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『千と千尋の神隠し』声優キャストに注目
映画『千と千尋の神隠し』は2001年に公開されたスタジオジブリの長編アニメーション映画だ。宮崎駿が監督を務め、興行収入は316億8,000万円という史上空前の大ヒットを記録。第75回アカデミー賞では日本作品としては初となるアカデミー長編アニメ映画賞を受賞した作品としても知られる。今回は、『千と千尋の神隠し』の特徴的で魅力的なキャラクターの声を演じた声優を紹介していこう。
『千と千尋の神隠し』声優キャストまとめ
荻野千尋役 柊瑠美
『千と千尋の神隠し』の主人公である荻野千尋を演じたのは柊瑠美。1987年生まれ、子役としても活動し、『千と千尋の神隠し』と『野ブタ。をプロデュース』での出演で広く知られるようになった。アニメの声優だけではなく、実写作品などでも幅広く活躍している俳優だ。
スタジオジブリ作品には『千と千尋の神隠し』以降も出演しており、『崖の上のポニョ』(2008)では婦人役、『コクリコ坂から』(2011)では広小路幸子役で出演している。他にもスタジオジブリ・レイアウト展で音声ガイドを務めるなど、スタジオジブリとかかわりの深い声優。
ハク役 入野自由
ハクを演じるのは入野自由。柊瑠美と同様に子役としても活動し、子役時代にも声優の経験を持っている。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」シリーズの主人公の宿海仁太といった高校生の役や、「Yes!プリキュア5」シリーズのナッツ役など声が高く、爽やかな役柄を演じることが多い声優だ。
そのような高い声の役などを演じる入野自由だが、『千と千尋の神隠し』収録当時は13歳ごろという声変わりの最中に演じた役柄であったため、現在はハクの声質を出して演じることは難しいと語っている。
湯婆婆/銭婆役 夏木マリ
湯婆婆と双子の姉の銭婆を1人2役を演じたのは夏木マリだ。夏木マリは俳優、声優、歌手など幅広く活動しており、声優としては『プラダを着た悪魔』(2010)でミランダ・プリーストリ役や『モアナと伝説の海』でタラおばあちゃん役で出演している。
また、夏木マリは海外公演も行われるなど好評を博した舞台版『千と千尋の神隠し』で湯婆婆と銭婆役をクアトロキャストながら務めており、実写とアニメの双方で湯婆婆と銭婆を演じた人物でもある。
カオナシ役 中村彰男
カオナシ役を演じる中村彰男は主に舞台を中心に活動している俳優だ。声優としては「交響詩篇エウレカセブン」シリーズのマシュー役、『夢枕獏 とわいらいと劇場 夢蜉蝣』(1991)の氷室役、『鉄拳 -TEKKEN-』(1998)の雷武龍役を演じている。
特に「交響詩篇エウレカセブン」シリーズのマシュー役では様々な作品に出演しており、「交響詩篇エウレカセブン」シリーズだけではなく、「スーパーロボット大戦」シリーズにもマシュー役として数多く出演している。
お父さん役 内藤剛志
荻野千尋の父親、荻野明夫を演じるのは内藤剛志だ。内藤剛志は子役として活動をはじめ、声優としては主にアニメーション映画に出演している。急病によりキャスト変更されてしまったが、OVA『ブラック・ジャック』(1993-2011)のブラック・ジャック役の候補にも選ばれていた。
声優としてはスタジオジブリと関わりが深く、『千と千尋の神隠し』以降の作品にも多く出演している。『ゲド戦記』ではハジア売り役、『コクリコ坂から』では小野寺善雄役として出演している。
お母さん役 沢口靖子
荻野千尋の母親、荻野悠子を演じるのは沢口靖子だ。1984年の第1回「東宝シンデレラ」でグランプリに選ばれ、芸能界に入り、俳優デビューを果たした。その後、『ゴジラ』(1984)で第9回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。
劇場アニメの声優としては『千と千尋の神隠し』のみである。しかし、テレビアニメの声優としては「クレヨンしんちゃん」シリーズに沢口靖子の代表作である「科捜研の女」シリーズの主人公の榊マリコとして出演している。
青蛙役 我修院達也
声色は低音、中音、高音に使い分けられる我修院達也が下働きの青蛙を演じる。我修院達也は声色を使い分けれることのできることから芸人だけではなく声優などでも活躍しており、「モンスターホテル」シリーズで吹替声優として4作品通してウェイン役を演じた。
ゲームの声優やナレーターとしても活躍する我修院達也だが、『千と千尋の神隠し』以外のスタジオジブリ作品にも出演している。それは『ハウルの動く城』(2004)のカルシファーで、『ハウルの動く城』の物語の上で重要な役を演じた。
坊役 神木隆之介
子役時代からスタジオジブリ作品に出演し続けているのが神木隆之介だ。『千と千尋の神隠し』の坊役だけではなく、『ハウルの動く城』のマルクル、三鷹の森ジブリ美術館の短編作品『星をかった日』(2006)のノナ役、『借りぐらしのアリエッティ』(2010)の翔役とその出演作品は多い。
声優としての活動は米林宏昌作品、細田守作品、新海誠作品、庵野秀明作品と日本を代表するアニメ監督の作品に出演している。そのことから、日本のアニメ映画に欠かせない声優となっている。
リン役 玉井夕海
千の先輩であるリンは音楽パフォーマンス集団「Psalm」のメンバーである玉井夕海が演じる。声優としては『千と千尋の神隠し』と『亡念のザムド』(2008)の紅皮伊舟などで、主な活動の舞台は映画と舞台演劇が中心である。
声優や俳優の仕事だけではなく、音楽監督や脚本家としても活動している。また、音楽パフォーマンス集団「Psalm」以外にもビッグバンド『渋さ知らズ』にも所属している。
番台蛙役 大泉洋
演劇ユニットのTEAM NACSのメンバーは数多くのスタジオジブリ作品に声優として出演している。番台蛙役の大泉洋もその一人だ。大河ドラマなどでも活躍する大泉洋は『千と千尋の神隠し』以外のスタジオジブリ作品にも声優として出演している。
『猫の恩返し』(2002)では国語教師役、『ハウルの動く城』ではかかしのカブ役と兵士B役、『星をかった日』ではメーキンソー役、『思い出のマーニー』(2014)では山下医師役でスタジオジブリ作品に声優として携わっている。また、レベルファイブのゲーム作品「レイトン教授」シリーズではレイトン教授役で数多くのゲームやアニメに出演している。
おしら様 安田顕
大泉洋と同じくTEAM NACSのメンバーで、声優として数多くのスタジオジブリ作品に携わっているのが安田顕だ。ヤスケンの愛称で親しまれている安田顕は『千と千尋の神隠し』では大根の神さまのおしら様として出演している。
他にも『猫の恩返し』では町田役、『ハウルの動く城』では兵士A役、『思い出のマーニー』では十一役で声優としてスタジオジブリ作品に出演している。また、「レイトン教授」シリーズにもサム役で出演しており、大泉洋とも声優として共演している。
河の神役 はやし・こば
河の神を演じたはやし・こばは俳優業や声優業ではなく、主に音楽活動を中心にしてきた人物である。数々のCMソング・サウンドロゴを手がけ、アニメや映画の音楽も作曲してきた。
その一方で、市川準監督が手がけたCMのサウンドロゴを手がけたことが縁となり、市川準監督作品では常連俳優として出演した。
父役 上條恒彦
上條恒彦は油屋で働くカエル男たちの中で中間管理職的な役割を担った父役を演じる。上條恒彦は歌手として活動し、俳優としては「3年B組金八先生」シリーズで社会教師の服部肇役で有名になった。
スタジオジブリ作品とは縁の深い人物でもあり、『紅の豚』(1992)ではマンマユート・ボス役、『もののけ姫』(1997)ではゴンザ役としても出演している。
兄役 小野武彦
小野武彦が演じる兄役は父役と同じく油屋で働くカエル男たちの中間管理職のような立ち位置のキャラクターだ。小野武彦は文学座出身の俳優で主にテレビドラマや実写映画、舞台を中心に活動している。
声優としては劇場アニメ作品で『千と千尋の神隠し』と『プリンス・オブ・エジプト』(1999)、『ブレイブ ストーリー』(2006)に出演しており、吹替声優としては『バーナビー警部』(1997-)でトム・バーナビー警部を演じている。
釜爺役 菅原文太
釜爺役を演じた菅原文太といえば「仁義なき戦い」シリーズの広能昌三役が有名だろう。所謂「極道もの」のイメージが強い菅原文太だが、声優としても活動しており、カートゥーンネットワーク作品の『サムライジャック』(2002-2006)で宿敵アクなどを演じている。
劇場アニメでは『千と千尋の神隠し』と同じくスタジオジブリ作品『ゲド戦記』にも出演しており、ハイタカ(ゲド)を演じた。晩年にはアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』(2012)などで優しいおじいさん役などを演じている。
以上が、『千と千尋の神隠し』に出演した主な声優の顔ぶれだ。もちろん以上の声優以外にも、『千と千尋の神隠し』には様々な声優が出演しているので、本編を観てチェックしてみよう。
スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』はBlu-rayとサウンドトラックが発売中。
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