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アニゴジ完結! 海外での反応は?
『GODZILLA 星を喰う者』の配信がスタート
2018年11月9日に日本で全国公開された『GODZILLA 星を喰う者』が、動画ストリーミングサービスのNetflixでも2019年1月9日に配信を開始した。世界190カ国での配信開始となり、早速海外でも論評が始まっている。
この時を待っていた――。
いよいよ明日1/9(水)より『GODZILLA 星を喰う者』がNETFLIXにて全世界配信開始❗️5月には『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の世界公開が控え、ゴジラ生誕65周年の今、アニゴジのゴジラワールドも是非お楽しみ下さい‼️#アニゴジ #ゴジラ #ネトフリ#平成最後のゴジラ pic.twitter.com/4iJEVtXLck
— 映画『GODZILLA 星を喰う者』 (@GODZILLA_ANIME) January 8, 2019
『GODZILLA 星を喰う者』は、“アニゴジ”の愛称で親しまれている「ゴジラ」シリーズ初の長編アニメーション映画の最終章。2017年11月に第一弾の『GODZILLA 怪獣惑星』が、2018年5月に第二弾の『GODZILLA 決戦機動増殖都市』が劇場公開されていた。第三弾の『GODZILLA 星を喰う者』は、いよいよ完結編。“2万年後の地球”というアニメならではの設定で史上最大のゴジラを登場させたアニゴジが、遂に完結の時を迎えたのだ。
海外の反応は?
VG+では、第二弾の『GODZILLA 決戦機動増殖都市』配信開始時にも、海外での反応をご紹介した。
今回は、Netflixでの配信開始から約一週間が経過し、公開され始めた『GODZILLA 星を喰う者』の海外でのレビューをご紹介しよう。
扱われたテーマを評価
Den of Geekのダニエル・カーランド記者は、『GODZILLA 星を喰う者』を観ることで、前二作がより豊かで完成したものに感じられると紹介。“制限のない成長と拡大がもたらす帰結”というテーマが、三部作を通して扱われているとした。また、2019年5月31日に公開が予定されている『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』についても紹介し、“ギドラ”の姿を比較してみるのも一興だとしている。
エンディングを解説
カナダはケベックに拠点を置くCBR.comのレナルド・マタディーン記者は、『GODZILLA 星を喰う者』のエンディングについての解説を記載した。同作のエンディングは、欧米の一般的な価値観にはそぐわない部分もあるだろう。それでも、同サイトでは概ね好意的に受け止められている。“生き延びること”が真の勝利であると解説し、同作のエンディングは次の文明の在り方を示したとしている。
前二作を痛烈批判してきた記者は……
SYFY WIREのパトリック・ガルバン記者は、前二作でアニゴジを痛烈に批判してきたが、今回は好意的な反応も見せた。冒頭では、「ゴジラ」シリーズの長い歴史において、過去にも振るわない作品は存在したとして、『ゴジラ対メガロ』(1973)、『ゴジラ FINAL WARS』(2004)の名前を挙げた上で、アニゴジ第一弾の『GODZILLA 怪獣惑星』を「不眠症解消映画」と改めて批判した。
それでも、最終章の『GODZILLA 星を喰う者』では前二作の伏線が回収されたことを評価。更に、アニゴジ三部作で音楽を手がけた服部隆之が、三部作の終演に相応しい音楽を提供したと賞賛している。かつては『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)、『ゴジラ2000 ミレニアム』(1999)でも音楽を手がけた服部の「ベストには至らない」としたが、「今でも口ずさめる曲もある」と、今作の音楽が印象に残ったことを遠回しに表現している。
結論としては、「三部作の中ではベスト」「過去二作に欠けていたものがある」としながらも、「それでも凡作の域を超えるには至らない」と、最後まで辛辣であった。
日本の観客向けに作られていたとしたら……
複雑な心中を記したのは、Cosmic Book Newsのマット・マクグロイン記者だ。「ネット上ではギドラに翼がないことに対する不満が数多く出ている」と紹介。それでも、アニゴジ第一弾の『GODZILLA 怪獣惑星』では2万年後の進化したゴジラの姿が、第二弾の『GODZILLA 決戦機動増殖都市』では未来のメカゴジラの姿が描かれており、ギドラの“超進化”に不満はないとしている。
更に、2万年以上の間地球に根を張り、“地に足のついた”ゴジラの設定と対をなす、エネルギー体として登場したギドラの設定については、「優れたSF的解説がなされていた」と称賛。地球を破壊する為に現れたギドラに対して、地球を守る今回のゴジラは、「私たちがよく知る、愛すべきヒーローの姿」とした。
一方で、マクグロイン記者は、そのエンディングに不満を抱いたようで、最後には、困惑気味に「このアニメ版ゴジラ映画3作品が日本の観客向けに作られていて、自分はこの作品が対象にしている視聴者でなかったとしたら」と不安を吐露。「もし海外でこの3作品が好意的に受け取られているのだとしたら、日本でのレビューを読んでみたい」としている。
以上が、主な海外メディアでの『GODZILLA 星を喰う者』のレビューである。いずれの筆者からも、ゴジラ作品への思い入れが感じられる。意外な結末を迎えながらも、過去の「ゴジラ」シリーズに通底するメッセージを提示したアニゴジ三部作。未見の方は、この機会にチェックしておこう。