アニメ『ダンジョン飯』第21話 感想&考察 カナリア隊と黄金郷 ネタバレ解説 | VG+ (バゴプラ)

アニメ『ダンジョン飯』第21話 感想&考察 カナリア隊と黄金郷 ネタバレ解説

©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会

西方のエルフたちが参戦してくるアニメ『ダンジョン飯』

ライオスのパーティーは新メンバーのイヅツミの加入を経て、パーティーとは何なのかを考えることになった。ライオスたちが自分たちを見つめ直していたとき、地上では何が起きていたのだろうか。アニメ『ダンジョン飯』第21話「卵/黄金郷」ではシュローとカブルーの地上視点と、ライオスのパーティーによるダンジョン視点という2つの視点で物語が展開されていくことになる。

本記事ではアニメ『ダンジョン飯』第21話「卵/黄金郷」について解説と考察、感想を述べていこう。なお、本記事はアニメ『ダンジョン飯』第21話「卵/黄金郷」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『ダンジョン飯』の内容に関するネタバレを含みます。

アニメ『ダンジョン飯』にカナリア隊登場

島主への報告

掛け軸を使った帰還魔法で地上に帰って来たシュローのパーティーとカブルーのパーティー。シュローたちは、今日は休みを取り、明日に島主へキメラ化したファリンのことを報告するつもりだったのだが時間は待ってくれない。かねてより島主に圧力をかけていた西方のエルフたちがカナリア隊こと迷宮調査隊を派遣していたのだ。シュローはこれ以上、ファリンに人間を殺めてほしくないという思いで報告するつもりだったが、カナリア隊は違う。受刑者と看守で構成されたカナリア隊は多少強引な手法でもダンジョンを制圧するのが目的だ。

島主に報告に向かうシュローとカブルーは、島主に雇われているタンス夫妻のパーティーに所属したナマリと再会する。シュローとナマリはライオスの魔物食について、やはり思うところがあるようだ。魔物食を認めているのは魔物食研究家のセンシと魔物への偏愛がすごいライオスぐらいだと言えよう。

部屋に飛び込むと、既にカナリア隊が島主に接触していた。カナリア隊はダンジョンの危険度が一定水準を越えたときに派遣される部隊であり、カナリア隊は後始末を専門としている要素が大きい。そのため、犠牲者が出てからしか動かず、動いたとしてもダンジョンに関するあらゆる情報や権利が西方のエルフたちに奪われてしまうことになるのだ。カブルーはそれを危惧して島主に話を持ち掛ける。

カナリア隊とカブルー

西方のエルフたちはダンジョンの危険度の測る目安の1つに魔物化した人間、つまりキメラの出現が関係していると考えている。キメラは生態系の外の存在であり、その出現はダンジョンを維持する生態系が脆くなっていることを意味していると考察できる。

事実、ファリンがキメラ化した原因の1つとして炎竜〈レッドドラゴン〉の異常行動をあげることが出来る。塵と化したデルガル王を探すために狂乱の魔術師シスルによってダンジョンの浅層に送り込まれた炎竜〈レッドドラゴン〉はダンジョンの生態系を乱していたことが、オーク族長たちの口から解説されている。

かつてエルフとの戦争を経験したノームであるタンスはカナリア隊にダンジョンを譲り渡すことに強く反対したが、島主はもう心が折れていた。これこそがエルフの交渉術である時間をかけるというものだろう。エルフは長命種であるため、時間をいくらでもかけられる。それに反してトールマンは短命種であり、時間をかけた粘り強さではエルフに優る者たちはいない。

カブルーはライオスの冒険者として中堅程度の戦闘力と、ダンジョンへの対応力ならば島のダンジョンを攻略できると確信していた。しかし、ライオス本人といえば人間関係はおろかダンジョンにも興味を示さず、興味を示しているのは魔物だけだった。それでもダンジョンの深層に最も近づいているのはライオスのパーティーであることは間違いない。カブルーはそれにかけ、切り札を出す。

カブルーの賭け

カブルーの切り札は自分の出自だったカブルーの母親はウタヤのダンジョンの崩壊に伴い死亡したが、育ての母親はカナリア隊の上官に位置する人物だった。その悲惨の出自をお涙頂戴の物語として語りつつ、権力者である育ての母親の存在をちらつかせる。それがカブルーの人心掌握術だった。その話に食いついたのはカナリア隊の現在の隊長であるケレンシル家のミスルンだった。だが、その境遇で魔物を食べたことにシュローは引いてしまう。

その頃、カブルーが一か八か賭けていたとは露知らず、ダンジョンの中にいたライオスのパーティーはエッグベネディクトを食べていた。イヅツミが虚空を見つめることをチルチャックが問うが、その理由は気配を感じたためだという。それにより、ライオスは魔力酔いを経験して以降、ずっと続いていた人影が見えてしまうのが幻覚ではないことを確信した。ライオスは幽霊と話し、とある人物を紹介される。その人物に会うことを承諾するとライオスたちは幽霊の手によって壁の中に吸い込まれた。

黄金城

辿り着いた世界は青空が広がり、まるで地上のようだが地上ではない。そのように考察できる最大の理由が、その集落の住人がユニコーンやミノタウロス、バジリスクたち魔物を家畜として利用していることだった。黄金城の周辺の集落の住人によれば、魔物たちは集落の住人を襲わないように命令されているという。そのせいか、魔物の魂が混ざったイヅツミは妙に大人しくなっていた。

ミノタウロスを乳牛扱いしていることに驚くライオスだったが原作では「牧場主になるのが夢だったんだ」という台詞が「牧場牛になるのが夢だったんだ」と誤植されてしまい、ライオスの魔物への執着心がすごいと話題になっていた。しかし、この台詞はあながち間違いではなく、ライオスはキメラ化したファリンをかっこいいと評している他、夢魔〈ナイトメア〉の世界で自分の考えた最強の魔物になろうともしていた。

畑仕事から牧畜、服飾に至るまで不老不死である黄金城の人間たちにとっては不要の産物である。それでも食事などを続けている理由は、正気を保つためのものだった。1000年以上も外の世界と隔絶され、ただただ生き続けるという生活では何かをしなければ正気を保つことができなかったのだ。暇こそ最大の毒であり、暇な時間が黄金城の住人から正気を奪っていたのだと考察できる。

デルガル王の孫のヤアドは、ライオスが翼獅子の予言に登場する「その者は翼持つ剣を携えた者、狂乱の魔術師を打ち倒しこの国の新しい王となるであろう」という予言の人物だと考えていたのだ。ケン助にはいつの間にか鍔に翼に加えて獅子の顔が浮かんでいる。ライオスは冷たい死体のような手を思い起こしながら黄金城の王になる意味について考えていた。

本日のレシピ

魂のエッグベネディクト

1. 沸騰させた湯に卵を割り落とす。
2. 黄身を傷つけないようにして、卵が中心になるように湯を混ぜる。
3. 白身が固まったら取り出す。
4. 湯煎で黄身に溶かしたバターをゆっくり加え、乳化させたソースを作る。
5. パンを割り、ポーチドエッグと具材をのせる。
6. ソースをかけて黄身に刃を入れる。

第21話の感想とカブルーのコネクションが描かれる第22話

西方のエルフたちが本格的にダンジョン探索に参戦し、カナリア隊という異色の部隊が登場したアニメ『ダンジョン飯』第21話「卵/黄金郷」。ライオスが幽霊を見えていたことが明かされると共に、虫を払うように幽霊を払いのけるライオスとそれを見つめるイヅツミというのが興味深い。猫が虚空の一点を見つめ、それを不気味に思うのは猫を飼っている人にとってのあるあるだと言える。

ライオスとイヅツミの細かな表現で幽霊の存在を描いたアニメ『ダンジョン飯』第21話「卵/黄金郷」だったが、今後はカブルーのコネクションが描かれると考察できる。カブルーは故郷のウタヤが滅んで以降、ダンジョン攻略に最も熱心だった人物だ。ダンジョンを攻略するためならば、何でもしてきたと言っても良い。そのため、カブルーがカナリア隊を納得させるためにどのようなコネクションが用いるのかにも期待していきたい。

アニメ『ダンジョン飯』第21話「卵/黄金郷」は2024年5月23日(木)22:30より配信と放送が開始。

『ダンジョン飯』公式サイト

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『ダンジョン飯』の海外の評価と海外ファンの考察はこちらから。

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鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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