「全く適切だった」『ロキ』シーズン2の終わり方をトム・ヒドルストンが支持する理由とは | VG+ (バゴプラ)

「全く適切だった」『ロキ』シーズン2の終わり方をトム・ヒドルストンが支持する理由とは

© 2023 Marvel

『ロキ』シーズン2完結

2021年から配信されていたMCUドラマ『ロキ』は、2023年11月にシーズン2の全話が配信され、二部作のフィナーレを飾った。2011年の映画『マイティ・ソー』からロキを演じ続けてきたトム・ヒドルストンは、このラストをどう捉えているのだろうか。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ロキ』シーズン2の内容に関するネタバレを含みます。

『ロキ』シーズン2のラストを受けて

ドラマ『ロキ』シーズン2の第6話では、ロキは自己犠牲を払い、分岐し続けるタイムラインを安定させるために自らが人柱となる形で玉座についた。ロキは“物語の神”となったが、それはマルチバースを支配する独裁者ではなく、多様な世界の存在を維持する神としての姿だった。

自分の大切な人のために、マルチバースで生きる人々のために、新たに見つけた“大いなる目的”を自己犠牲という形で達成したロキ。一方では、ロキが全てを背負い込むフィナーレになったことも事実だ。『ロキ』シーズン2最終話配信の同日に公開された映画『マーベルズ』では、一人のスーパーヒーローが全てを背負い込むことの負の側面も指摘されていた。

FilmIsNowのYouTubeチャンネルに出演したトム・ヒドルストンは、この『ロキ』シーズン2の終わり方について語っている。

『ロキ』シーズン2が配信された今、私は演技においても、プランにおいても、展開においても、脚本においても、ロキの犠牲は全く適切なものであり、個人的には非常に感動的でした。このキャラクターは、この世界にいる限り、利己心に駆られ、孤立しています。ほとんど彼自身によってね。

表面的にはカリスマ性があり、チャーミングで遊び心に溢れていますが、内面はディフェンシブで脆く、傷ついており、孤独で、そしてどこにも自分の居場所がないと感じている人物です。ですから、自分の居場所がないという脆弱さの中で生きるよりも、世界を動かして自分に所属させようとするんです。それが彼を突き動かしており、彼の中心にある動機でした。

ロキを最もよく理解している人物によるこれ以上ない的確なロキ評。確かにロキは現実世界にいる限り、所属やアイデンティティといった問題に苛まされてきた。ロキは氷の巨人族に生まれてきたが体が小さかったため親から捨てられ、拾われたオーディンからはその事情を伏せて育てられたことを知り、ロキの心は深く傷つくことになる。

トム・ヒドルストンはそうした背景も踏まえてロキの人物像を捉えているのだろう。『マーベルズ』で問われた普遍的なテーマも確かに大切だが、ドラマ『ロキ』は、ロキという一筋縄ではいかない人物の背景を踏まえた上での作劇になっている。

ロキのメッセージ

少なくとも『ロキ』のロキは2012年のソーとの和解を経験する前のロキである。TVAに辿り着くまでの現実世界においては自分の居場所を見つけられなかったロキは、TVAで自らを犠牲にして世界を守ることを決断する。トム・ヒドルストンはこう続けている。

そして、『ロキ』シーズン2では、彼はメビウスとシルヴィとの繋がりを通して旅に出ます。メビウスは友人であり導き手であり、シルヴィは彼を映し出し、挑戦してくる鏡です。加えて他のすべての友人たち、B-15、ケイシー、OB、そして彼のTVAでの経験は、これまで信頼に値しなかったこのキャラクターが信頼してもらえる可能性があるということについて、彼の心を開いてくれました。

そして彼は突然、居場所があると感じるようになります。私にとって、これは謙虚さと受容についての旅でした。かつて「私は大いなる目的を背負っている。私にはその権限があり、すべては栄光のためだ」と言っていた人物が、最後に“目的”とは無私と寛容と愛であり、自分は他の人々の人生を助けられるような目的があるのだと知るんです。私はそんな風に感じました。詩的な結末で、とても満足しています。皆さんにもそう感じ、共鳴してほしいですね。

トム・ヒドルストンは、「私たちには自由意志があり、物語を書き換えることができる、自分の人生を描き出す選択ができる」というテーマを、ロキというキャラクターが問い続けてきたこと、それが「私にとって魅力的なことです」と締めくくっている。

TVAで初めて居場所を見つけたロキが、その場所とその場所の人々が守りたいと思っている世界を身を挺してでも守ることは、トム・ヒドルストンの言う通り「全く適切」なことだったのかもしれない。そうして『ロキ』は一般論ではない個人史をベースに置きながら、ロキという人物の生い立ちと生涯を丁寧に紐解いていくことで、逆説的にそれを見ている私たち個々人にも当てはまる物語にまで昇華されたように思える。

救済の物語

このインタビューでは、トム・ヒドルストンは他にも、シーズン1第1話でメビウスがロキの思っていた「大いなる目的」の無意味さを教えてくれたこと、メビウスとシルヴィとの出会いがセカンドチャンスを与えてくれたということも指摘している。

また、『ロキ』は最後まで一貫して「所属とアインデンティティと目的」の物語であり、その中でロキは「傷ついた魂」を癒すことができたと話している。加えて、「この救済 (redemption) は観ている皆さんにとっても意味があるものだと願っています」とも話している。

この物語は「ロキの魂の救済」の物語だったとも言える。捨て子だった少年が、人々から“ヴィラン”と呼ばれた青年が神になるまでの物語。しばらくはこのフィナーレの余韻に浸ろう。

ドラマ『ロキ』はシーズン1とシーズン2がディズニープラスで独占配信中。

『ロキ』視聴ページ (Disney+)

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『ロキ』シーズン2のオリジナルサウンドトラックはVol.1が配信中。

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Source
FilmIsNow

『ロキ』のスピンオフの可能性についてプロデューサーが話した内容はこちらの記事で。

プロデューサーが語ったシーズン3の可能性についてはこちらの記事で。

シーズン2最終話のメビウスとロキの会話について明かされた背景はこちらから。

トム・ヒドルストンが語ったシーズン2最終話の詩の意味はこちらから。

『ロキ』シーズン2最終話第6話のネタバレ解説はこちらの記事で。

【ネタバレ注意!】映画『マーベルズ』ラストの解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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