『オルタード・カーボン』は打ち切りへ…
Netflixオリジナルドラマ『オルタード・カーボン』(2018-2020)は、シーズン2で製作を終了するようだ。米Deadlineが独占で報じている。Deadlineの共同編集長Nellie Andreevaによると、『オルタード・カーボン』の製作終了は2020年4月には決定していたという。投じた予算に対する視聴率がシーズン更新の基準を満たさなかったため、通常のプロセス通りに打ち切りが決定したようだ。
Netflixは先んじて、『ノット・オーケー』『ザ・ソサエティ』という二本の人気SFドラマのシーズン2製作中止を発表していた。こちらは新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う決定だったが、『オルタード・カーボン』の場合は、視聴率が製作コストに見合わないという判断だったようだ。
見方を変えれば、『ノット・オーケー』と『ザ・ソサエティ』は共に、投じた予算に対する視聴率はシーズン更新の基準を満たしていたということになる。だが、『オルタード・カーボン』はNetflix史上最大級の予算を投じて製作されたドラマシリーズ。その規模は、ヨエル・キナマンが「『ゲーム・オブ・スローンズ』の最初の3シーズンよりも巨大な予算」と表現するほど。シーズン更新のためには相当に高いハードルが設定されていたのだろう。
Netflixを代表するサイバーパンクドラマ
『オルタード・カーボン』は、リチャード・モーガンのSF小説「タケシ・コヴァッチ」シリーズを実写ドラマ化した作品。人類が“スリーヴ”と呼ばれる肉体を乗り換えることができるようになった300年後の未来が舞台になっており、伝説のエリート兵士であるタケシ・コヴァッチがその肉体を乗り換えながら、巻き込まれた事件を解決していく。永遠の命を手に入れる富裕層に、肉体の乗り換えを拒否する穏健派など、独自のサイバーパンク世界を活用したストーリーは高い評価を得ていた。
2018年2月に公開されたシーズン1では『ロボコップ』(2014)のヨエル・キナマンが主演。2020年2月に配信を開始したシーズン2ではMCUのファルコン役でお馴染みのアンソニー・マッキーが主演を務めた。
2020年3月には主人公タケシ・コヴァッチの過去を描いたアニメ版『オルタード・カーボン: リスリーブド』の配信を開始。9月にはクラウドファンディングサイトのキックスターターで目標額の1000%を集め、TRPGとしてゲーム版の発売も予定されている。シーズン2で新たにショーランナーを務めたアリソン・シャプカーは、シーズン3の構想については「アイデアは山ほどある」と語っていた。
『オルタード・カーボン』はNetflixを代表する人気シリーズと思われていただけに、ショックは大きい。その物語と同じく、時代を超え、肉体を乗り換えて、再登場を果たすことに期待しよう。
『オルタード・カーボン』シーズン1とシーズン2はNetflixで独占配信中。
原作小説はパンローリング株式会社より新装版が発売中。
Source
Deadline