怪獣の起源が明らかになるか?モンスター・ヴァース最新作『髑髏島』配信決定 | VG+ (バゴプラ)

怪獣の起源が明らかになるか?モンスター・ヴァース最新作『髑髏島』配信決定

© 2023 LEGENDARY ENTERTAINMENT / Netflix

モンスター・ヴァース最新作2023年6月22日(木)Netflix独占配信開始

ギャレス・エドワーズ監督作『GODZILLA ゴジラ』(2014)から始まったレジェンダリー・エンターテインメントによるモンスター・ヴァース。ゴジラやコングを筆頭とする往年の特撮怪獣の活躍する作品群として制作されたモンスター・ヴァースだが、その最新作としてNetflix制作『髑髏島(原題:Skull Island)』が2023年6月22日よりNetflix独占配信作品として仲間に加わる。

『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア(原題:Godzilla x Kong: The New Empire)』が2024年3月15日に劇場公開されることが発表され、ファンたちの興奮冷めやらぬ中で新たに発表された『髑髏島』。本記事では今回の予告編で公開された『髑髏島』に関する情報をもとに解説と考察をしていこう。

髑髏島とは何なのか

『髑髏島』では主人公たち探検家たちが髑髏島に漂着してしまい、コングら怪獣たちと出会うことになるのだが、物語の鍵を握るこの髑髏島とは何なのだろうか。髑髏島はコングの棲息する島の名前で、モンスター・ヴァースではジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督作『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)で初登場した。

その正体が語られたのはアダム・ウィンガード監督作『ゴジラvsコング』(2021)で、怪獣たちの起源とされる地球の地下空洞が、島の形をとって地上に噴出したものだった。コング族もゴジラ族も起源は地球空洞説に基づく広大な地下空洞にあり、『ゴジラvsコング』ではそこに向かうためにコングの力を人類は借りることになっている。

そして最大の注目ポイントはモンスター・ヴァースの世界の研究者にとって、髑髏島の研究は怪獣や生命の起源の研究に直結するということだ。地下空洞には原始の世界がそのまま残され、多くの怪獣やコング族の玉座にゴジラ族の背びれをつかった斧、さらにはゴジラの先祖の化石に人類と怪獣の関係性を示す証拠などが山のように眠っている。

それが地上に噴出したのが髑髏島であり、そこを研究すれば古代の神話の時代より続く怪獣と人類の関係性すらも解き明かさすことができるとされている。そのため、『髑髏島』でもそこにフォーカスがあたるのかどうか期待したい。

あの登場人物は登場する?

『髑髏島』で文字通り舞台となる髑髏島は無人島ではなく、そこには先住民の人々がコングと共存する形で生活していた。そして、さらには第二次世界大戦中に不時着したジョン・C・ライリー演じるハンク・マーロウ中尉とMIYAVI演じる零戦パイロットの碇軍平も生活していた。

特にハンク・マーロウ中尉は故郷に帰ることを夢に見て、碇軍平と兄弟の契りを交わし、先住民とも共存していた。さらには墜落した船や漂着した船のパーツを使ってグレイ・フォックス号を組み上げている。時代背景が『キングコング:髑髏島の巨神』の時代の1973年以前ならば、漂流した主人公たちの船もグレイ・フォックス号の一部になっていたのかもしれない。

また、1973年以前は未だ怪獣専門の特別研究機関MONARCHがまともに成立しておらず、1973年の調査団派遣によってコングが発見されて以降、MONARCHは本格的に動き出し髑髏島の保護や休眠中の怪獣の解析を行っている。主人公たちが漂流し、そこに研究施設が未だないとしたら時代背景は1973年以前かもしれない。しかし、主人公ら探検家たちは背中にハイテク装備らしきものを背負っているので、そこにも注目していきたい。

怪獣を愛する制作陣と日本アニメスタイルの融合

脚本と製作総指揮を務めるのは同じくNetflix制作で、隕石破壊のために人類が撃ったミサイルにより、地上に化学物質が降り注いだことで怪獣まみれの世界で生きるはめになった少年を描いたNetflix独占配信作品『ラブ&モンスターズ』(2020)の脚本県原案担当のブライアン・ダッフィールドだ。すでに怪獣の溢れる世界で生きる人々をテーマにした作品を制作し、10月16日~18日の全米ボックスオフィスランキング第9位を獲得したブライアン・ダッフィールドが製作総指揮と脚本を書くということで既に注目が集まる。

アニメーション制作は同じくNetflix制作、Netflix独占配信のオリジナルアニメーションシリーズ『悪魔城ドラキュラ ―キャッスルヴァニア―』(2017-2021)のパワーハウス・アニメーション・スタジオ(Powerhouse Animation Inc.)が担当する。『悪魔城ドラキュラ ―キャッスルヴァニア―』はコナミの大ヒットゲームシリーズ「悪魔城ドラキュラ」シリーズを原案としている作品だ。パワーハウス・アニメーション・スタジオはテキサス州オースティンが本拠地を置いているが、日本アニメスタイルで制作しているスタジオだ。

すでにNetflixオリジナルの怪獣映画で実績を残したブライアン・ダッフィールドと日本アニメスタイルで海外のファンを沸かせたパワーハウス・アニメーション・スタジオの二つがタッグを組むことが発表された『髑髏島』。さらに前述の髑髏島に零戦で不時着した碇軍平はゲームボーイの開発者の横井軍平と「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの主人公である碇シンジから取られている。

他にもコングの宿敵のスカルクローラーという怪獣のデザインは『千と千尋の神隠し』(2001)のカオナシや「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズのサキエルから影響を受けているため、以上の点でも日本アニメスタイルとの親和性は高い。これらのことからも「モンスター・ヴァースの新章を開く」とされる『髑髏島』の制作に期待していきたい。

髑髏島を彩る豪華なキャスト陣

前述の通り、髑髏島に漂着してしまった探検家たちが、コングが頂点に君臨し、怪獣やクリーチャーあふれる髑髏島からの脱出できるかどうかというストーリーになっている『髑髏島』だが、それを彩るキャスト陣も怪獣たちと同じくらい豪華だ。主人公のチャーリーの声優は『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』(2020-)にも出演しているニコラス・カントゥが務めることが発表されている。

ニコラス・カントゥは社会風刺やオタクネタにメタネタなどに富み、コアなファンが多い『おかしなガムボール』(2011-)で2016年から主人公のガムボール・ワトソンを演じ、さらには2023年8月25日公開の映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』では主人公の一人であるレオナルドを演じるなど、アメリカのアニメ界において欠かすことのできない声優となっている。

他の登場人物もアメリカ声優界やコアなファンを獲得している名優ばかりが揃っており、「ティンカー・ベル」シリーズでティンカー・ベルを演じるメイ・ホイットマンがアニー役を演じ、『グランツーリスモ』(2023)でGTアカデミーのトップドライバーのマティ・デイビスを演じたダレン・バーネットがマイク役を務める。

ディズニー映画『リメンバー・ミー』(2017)のエルネスト・デ・ラ・クルスの声優として美声を披露したベンジャミン・ブラットがキャップ役を務め、Netflix制作でプライムタイム・エミー賞のコメディ・シリーズ作品賞にもノミネートしたドラマシリーズ『GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』(2017-2019)デビー “リバティー・ベル”を演じたベティ・ギルピンがアイリーン役として参加するなど、『髑髏島』に対してNetflixがどれほどまで力を入れているが窺い知れる。

『髑髏島』は2024年公開の『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア』とも関わってくるのだろうか。そこにも注目していきたい。

『髑髏島』は2023年6月22日(木)よりNetflixより独占配信。

Netflix『髑髏島』視聴ページ

『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア』予告映像に関する記事はこちらから

『ゴジラvsコング』登場怪獣の紹介はこちらから。

『ゴジラvsコング』の続編考察はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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