ドラマ『マンダロリアン』撮影の裏側が明らかに
「スター・ウォーズ」きっての人気コンテンツとなったドラマ『マンダロリアン』(2019-)。2023年8月からは『マンダロリアン』で初めて実写化されたアソーカ・タノを主人公に据えたドラマ『アソーカ』の配信もスタートする。
『マンダロリアン』は、人前でマスクを取ってはいけないという厳格な教義を持つマンダロリアンの一派“チルドレン・オブ・ザ・ウォッチ”の一員で賞金稼ぎのディン・ジャリンと、ヨーダと同じ種族で孤児となった幼いグローグーの旅を描く物語。西部劇のようなテイストに、ディン・ジャリンの子煩悩ぶりとグローグーの愛くるしさも相まって幅広い層に受け入れられ、人気に火がついた。
今や「スター・ウォーズ」の宇宙の中心にあると言っても過言ではない『マンダロリアン』だが、その特徴は主演のペドロ・パスカルが劇中でほとんど顔を見せないという点だ。教義を守るためディン・ジャリンはずっとマスクをつけたまま行動しており、ハリウッドのナンバーワンスターの地位にまで上り詰めたペドロ・パスカルが表情を使わずに演技を見せる怪作でもある。
一方、表情を見せないということは演技が楽になるということ意味するわけではないようだ。米Colliderでは『マンダロリアン』シーズン3第2話で監督を務めたレイチェル・モリソンが撮影の意外な裏側を明かしている。
『マンダロリアン』意外な裏側
映画『ブラックパンサー』(2018) では撮影監督も務めたレイチェル・モリソンは、『マンダロリアン』での撮影について、「マスクをした人物(ディン・ジャリン)とパペット(グローグー)からどうすれば効果的に感情を引き出せるか、という挑戦にワクワクした」と語っている。その上で、それを解決する入念な撮影の準備について明かしている。
ペドロは事前に台本の“一次審査”を行い、(ディン・ジャリンが)何を言っているのか、イントネーションや抑揚、全てがどのように機能しているのかをある程度把握して、事前の録音を行います。実際に現場に入る前には多くの課題は解決しているんです。
『マンダロリアン』では、ペドロ・パスカルが事前にセリフと抑揚などのチェックを行い、事前にセリフを録音した上で撮影に臨んでいるのだという。そうすることによって、出演者は録音したセリフに合わせて演技を行い、ペドロ・パスカルのスタント俳優もセリフを理解して撮影に臨むことができる。それだけでなく、脚本を視覚化する際にも録音されたセリフをベースにディン・ジャリンの立ち位置などを決めることができるため、ペドロ・パスカルの事前録音は演技以上に制作に役立てられているのだとか。
しかし、『マンダロリアン』は事前にセリフを録音して、撮影に挑んで終わりというわけでもないようだ。撮影後には最終的なセリフの収録も行われるのだという。ここでセリフが変更されることもあるといい、レイチェル・モリソンは、この“保険”を挑戦するための「いいクッション」と表現している。
主人公ディン・ジャリンの顔が見えないという特殊なドラマである『マンダロリアン』。だが、それで撮影が楽になるどころか、様々な工夫を凝らして良い作品を作ることを目指していたようだ。『マンダロリアン』はシーズン4の制作が公言されている。次はどんな物語を運んでくれるのか、これからの展開にも期待しよう。
ドラマ『マンダロリアン』はシーズン3までディズニープラスで配信中。
Source
Collider
『マンダロリアン』シーズン4についての情報はこちらから。
ドラマ『マンダロリアン』シーズン3最終話のネタバレ解説&考察はこちらの記事で。
「スター・ウォーズ」新たな映画三作の公開日はこちらから。