ガンダムTVシリーズ初の女性主人公!! 最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』主役機【ガンダム・エアリアル】デザイン公開 | VG+ (バゴプラ)

ガンダムTVシリーズ初の女性主人公!! 最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』主役機【ガンダム・エアリアル】デザイン公開

© 創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』はTVシリーズ初の女性主人公

2021年にタイトルが発表されて以来その詳報が待たれていたガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』だが、大方の予想通りTVシリーズ初の女性主人公であることが発表された。未だ主人公の名前は発表されていないが、公開されたティザーPVの中心に映る赤髪の少女がどうやら『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の主人公のようだ。

公式サイトでは主役機である【ガンダム・エアリアル】および今夏公開予定の前日譚「PROLOGUE」に登場するMS(モビルスーツ)【ガンダム・ルブリス】、【ベギルベウ】のデザイン画も公開された。

「女性的」な【ガンダム・エアリアル】デザイン

バンダイの『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スペシャルページによれば、これらの機体は今後ガンプラとして立体化が予定されているとのことだ。ティザーPVを見る限り、【ガンダム・エアリアル】の額や胸部、太腿などに配された黒い部分はどうやら赤く発光するギミックが用意されているらしい。ガンプラでどのような表現となるのかについても注目したい。

【ガンダム・エアリアル】はこれまでの「ガンダム」のデザイン上の記号を受け継ぎながら、強く”女性型”を印象付けるものとなっている。既存のデザインで最も印象の近い機体は、2014~2015年にかけてTV放送された富野由悠季監督作『ガンダム Gのレコンギスタ』の主役機【G-セルフ】および【G-アルケイン】だろう。初見ではこれら二機をミックスしたような印象を受ける。

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背中にいわゆる”バックパック”が装備されておらず、肩の後ろにビームサーベルが直接取り付けられているような配置は発表された【ガンダム・エアリアル】のデザインが”素体”であることを感じさせる。今後、物語の進展に伴いバックパックを始めとする何らかの追加装備や武装の換装ギミックが用意されているのではないだろうか。

前日譚「PROLOGUE」に登場する【ガンダム・ルブリス】は、【ガンダム・エアリアル】と酷似したデザインながらバックパックを装備している。ガンダム作品では本編主役機の”プロトタイプ”が外伝主役機を務めることも多いが、【ガンダム・ルブリス】も例によって【ガンダム・エアリアル】の試作機という位置付けなのだろうか?

さて、ここからは少し踏み込んで【ガンダム・エアリアル】のデザインのどこを「女性的」だと感じるのかを探ってみたい。ガンダムは設定上はロボットかつ兵器であり、勿論そこに「性別」などは存在しない。そうであるにもかかわらず、【ガンダム・エアリアル】のデザインは確かに「女性的」だと感じられる。勿論、その印象は本編の作劇や演出の仕方によって覆されもすれば補強されもするだろう。

しかし、ガンダムに限らず人間がデザインするあらゆるものにはデザイナーの意図やコンセプトがある。【ガンダム・エアリアル】は明らかに「女性が乗る機体」をイメージしてデザインされているのだ。では、【ガンダム・エアリアル】の一体どこが「女性的」に見えるのだろうか?

「ガンダム」を象徴するデザイン上の記号と言えば「二つ目」、「二本角」、そしてマスクに描かれた二本の「への字」だろう。これらを備えたデザインは殆どガンダム以外には見えなくなる。但し例外も多い。古くは『機動戦士Zガンダム』(1985~1986)後半主役機である【Zガンダム】に始まり、近年では『機動戦士ガンダム00』ファーストシーズン(2007~2008)主役機である【ガンダムエクシア】も主役機ながら「への字」のないガンダムだ。それまでのガンダムデザインを大幅に逸脱、更新した『∀ガンダム』(1999~2000)の主役機【∀ガンダム】も忘れてはいけない。

【ガンダム・エアリアル】も過去のこれらのガンダムの系譜に連なるように「への字」のないデザインとなっている。ガンダムの”表情”の表現において、やはりこの「への字」の有無というのは目線と同じくらい重要な要素に思える。

これは筆者の主観の域を出ないかも知れないが、個人的には初代ガンダムのような「への字」は若々しい少年のような印象を抱かせる。Zガンダムのようなへの字がなく尖った顎を持つデザインはソリッドな攻撃性を感じさせる。同じへの字でも台形の底辺を取ったような二角のデザインは若々しさよりは手練れ、老練なエースの乗る機体という印象だ。

これらを踏まえた上で【ガンダム・エアリアル】には「への字」がなく、そのことによって「少年らしさ」が抑えられた中性的なデザインとなっているように見える。そしてZガンダムのように顎をそのまま尖らせるのではなく、更にその下に”チンガード”を用意することによって表情が攻撃的になり過ぎないように緩和している。

その上で、”太腿”が大きく”ウエスト”の絞られたボディライン、巨大なアーマーで覆われることなくシンプルに、かつ”なで肩”として表現された肩のデザインなどから人は「女性」の記号を読み取るのだろう。少なくともそう読み取られることを意識してデザインされている筈だ。

極め付きは”武器”であるライフルは標準的なものよりも小型にデザインされている一方で、防御用装備であるシールドは近年のデザインの流れからすれば異質とも言える程大きくデザインされている点だ。

以上のことから、【ガンダム・エアリアル】はそのデザインからは「倒す」ことよりも「守る」ことに重きを置いたガンダムに見える。無機物の形を女性的だと感じるということは、裏を返せば社会一般に浸透した「女性」のイメージ、ある種の偏見をそこに投影しているということでもある。

そのこと自体の是非については、本編で主人公の女性がどのような物語を生きる人物として描かれるのかを観た上でまた改めて考えてみたい。個人的には、新時代のガンダムに相応しい”革命”的な物語を期待したい。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、2022年10月2日(日)より毎週日曜午後5時~MBS/TBS系全国28局ネットにて放送開始。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式サイト

第1話のネタバレ感想はこちらから。

2022年6月3日(金)全国ロードショーの映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の情報はこちらから。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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