グローグーは時代の寵児『マンダロリアン』シーズン3のテーマとグローグーの重要性を監督が語る | VG+ (バゴプラ)

グローグーは時代の寵児『マンダロリアン』シーズン3のテーマとグローグーの重要性を監督が語る

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『マンダロリアン』シーズン3配信中

「スター・ウォーズ」シリーズの人気ドラマ『マンダロリアン』(2019-) は、2023年3月よりシーズン3の配信をスタート。シーズン3では帰ってきたグローグーとマンドーことディン・ジャリンの新たな冒険が描かれる。

『マンダロリアン』シーズン3第6話の配信に合わせ、「スター・ウォーズ」公式サイトでは本作でエピソード監督を務めるリック・ファミュイワ監督のインタビューを公開。リック・ファミュイワ監督は長編映画『DOPE/ドープ!!』(2015) で知られ、『マンダロリアン』ではシーズン1第2話・第6話、シーズン2第7話、シーズン3第1話・第7話・第8話の監督を務めている。

ラストの2話の監督を務めるリック・ファミュイワは、グルーグーが人々に求められる理由、そして『マンダロリアン』シーズン3のテーマについて興味深いコメントを残している。

リック・ファミュイワ監督が語る

時代が求めたグローグー

グローグーのことを「ベビーG」と呼んでいるというリック・ファミュイワ監督は、シーズン1第2話のグローグーがフォースを使ってマッドホーンからディン・ジャリンを守るエピソードを監督している。ディン・ジャリンとグローグーが「二人の氏族(クラン・オブ・ツー)」を結成するきっかけになる重要なエピソードだ。

リック・ファミュイワ監督は、“人形劇”でグローグーを操る技師たちを「魔法使い」と称賛しつつ、グローグーが持つ魅力をこう語っている。

彼(グローグー)には無邪気さもありますが、同時に革新的なパワーも持っています。彼の周りにいる人々は彼自身以上に変化を経験します。彼には世話をやきたくなる何かがあるのですが、一方で(世話をする人が)自分自身を見つめ直させてくれるような何かがあるんです。

このキャラクターには色々な要素が混ざり合っています。そして、私たちが住んでいる世界と時代を軽視してはいけません。おそらく、このような無垢なキャラクターに逃避する必要が生まれているのです。それが私たちが感じたことで、思っていた以上に(世界はグローグーを)必要としていました。

世界と時代がグローグーのような存在を求めていたというのがリック・ファミュイワ監督の見立てだ。確かにグローグーの存在は大きなミームとなり、『マンダロリアン』を見ていないという人も知るようなキャラクターになった。グローグーから「スター・ウォーズ」シリーズに入ったという人もいるのではないだろうか。

グローグーが与えた影響

同時にリック・ファミュイワ監督の発言で注目したいのは、グローグーには「自分自身を見つめ直させてくれるような何かがある」という言葉だ。グローグーは強いフォースの力は持っているが、自在にそれを発揮できるわけではなく、ケアを受ける側の存在である。だが、『マンダロリアン』ではグローグーにケアを与える側に変化が生まれているのだという。

グローグーと同じく孤児だった主人公のディン・ジャリンはもちろん、シーズン3ではボ=カターン・クライズもその変化の中にあると言える。第2話ではボ=カターンがグローグーからディン・ジャリン救助の要請を受けて動き出す。ディン・ジャリンもボ=カターンも、地下の洞窟ではグローグーに一方的に話しかけていた姿が印象的だった。グローグーが無垢であるがゆえ、気楽に正直な気持ちを話すことができるのだろう。

特にボ=カターンは、マンダロリアンでありフォースの力も持つグローグーに、クローン大戦時代にジェダイと共闘したことを回想して話している。思えばこの時に立場を超えて手を取り合いマンダロアを守った過去を思い出したことが、この後ボ=カターンが宗派を超えてチルドレン・オブ・ザ・ウォッチと協力するきっかけになったのかもしれない。

シーズン3のテーマは?

そして、グローグーがどのような存在かということは、『マンダロリアン』シーズン3のテーマにも関わっているという。リック・ファミュイワ監督はこう話す。

(シーズン3は)アイデンティティについての話です。生まれながらにして持っているものと、自分たち自身をどう定義するかという選択、その両方についてです。教義や理想のもとに人々が集まるという話は好きですが、その理想は統一されているとは限りません。何が私たちを結びつけるのか、それに対して異なる理想を持つ人々をどうやって結びつければいいのでしょう?

リック・ファミュイワ監督は、ジェダイを結びつけるものとして「フォース」を挙げている。確かにジェダイ・オーダーはフォースの力を生まれ持っていたフォース・センシティブの集まりであり、各々の選択は素質の後に来るものだった。

だから、ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) では、グローグーはまずジェダイになるかどうかを吟味してからマンダロリアンの道を歩み出すことになった。リック・ファミュイワ監督の言う「生まれながらにして持っているものと、自分たち自身をどう定義するか」というアイデンティティを巡るテーマは、フォース・センシティブでありながらマンダロリアンの道を選んだグローグーと共に始まったと言える。

ディン・ジャリンが所属するチルドレン・オブ・ザ・ウォッチでは、マンダロリアンは教義に従うと宣誓して掟を守れば誰でもなることができる。厄介なのはボ=カターンが所属するデス・ウォッチのようにチルドレン・オブ・ザ・ウォッチとは違う考え方を持つ集団もまたマンダロリアンであるということだ。

シーズン3では、この異なる宗派の存在に焦点が当てられ、シリーズのタイトル通りに“マンダロリアン”の物語が動き出す。残り2話でどんな展開が待っているのか、配信を楽しみに待とう。

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3は2023年3月1日(水) より、ディズニープラスで独占配信。

『マンダロリアン』(Disney+)

Source
StarWars.com

シーズン3第6話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

ボ=カターン・クライズ役のケイティー・サッコフが語ったシーズン3におけるボ=カターンの心情はこちらから。

シーズン3配信のタイミングで、主演のペドロ・パスカルは生涯マンダロリアンを演じると宣言した。詳しくはこちらから。

ジョン・ファブローと共に『マンダロリアン』の監督・脚本・制作総指揮を手掛けるデイブ・フィローニは、グローグー=ヨーダのクローン説に言及した。詳しくはこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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