を明かす | VG+ (バゴプラ)

『シークレット・インベージョン』は二つの映画につながる 監督がエンディングのある条件を明かす

© Marvel

『シークレット・インベージョン』に課された条件とは

ドラマ『シークレット・インベージョン』は、MCUフェーズ5最初のドラマとして2023年6月より配信を開始した。アベンジャーズのキーパーソンであるニック・フューリーを主人公に据えたドラマで、今後のMCU作品への橋渡し役を果たす重要な作品になった。

全6話の配信を終え、2023年10月にはドラマ『ロキ』シーズン2、11月には映画『マーベルズ』の配信を控える中、ドラマ『シークレット・インベージョン』の監督を務めたアリ・セリムが、本作の制作にあたって課されていたある条件を明かした。二つの映画につながっていくというその内容はどんなものなのだろうか。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『シークレット・インベージョン』の内容及び結末に関するネタバレを含みます。

『マーベルズ』と『アーマー・ウォーズ』につながる

ScreenRantによると、アリ・セリム監督は『シークレット・インベージョン』を制作するにあたってストーリー上の条件が幾つか設けられていたことを明かした。

私は次の映画のためにいくつか条件を与えられていました。ニック・フューリーを宇宙に連れていくこと。その次に、『アーマー・ウォーズ』のためにローディの足が動かない状態にすることです。

前者が映画『マーベルズ』のための条件であることは明らかだ。そもそもドラマ『シークレット・インベージョン』の配信前に公開された『マーベルズ』の予告では、ニック・フューリーが宇宙のS.A.B.E.R.でミズ・マーベルと遭遇するシーンが描かれており、本作でフューリーが死ぬことはなく宇宙に戻るであろうことは予測できた。

一方、『シークレット・インベージョン』は映画『アーマー・ウォーズ(原題)』に繋げるために、ウォーマシンことローディ・ローズの状態についても制限がかけられていたという。それは、ローディの足が動かない状態で物語を終えることであり、確かに第6話でスクラルの基地から救出されたローディは下半身が動かない様子で両脇を支えられていた。

ローディの下半身が動かなくなったのは、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016) でのこと。アベンジャーズがソコヴィア協定をめぐって仲間割れした際の戦闘でヴィジョンのビームが当たり、ローディは空中から地面に墜落してしまった。同作のラストではリハビリに励んでいる姿を見せたが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) 以降はトニー・スタークが開発した特製ギプスを装備して戦線復帰が可能になっている。

だが、映画『アーマー・ウォーズ』に向けて、ローディは『シークレット・インベージョン』のラストで再び足が動かない状態にしておかなければならなかったという。それは、ローディがトニーに作ってもらったギプスを失うということだろうか。あるいは、トニーが遺したギプスが大事な役割を果たすということだろうか。

問題は、ローディはいつからスクラル人になっていたのかということだ。『シークレット・インベージョン』では大統領の右腕として働くローディはスクラル人が擬態した偽物で、本物は捕えられていたことが明らかになった。

逆説的に考えれば、本物のローディの足が動かないということは、『シビル・ウォー』で事故に遭うまでのローディは入れ替わる前の本物のローディだということにもなる。仮にローディが入れ替わったのが下半身不随になった『シビル・ウォー』の直後だとすれば、トニーが特製ギプスをあげた相手は偽ローディであり、本物のローディはギプスを持っていないことになる。

だとすれば、本物のローディは指パッチンも、タイムトラベルも、サノスとの決戦も、トニーの死も経験していないことになる。様変わりした世界で、知らない間に親友を失い、ギプスもない状態のローディの姿が『アーマー・ウォーズ』で描かれるとすれば興味深い。

ローディはいつからスクラル人だったのか、そして足が動かない状態であることが『アーマー・ウォーズ』の物語にどのような影響を与えるのか。その答え合わせとなる『アーマー・ウォーズ』の公開を楽しみに待とう。

ドラマ『シークレット・インベージョン』は全6話がディズニープラスで独占配信中。

『シークレット・インベージョン』(Disney+)

Source
ScreenRant

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『シークレット・インベージョン』最終回第6話の解説&考察はこちらから。

映画『アーマー・ウォーズ』の情報はこちらから。

ドラマ『ロキ』シーズン2は2023年10月6日(金)より配信開始予定。詳しくはこちらの記事で。

映画『マーベルズ』のヴィランについてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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