『ボブとはたらくブーブーズ』映画化 アンソニー・ラモス主演 『バービー』に続くマテル社のヒット作になるか | VG+ (バゴプラ)

『ボブとはたらくブーブーズ』映画化 アンソニー・ラモス主演 『バービー』に続くマテル社のヒット作になるか

© Mattel

『ボブとはたらくブーブーズ』映画化

2023年に14億ドル超の大ヒットを記録した映画『バービー』を生み出したマテル社が、新たな企画に取り掛かっていることが明らかになった。米Varietyによると、マテル・フィルムはイギリスの子ども向けストップモーションアニメの『ボブとはたらくブーブーズ』(1998-2011) を長編アニメ映画化するという。主人公ボブの声優はアンソニー・ラモスが務め、ジェニファー・ロペスがプロデューサーを務める。

『ボブとはたらくブーブーズ』は、日本でも2000年から2010年までテレビ東京で朝の時間帯に放送されていた人気アニメ。粘土で作った人形をストップモーションでアニメ化した作品で、「ボーブとブーブーズ♪ やってくれるかい?」と歌われるオープニング曲も広く知られている。

原作の『ボブとはたらくブーブーズ』では工事業者のボブが擬人化された工事車両のブーブーズとともに街の問題を解決し、協働を学んでいく1話完結型の物語が描かれた。映画化される『ボブとはたらくブーブーズ』では、ボブが大きな工事の仕事を受けてプエルトリコに出張する物語が描かれるという。なお、主演を務めるアンソニー・ラモスとプロデューサーのジェニファー・ロペスもプエルトリコ系である。

発表によると、映画版『ボブとはたらくブーブーズ』でボブは島全体に影響を与える問題に取り組むことになり、「建てること」というテーマを深掘りする内容になるという。映画『バービー』ではバービーを通してメタ的にルッキズムやミソジニーに対する深い問いを投げかけたことを思うと、「建設」「築くこと」をテーマにした深い内容になることも期待できそうだ。

映画版『ボブとはたらくブーブーズ』の脚本はフェリペ・ヴァルガスが担当する。フィリペ・ヴァルガスは制作中のホラー映画『ロサリオ(原題)』の監督就任も発表されている。主演のアンソニー・ラモスも映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(2023) で主人公ノア・ディアスを演じたことが記憶に新しい。アンソニー・ラモスは、『ボブとはたらくブーブーズ』が「重要なメッセージ」をもたらすとしており、映画内の要素には自分自身の人生と繋がる要素もあるとコメントしている。

マテル社の快進撃

『ボブとはたらくブーブーズ』は2010年までストップモーション・アニメスタジオのHOTアニメーションが制作を手がけていたが、2010年から3DCGのアニメーションに変更された。2011年にはマテル社が親会社のヒット・エンターテインメントを買収。2015年から2018年までは設定を一新したリブートシリーズも放送された。

マテル社のイノン・クライツCEOは、映画『バービー』公開時に同作のシリーズ化を求めるコメントを出しており、マテル・フィルムとしてはアメリカン・ガール人形や子ども向け番組『バーニー&フレンズ』(1992-2010) などの映画化企画を進めている。ホットウィールやUNOといった日本でも人気の玩具を題材にした映画作品も準備されており、『ボブとはたらくブーブーズ』はこれらのマテル・フィルムの映画群に加わることになる。

今回の報道では、マテル・フィルム代表のロビー・ブレナーが「(主演の)アンソニーと(脚本の)フェリペの天才的なビジョンが組み合わさることで、ボブと一緒に育ったお客さんには懐かしく、新しいお客さんは新鮮に楽しめる形で、愛すべきキャラクターたちを描き出すことができるでしょう」とコメントを発表している。新旧の顧客をターゲットにしたマテル社の快進撃はまだ始まったばかりである。

Source
Variety

実写版『ホットウィール』の情報はこちらの記事で。

【ネタバレ注意】映画『バービー』ラストの解説&考察はこちらから。

ライオンズゲートによる「モノポリー」実写映画化についての情報はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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