『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』新情報公開
米国で開催されているディズニーのファンイベントD23で、米時間2024年8月10日(土) にマーベル・スタジオのアニメ部門の発表が行われ、「スパイダーマン」の新作アニメシリーズについて新情報が公開された。新作のタイトルは『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン(原題:Your Friendly Neighborhood Spider-Man)』で、D23のステージでは本作のプロデューサーでマーベル・スタジオのTV・配信部門トップのブラッド・ウィンダーバウムが登場して同作を紹介した。
アニメ『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』は、MCU作品として数えられているが、メインユニバースのアース616ではない別ユニバースが舞台とされている。新しいピーター・パーカーを主人公に、そのオリジンから描いていくことになる。
D23で公開された画像の一つでは、ピーター・パーカーが手製のスパイダーマンスーツに身を包み、ウェブシューターから糸を出している。MCUでトム・ホランド演じるスパイダーマンがトニー・スタークと出会って本格的なスーツを手に入れる前に使用していたホームメイドスーツを思わせるデザインだ。
LIVE from the @DisneyD23 Marvel Animation Sneak Peek:
Meet your Norman Osborn, @colmandomingo, and Peter Parker, @hudsonthames, from Marvel Animation’s Your Friendly Neighborhood Spider-Man! 🕸️🕷️ #D23 pic.twitter.com/vbtec7RuDV
— Marvel Studios (@MarvelStudios) August 10, 2024
ノーマン・オズボーンがトニー・スタークの立場に?
D23では、会場限定で『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』の初映像も公開されている。米Colliderによると、学校で過ごすピーター・パーカーのもとに、ポータルを通ってドクター・ストレンジと角の生えたシンビオートが現れるシーンも含まれていたという。
映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) では、ドクター・ストレンジはユニバースを破壊する存在として認識されていた。今度もマルチバース展開に絡むことになるのだろうか。
また、『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』の映像には、ピーター・パーカーがクモに噛まれるシーンがあったそうだ。MCU実写版では、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021) でピーターがクモに噛まれてスパイダーマンになったことに言及したが、実際にクモに噛まれるオリジンはカットされていた。映像作品でピーター・パーカーがスパイダーマンになるオリジンが描かれるのは、映画『アメイジング・スパイダーマン』(2012) 以来ということになるだろう。
そして、『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』の大きなサプライズは、これまでスパイダーマンの宿敵として知られていたグリーンゴブリンことノーマン・オズボーンが、ピーター・パーカーを支える立場で登場するということだ。ノーマン・オズボーンといえば、映画『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』にもヴィランのグリーンゴブリンとして登場したばかりだ。
『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』では、ピーター・パーカーはノーマン・オズボーンに助言を求め、ヒーローを支える「椅子の男」になるという。いわばトム・ホランド版スパイダーマンにとってのアイアンマン/トニー・スタークのような存在になると見られており、これもマルチバースならではの設定と言える。
会場ではノーマン・オズボーンの声をコールマン・ドミンゴが演じることが発表され、本人がステージに登場した。コールマン・ドミンゴは最近では『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(2023) でユニクロンの声も演じている。
コールマン・ドミンゴはマーベル・スタジオ公式の動画で「オリジンの物語を作っていくことを楽しんでいます。私たちのスーパーヒーロー、そしてスーパーヴィランのね」と、ノーマン・オズボーンの“闇堕ち”も予感させる意味深なコメントを残している。
We just got chills.@colmandomingo is FINALLY a part of the Marvel Universe. #D23 pic.twitter.com/tZYG6hSAsR
— Marvel Studios (@MarvelStudios) August 10, 2024
また、『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』のピーター・パーカーの声はハドソン・テームズが演じる。ハドソン・テームズは、アニメ『ホワット・イフ…?』(2021-) でもピーター・パーカーの声を演じる。
マルチバースでキャラも変わる?
アニメ『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』の製作が発表されたのは2021年11月のDisney+ Dayでのこと。当初は『スパイダーマン:フレッシュマン・イヤー』というタイトルでMCUのピーター・パーカーのオリジンを描くとされていたが、その後、『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』にタイトルが変更となり、舞台も別ユニバースになることが明らかになっていた。
あくまでMCU作品として数えられるが、トムホ版スパイダーマンがいるアース616とは異なるユニバースを舞台に、スーパーパワーを得たピーター・パーカーがティーンエイジャーとしてどのように人生を歩んでいくのかという点に焦点を当てた物語になるという。
直近では、アニメ『X-MEN 97’』(2024) もMCUのメインユニバースであるアース616とは異なる世界を舞台にしながらも、MCU作品に数えられている。映画『デッドプール&ウルヴァリン』(2024) もMCU内の別ユニバースでの物語となった他、2025年公開の映画『ファンタスティック・フォー』も別ユニバースが舞台になることが示唆されている。
2027年公開を予定している映画『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ(原題)』では、マルチバースのヒーローが集結すると見られており、『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』が同作の伏線の一部になる可能性もある。
また、2026年公開の映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ(原題)』では、アイアンマンことトニー・スタークを演じてきたロバート・ダウニー・Jr.がヴィランのドクター・ドゥーム役で復帰することが発表されたばかり。一部では別ユニバースのトニー・スタークがドクター・ドゥームになるという説も唱えられている。
『ホワット・イフ…?』で闇堕ちしなかったサノスが登場したように、アニメ『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』でもノーマン・オズボーンが完全な善人として描かれる可能性は十分にある。映画『スパイダーマン・ノー・ウェイ・ホーム』では、ピーターの相棒ネッドが、原作ではホブゴブリンというヴィランになることがネタにされ、ネッドはその可能性を否定していた。
各ユニバースの環境によって悪人になるか善人になるかが決まるというのが通説だが、『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』のノーマン・オズボーンは果たして……。
快進撃続く「スパイダーマン」
また、D23で公開された『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』の画像の中には、本作に登場するキャラクターが勢揃いした絵もあったという。そこには、アイアンマン、デアデビル、トゥームストーン、ニコ・ミノルらの姿が捉えられており、アニメならではの豪華な陣営となることが明かされている。
ソニーが映像化の権利を持つ「スパイダーマン」シリーズからは、2024年中に映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』と『クレイヴン・ザ・ハンター』の公開が予定されている。「スパイダーバース」シリーズ第3弾『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』の製作も進められている他、同シリーズにスパイダーマン・ノワールの声優として参加しているニコラス・ケイジ主演のドラマ『ノワール(原題)』の製作も発表されている。
トム・ホランド版のMCU映画『スパイダーマン4』の製作も進められているといい、「スパイダーマン」シリーズの快進撃はまだまだ続きそうだ。アニメ『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』は、2024年11月2日にディズニープラスで配信されると見られており、そうなればドラマ『アガサ・オール・アロング』と入れ替わりで配信が始まることになる。『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の公開も合わせるとなかなか忙しい秋になりそうだが、まずは公式の発表に注目しよう。
アニメ『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン(原題)』はディズニープラスで独占配信。
「スパイダーバース」制作の裏側が明らかに。『スパイダーマン:スパイダーバース』と『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のオフィシャルガイドは発売中。
Source
Collider
本作に先駆けた制作された「スパイダーマン」のアニメ化作品「スパイダーバース」制作の経緯はこちらの記事で。
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