『キャシアン・アンドー』をディエゴ・ルナが語る
2022年9月にシーズン1が配信された『キャシアン・アンドー』は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) のスピンオフとして制作されたドラマ作品。すでにシーズン2の制作が進んでおり、2024年頃の配信が見込まれている。
『キャシアン・アンドー』シーズン1では『ローグ・ワン』の5年前を舞台に、後に反乱同盟軍の情報将校になるキャシアン・アンドーが様々な惑星で反乱運動の火種となる様子が描かれた。全12話で構成され、ドラマ作品として非常に高い評価を受けた本作だが、主演のディエゴ・ルナが興味深い認識を語っている。
「映画を4本やったようなもの」
ディズニーがアワードシーズンに合わせて展開するキャンペーンサイトのDisney Studios Awardsでは、『キャシアン・アンドー』シーズン1についてのディエゴ・ルナへのQ&Aの動画が公開されている。この中で「『キャシアン・アンドー』シーズン1で最も誇りに思うシーン」を問われたディエゴ・ルナは、以下のように話している。
私たちはこの作品を3話ごとに撮影しました。そして各ブロックごとに異なる監督がいて、各監督にそれぞれのストーリーがあったと思います。私にとっては、映画を4本やったようなものでした。皆さんは1話ずつ観るか毎週観ないといけなかったと思いますが、私にとっては始まりと終わりがある4つの映画でした。
(各ブロックごとに)リハーサルやキャスティングといったプロセスを経ていましたし、登場人物もそのブロックにしか登場しない人がいますよね。山に行った時(シーズン1第4話〜第6話の惑星アルダーニ編)には、チームで計画を進めましたがそのブロックでお別れになるキャラクターもいました。(キノ・ロイ役の)アンディ・サーキスは刑務所のブロックのみの登場でした。
それぞれのブロックにとても特別な出来事があって、こんなことが出来て私たちがいかに幸運かということを思い知らされる瞬間がありました。ツールが揃っていて、ルーカス・フィルムとディズニーから自由が与えられていて、惚れ惚れするようなチームと一緒に仕事をしているんです。朝から晩まで常に興味深い人がいましたから、その瞬間を全て言うのはアンフェアですよね。
「最も誇りに思うシーン」という問いに、独特の言い回しで「選べない」という返答をしたディエゴ・ルナ。注目したいのは、本作の製作総指揮も務めるディエゴ・ルナはドラマ『キャシアン・アンドー』を「4つの映画」と捉えているという点だ。
『キャシアン・アンドー』の特殊な構成
例えば、ドラマ『マンダロリアン』(2019-) は各シーズン8話の構成で3シーズンが制作されているが、各話ごとにデボラ・チョウやブライス・ダラス・ハワード、タイカ・ワイティティ、ペイトン・リードといった豪華な監督陣が指揮をとった。脚本は全てジョン・ファヴローが手掛け、基本的には各話でクエストをクリアしていく展開になっており、スタンダードなドラマの構成になっている。
一方、『キャシアン・アンドー』では、全12話をトビー・ヘインズ、スザンナ・ホワイト、ベンジャミン・カロンの3人の監督で分担。フェリックス編の第1話〜3話をトビー・ヘインズが、アルダーニ編の第4話〜6話をスザンナ・ホワイトが、キャシアンがフェリックスに帰還する第7話と三度フェリックスを舞台にしたフィナーレの第11話と第12話をベンジャミン・カロンが、ナーキーナ5編の第8話〜10話をトビー・ヘインズが指揮した。脚本もトニー・ギルロイ、ダン・ギルロイ、スティーヴン・シフ、ボー・ウィリモンの4人でブロックごとに分担している。
全12話を3話ごとに分担した『キャシアン・アンドー』は、ディエゴ・ルナが言うようにキャシアンを残して舞台もキャストも入れ替わるため、4本の映画として観ることもできる。シーズン2も全12話が予定されており、全体を統括するトニー・ギルロイはシーズン2では『ローグ・ワン』までの4年間が描かれると話している。仮にこの4年が1年ごとに3話ずつ描かれるとすれば、また新たな「4つの映画」が制作されるということになる。
『キャシアン・アンドー』シーズン1の4編とシーズン2の4編、これに『ローグ・ワン』を加えれば、キャシアン・アンドーの物語は映画計9本分に。これは、『エピソード1』から『エピソード9』まで計9本の長編映画が制作された“スカイウォーカー・サーガ”に匹敵する量だ。
「スカイウォーカー・サーガ」ではスカイウォーカー家の長大な物語が描かれたが、一人のキャラに映画的な手法でこれだけの時間が費やされるのは「スター・ウォーズ」でも異例の展開になる。本作はキャシアン・アンドーという人物をどこまで深掘りしていくのか、シーズン2の到着を楽しみに待とう。
ドラマ『キャシアン・アンドー』はシーズン1の全12話がディズニープラスで配信中。
Source
Disney Studios Awards
ディエゴ・ルナがシーズン1のテーマや裏側について振り返った内容はこちらの記事で。
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