実写版『カウボーイビバップ』配信開始
1998年に放送され、根強い人気を誇る日本のアニメ『カウボーイビバップ』を実写化した同名のドラマシリーズが2021年11月より配信を開始した。実写版『カウボーイビバップ』では、「スター・トレック」のヒカル・スールー役で知られる韓国生まれのハリウッド俳優ジョン・チョーが主人公スパイク役を演じている。
そして、ショーランナーを務めるのはアンドレ・ネメック。映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011) や、実写映画「ミュータント・ニンジャ・タートルズ」シリーズで脚本を手掛けた人物だ。
原作アニメにリスペクトを持って制作された実写ドラマ版『カウボーイビバップ』だが、同時に実写版オリジナルの設定も随所に散りばめられていた。もちろんNetflixドラマらしいサプライズもあり、意外な展開で視聴者に驚きを与えてくれた。
今回は、Netflix実写版『カウボーイビバップ』シーズン1最終回のラストシーンについてキャストとショーランナーが語った内容を紹介しよう。以下の内容はドラマ『カウボーイビバップ』シーズン1の結末に関するネタバレを含むため、必ず本編を視聴してから読んでいただきたい。
以下の内容は、ドラマ『カウボーイビバップ』の結末に関するネタバレを含みます。
ラストのエド、なぜワンシーン?
to everyone who’s been asking “Where’s Ed?” — you don’t have to wait any longer
introducing newcomer Eden Perkins (they/them), who plays the role of Radical Ed in Netflix’s COWBOY BEBOP, now streaming pic.twitter.com/ttnL7xdTVb
— Netflix Geeked (@NetflixGeeked) November 19, 2021
実写ドラマ版『カウボーイビバップ』シーズン1の最終回である第10話「スーパーノヴァ交響曲」のラストシーンでは、原作アニメで大人気キャラクターだったエドが登場。実写版『カウボーイビバップ』の写真が初めて公開された際には、スパイク、フェイ、ジェットの姿しか確認できず、SNS上のファンからは「エドはどこ?」との声があがっていた。
やっぱりドラマ版にも登場したエドだったが、なぜ最終回での登場になったのだろうか。米Netflixの配信番組に登場したショーランナーのアンドレ・ネメックは、このような展開を選んだ意図を明かしている。
私たちがやりたかったことは、ほかでもなく『カウボーイビバップ』にエドを登場させることでした。エドはアニメでは第9話まで登場しません。アニメのエドは最初からビバップ号の中心メンバーだったわけではありません。そして、(スパイクとフェイを指して)このキャラクターたちを十分な時間を使って描くことも重要なことでした。彼女ら・彼らを深く理解してもらい、弾みをつけるためにはね。
フェイ・バレンタインは“破壊者(物語に転機をもたらす人物)”であり、エドは“巨大な破壊者”です。別のワイルドでクレイジーな要素(エド)をこのショーに登場させるためには、他の登場人物たちがどのような人々なのかということを、ハッキリさせておく必要がありました。そして、ラディカル・エドはいつでも何かを企んでいて、(ビバップ号の)メンバーをトラブルに巻き込んでいきます。
原作アニメ版では全26話が製作され、更に120分の映画『カウボーイビバップ 天国の扉』(2001) も公開されている。今回の実写ドラマ版はアニメ版と映画版をミックスした内容になっており、全10話の中でエドの要素を盛り込むのは困難と判断したようだ。それぞれのキャラクターの物語と背景をしっかり描くことで、ビバップ号をかき回すエドの姿を引き立てようと考えていたのだ。
また、実写版のエドが最後に映画版に登場するヴィンセント・ボラージュの名前を挙げたことについて、ショーランナーのアンドレ・ネメックは、「シーズン2では恐ろしい人たちに立ち向かうかもしれませんね」と話している。シーズン2製作決定の公式発表はまだNetflixからは出ていないが、シーズン2で実写版エドが物語をかき回す姿を見られることに期待したい。
エド役エデン・パーキンス初のインタビューも公開
そして、実写版エドを演じたエデン・パーキンスは上記の米Netflixの配信番組でメディア初登場を果たしている。同番組の中で初のインタビューが公開され、エデン・パーキンスはエドを演じた感想を語っている。
エドは素晴らしいキャラクターです。彼女は驚くほど生き生きとしていて、どこであっても彼女が行く場所にはエナジーをもたらします。アニメ版のエドのシーンは全てクールで、実は私自身が共感できるキャラクターなんです。ですから、彼女の役を演じることにはとてもワクワクしています。アニメ版で好きなエドのシーンは、ビバップ号に賞金首がいて、彼がアインに意地悪な態度を取ったときに、エドが彼に攻撃する場面です。最高のシーンですよね。
初めてエドのコスチュームを着た時は、本当に最高の気分でした。彼女のコスチュームは大好きです。自由で動きやすくて、エドにぴったりです。ウィッグもクールでした。尖っていて、めちゃくちゃ触りたかたったんですが、崩れてしまうので我慢しました。でも、最高のコスチュームでした。
遂にセットに入った時は最高の気分でした。たった一晩の撮影だったんですが、素晴らしかったです。セットは最高にクールだし、夜になると全く違った雰囲気になって、とても寒かったんですが、素晴らしい経験でした。(撮影に参加した人は)全員ステキで。そして、ジョン・チョーと演技できたことも本当にクールでした。最高の経験でした。
皆さんがエドに出会うことを楽しみにしています。彼女は本当にクールなキャラクターです。たったワンシーンだけですが、それでも個性的でパンチの効いたものになっています。とてもクールだと思いますし、将来、皆さんがエドと再会して、エドがどんな人物なのかを知ってもらうことを楽しみにしています。
実写版エドを演じたエデン・パーキンスは過去の出演歴に関する情報がなく、ドラマ『カウボーイビバップ』のエド役が初の大役と見られる。このインタビューでは、「Cool」と「Amazing」を連発しており、エデン・パーキンスにとっては相当に嬉しいデビューとなったようだ。
シーズン2に期待
ここまで見て分かるように、実写ドラマ版『カウボーイビバップ』はシーズン2への更新を前提として制作された作品だ。ショーランナーも演じたエデン・パーキンスもシーズン2でエドの活躍を描くことを楽しみにしているようだが、シーズン2に更新されるかどうかは不明。
Netflixではシーズン更新の為に、前シーズンでかかった予算に見合った視聴数を獲得する必要がある。またドラマ『ノット・オーケー』(2020) など、シーズン2製作を前提にした物語であっても、コロナ禍などの諸事情によって打ち切られた例があるため気を抜くことはできない。実写版『カウボーイビバップ』シーズン1を気に入った方、そしてエドのファンは、シーズン1を応援してシーズン2への更新を願おう。
ドラマ『カウボーイビバップ』は2021年11月19日(金) よりNetflixで独占配信中。
ドラマ『カウボーイビバップ』のオリジナルサウンドトラックは予約受付中。
作業用BGM風にまとめた動画もNetflix公式から公開されている。
エドが登場したラストシーンについては、こちらの記事で紹介している。
ドラマ版公開にあたり、『カウボーイビバップ』オープニング曲「Tank!」のフルライブ映像も公開されている。詳しくはこちらから。
キャストらが語った犬のアインの撮影秘話はこちらから。