黄金郷から新天地へ!
黄金郷に辿り着き、狂乱の魔術師シスルの過去が明らかになったアニメ『ダンジョン飯』。その最新話であるアニメ『ダンジョン飯』第22話「グリフィン/使い魔」では、狂乱の魔術師シスルの過去だけではなく、これまでライオスのパーティーを支えてきたセンシの過去を掘り下げることになる。
本記事ではセンシの過去を掘り下げるアニメ『ダンジョン飯』第22話「グリフィン/使い魔」の解説と考察、感想を述べていこう。なお、本記事はアニメ『ダンジョン飯』第22話「グリフィン/使い魔」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。
以下の内容は、アニメ『ダンジョン飯』の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
黄金郷から新しい冒険に出る『ダンジョン飯』
久しぶりの平和
黄金郷で平和な朝を迎えるライオスたち。センシの朝食に舌鼓を打ちつつ、ヤアドと談笑していたが、そこで狂乱の魔術師シスルの生い立ちが解説される。ヤアドの祖父の代に道化師として拾われた孤児のシスルはデルガル王の時代に魔術を学び始めたという。ドワーフやエルフの遺産の多い黄金郷の環境は魔法を学ぶのには最適で、そこでシスルは頭角を現し始めた。
しかし、デルガル王の父親であるフリナグが暗殺されたことで状況は一変する。シスルは二度と暗殺などが起きないように王国全体に不死の魔術をかけ、ダンジョンへと変えてしまったのだ。ライオスたちは狂乱の魔術師シスルとも対話で何とかなると思っていたが、そこまで甘い人物ではないようだ。
フリナグ王暗殺以降、狂乱の魔術師シスルは完全に心を閉ざしてしまっており、兄弟同然のように育ったデルガル王やその一族を守ることに固執している。だが、デルガル王は地上に登っていってダンジョンを攻略したものが次の王になることを告げて塵となってしまい、それが狂乱の魔術師シスルをより一層混乱させていた。それでも引き下がらないライオスたちにヤアドはダンジョンの最深層にいる翼獅子を解放するようにと伝える。そうしてダンジョンへと戻っていたライオスたちだったが、ヤアドのもとには狂乱の魔術師シスルが現われていた。
グリフィンと使い魔
ライオスたちは古代ドワーフの貯水庫に落下する。もとは防衛地点ということで磁石が効かない。そこでセンシはチルチャックに柱にある印を書き留めるように頼む、センシの解説では、このような地下拠点には必ずある暗号のようなもので、三半規管が鋭敏で方向感覚に優れたドワーフが他者に居場所を教えるためのものだった。それによって現在位置が南東だと突き止めたとき、喜び勇んでマルシルが駆け寄ってくる。
マルシルはファリンを見つけたと言って巨大な鳥の足跡を見せてきた。ライオスはファリンではなくグリフィンではないかと考察している。グリフィンという言葉を聞いた瞬間、センシは冷や汗をかき、怯え始める。そして、グリフィン狩りよりもその場にあった茸を優先しようとするなど様子がおかしい。グリフィンが現われた際には、普段とは異なり背中を見せてセンシは逃げてしまうのだった。そのせいでセンシはグリフィンに攫われてしまう。
たった一瞬で仲間を失う。それはライオスにとってファリンを失ったことを思い起こさせる出来事だった。パニックになるライオスだったが、一縷の望みを託してマルシルに手立てはないかと頼む。マルシルは使い魔を召喚して探すという方法を提案する。マルシルの解説によれば、使い魔の召喚術は3種類あるという。それが以下の3種類だ。
1. 既存の精霊や魔物を支配して操る。
2. 動植物をいじって魔物にする。
3. いちから作る。
1はダンジョンの主に気付かれる可能性が高く、そもそも狂乱の魔術師シスルがその手法で魔物を操っている。2は膨大な準備が必要になる。おそらくファリンのキメラ化は2に該当するものだと考察できる。最低限動けば十分という今の状況なら3が最適解だった。
センシの過去
イヅツミにセンシの過去を聞かれるライオスとチルチャックだったが、よくよく考えるとセンシについて2人は何も知らなかった。プライベートだからと詮索しなかったが、チルチャックはセンシの言動に違和感を覚えていた。センシは初めて会ったとき、10年以上、このダンジョンで魔物食を研究していると語ったがダンジョンが発見されたのは6年前だ。
その他にも、家宝と解説していた高価な鍋や包丁に、来たことのないはずの階層の魔物を異常に恐れる反応、古代ドワーフ語の解読、種族としてのハーフフットを知らないなど、長年この島に暮らしているとしたらおかしいことだらけだと指摘する。
チルチャックはセンシが地上に出られる人間ではない、つまり地上に出ることができない犯罪者だと考察するが、ライオスがその場を丸く収めた。このようなときにライオスの物事をはっきりと口に出すことと、他人を疑わない性格は役に立つ。
使い魔
チルチャックがセンシを疑っていた頃、鍋の蓋の隙間から湯気が立ち込め、使い魔が完成する。その使い魔は子供の落書きのような小鳥で、流石のライオスも引いていた。動けば問題ないとするマルシルだったが、使い魔と視覚を共有すると2つないし3つの視覚が重なるため、ひどく酔う。これを平然と何十羽の魔術師の目で実践している狂乱の魔術師シスルが如何に恐ろしいか身に染みる。
ダンジョンクリーナーの動きで柱の一本にグリフィンの巣があることを発見したマルシルは、そこにセンシもいることを確認する。ライオスは魔物の生態に興味を持ち、グリフィンが百舌鳥のように早贄することに驚いていた。使い魔で救出を試みるが、その前にグリフィンに倒されてしまう。
ライオスはワイバーン型の魔術師の目を参考に使い魔の形を作り直す。それによってスピードが増した使い魔だったが、やはりグリフィンに追い詰められてしまう。それによってもう一度、使い魔を作り直すことになったマルシルたちだったが、マルシルは使い魔に爪も牙も必要なく、必要なのは素早く俊敏であることだという境地に辿り着く。
そして完成したのがスカイフィッシュ型の使い魔だった。スカイフィッシュは別名フライグロッド、ロッドとも呼ばれるUMAで、1995年にビデオ編集者のホセ・エスカミーラが発見した映像や写真には写るが捕獲された例のない存在だ。しかし、近年ではハエなどの昆虫の残像であったことが明らかになっている。ライオスの心情に寄り添えば、この世から1つ浪漫が消えたことになる。
グリフィン討伐
稲妻のように機敏に動くスカイフィッシュによってグリフィンの注意は縄で降りるセンシから逸れ、その隙にグリフィンの翼を貫いた。それによって落下してくるグリフィンにライオスの一太刀が降りかかる。グリフィン討伐に成功したが、ぼろぼろになったスカイフィッシュはその役目を終えて動かなくなった。
スカイフィッシュに感謝するマルシルだったが、ライオスがぶつ切りにして料理の具材にしてしまう。スカイフィッシュの体内に野菜が臓器のように詰まっていることに興味津々になっているライオスに対して、感傷に浸っていたマルシルは抵抗感を示す。
ライオスはスカイフィッシュを調理し、食事で皆にまた平穏が訪れたかと思ったが、センシは違った。センシは普段と異なり食事に手を付けず、グリフィンの死体をじっと見ていたのだった。チルチャックはライオスの助言通り、“察してほしい”ではなく、自己紹介をするのだった。それによってセンシは自分の過去を語りだす。センシことイズガンダのセンシはかつて鉱夫団に所属し、エルフとドワーフの戦争前の遺物を探していたが、巨大な発見をしたと続ける。何とセンシこそがダンジョンの最初の発見者だったのだ。
本日のレシピ
スカイフィッシュ アンド チップス
1. 召喚獣を適当な大きさに切り分ける。
2. 羽は根本で断っておく。
3. 布切れで水分をしっかり取り、塩胡椒をする。
4. 小麦粉、卵、水をよく混ぜる。
5. 切り身をくぐらせる。
6. 羽は折りたたむ。
7. 切り身を揚げる。
8. 羽は焦げやすいのでくぐらせる程度に揚げる。
9. ソースを添える。
第22話の感想と第23話で語られるセンシの過去
センシの過去を掘り下げることになったアニメ『ダンジョン飯』第22話「グリフィン/使い魔」。物語も佳境に入り、そこでここまでの冒険を手助けしてくれたセンシの過去が掘り下げられる。第1話『水炊き/タルト』で提示されていたダンジョンが発見されたのは6年前なのに対し、センシは10年研究していると語っているという矛盾が伏線だったことが明かされる興味深いエピソードだ。
第23話ではセンシの鉱夫団に何があったのか、そしてグリフィンへのトラウマの根源とは何かが語られることになる。ライオスのパーティーの精神的支柱だったセンシがグリフィンを恐れる理由とは何か。アニメ『ダンジョン飯』の物語が佳境に入るとともに深掘りされるセンシの過去に注目だ。
アニメ『ダンジョン飯』第22話「グリフィン/使い魔」は2024年5月30日(木)22:30より配信と放送が開始。
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